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8.私たちが平和を築くためにできる事
(2002年12月1日記載/2024年1月26日更新)
   


2024年1月25日追記:ガザの友人が絶望の中にいます(涙)
どうして黙っておられようか。
今日の日経新聞の記事。ガザの病院が攻撃を受けています。
度々ここでも書いている、家を破壊され友人を殺されたガザの友人は家族と共に南に逃げましたが、今彼のいる病院が戦車隊に包囲されています。
病院を逃げ出そうと試みた武器を持たぬ市民は狙撃されて、多数殺されています。もはや戦争ではなく虐殺の連続です。
イスラエルとハマス間ではもはや解決できないので、パレスチナ自治政府首相は日欧米を含む国際社会が介入する国際会議を望んでいます。
友人は、孤立無援の絶望の中にいます。
南アフリカのアパルトヘイトやナチスのユダヤ人大虐殺のように、このイスラエルの半世紀以上に渡る残虐行為と民族浄化思想もいつか歴史が裁くでしょうが、そんな悠長なことは言っていられません。もはや一刻の猶予もありません。
孤児や貧しい人のために長年尽力してきた友人を殺させないでください!
国際社会は協力して、このひどい状況を止めてください!
イスラエルの義の無い理不尽な建国に尽力し、イスラエルを支持し大量の武器をイスラエルに送っているアメリカ合衆国の市民も声を上げてください!



ペイパル、海外送金できず。
孤児や貧しい人々を助ける活動をしているガザの友人に、2017年から(小市民なのでほんの僅かな額しかできませんが)、時折、募金ないし送金してきましたが、昨年11月には送金できていたのに、この1月から突然海外への送金ができなくなりました(汗)。
ペイパルからようやく返事が来て、海外送金には審査が必要になったとか!・・・書類を提出して、ただ今審査中・・・審査が通らなかったら、二度と送金できない(涙)。



1月26日追記:通常2~3日かかると言う審査をペイパルに早急にしていただき、今朝送金できました。
今の現状ではお金は何の役にも立ちませんが、彼や家族や仲間が生き残り、また子供や貧しい人々のために活動できると信じています。




 この一年間考えてきた平和の問題は、とりあえず今回が最終回。日本国憲法の第9条解釈がどう変質して行ったか、日本が主に自衛隊を使って、どのような国際貢献をしようとしているのか。その問題点、矛盾点は何なのか、を最初の2回で考えた。その後5回に渡って、世界にはどのような紛争や問題があるのかを見てきた。それらを一つ一つ踏まえた上で、我々はどのような平和への貢献ができるのか…これが一番大事な点であるが…を考えたい。
 しかし私はここで、平和を築く為の"観念論"や、国家規模的な"政策案"を提示したいのではない。私は、国際政治学者でも軍事アナリストでも政治家でもない、単なる一市民である。日々の忙しい仕事に追われ、家庭を形成する一人の人間として、日常生活を送りながら"具体的に"どう平和構築に関われるのかを考えたいのだ。この数ヶ月、図書館や本屋で、"具体的"な平和構築のために参考となる参考文献を探した。ところが、そういう本がほとんど見つからないのに驚いた。平和について書かれたエッセイや詩は、数多くある。平和に関連した宗教や思想の書物も、容易に見つかる。外交政策などの政治関連の本もある。紛争地域の最前線で取材したルポルタージュも、すぐ手に入る。軍事戦略や兵器について書かれた本は、数知れず…。しかし、忙しい日常生活を営む我々が、"具体的"にどう平和を築くことに関われるかを扱った本がほとんど見つからないのだ。具体性や方法論が無い観念論は、"絵に描いた餅"に等しいと常々思っている。ここでは、なるべく現実の日常生活で関われる方策について考えたいと思う。


募金活動・署名活動

 私たちがNGO(注:非政府組織で、平和・人権問題などで国際的な活動を行っている非営利の民間組織のこと。ノンガバメンタル・オーガニゼーションの略)等の活動に参加して、直接紛争地域や被災地域に行って、難民救済や種々救援活動をできればとても良いと思う。しかしながら、実際に家庭や仕事を持つ人々にとって、そういったボランティア活動やサポートスタッフの働きをするのはなかなか容易ではない。だが、その活動を支えるための募金活動に加わることはできるだろう。一例を挙げると、6,000円の募金で栄養不足の子供たちに400食以上の補助栄養食を提供できる、10,000円あれば6種予防接種を5人の子供に施せる…といった様にである。また、法的には何ら拘束力・実行力を持たないが、世論の支持・世論の形成のための署名活動への参加も、間接的に平和へ貢献する一つの道である。様々なNGOが、平和のための国際活動をしている。以下に、その中のほんの一部を掲載する(詳しくは各ホームページを)。


国際連合児童基金(UNICEF)…戦争で体や心に傷を負った子供を救う為の基金。
http://www.unicef.or.jp/about_unicef/

日本国際飢餓対策機構(JIFH)…飢餓対策活動のNGO。
http://www.fhi.net/jifh/

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン…戦争で家や家族を失った子供たちに手を差し伸べる活動のNGO。
http://www.savechildren.or.jp/

アムネスティ・インターナショナル日本…信念、人種、出自等の理由で囚われている人々を救うNGO活動。
http://www.amnesty.or.jp/

JANIC正会員団体リンク集…様々なNGO組織などのリンク集。
http://www.janic.org/link.html


 ただし世の中には、新興宗教団体やカルト団体などの怪しい集団が行っている募金活動・署名活動もあるので…特に街頭募金・署名…には注意が必要である。私も、街頭で聞いた事の無い団体に募金を求められる事が多々あるが、正直どの団体がどんな活動をしているのかよく分からない。インターネットで検索しても、出てこない団体も多々ある。良かれと思ってやったことが、その怪しい集団の助成につながったり、後で思わぬトラブルに巻き込まれたのではたまらない。怪しい署名活動・募金活動だと思ったら、どこの団体の活動なのかをきちんと確かめたり、そのパンフレットなどをもらっておいた方が良いかもしれない。はっきりしない内容や怪しい組織だと思ったら、私はきっぱりと断っている。


選挙権を行使する

 さて、上の例よりは間接的になるが、選挙で一票を投じることは国際貢献にとって、とても大切だ。議員を選ぶと言うことは、単にこの国の安定や発展に関係するだけではなく、世界の諸紛争・諸問題とも大きく関係する。日本の国家予算は、この大不況でもやはり世界でも飛びぬけて大きいものであり、税金の使われ方次第で他国に貢献もできれば、逆に非難もされよう。
 例えば、Aと言う国に日本から多額の農業開発のための援助金が渡るとする。ところが、その援助費用には付帯条件が付いている。農機具は、すべて日本の農機具メーカーから購入しなければならない。そして、高価な耕運機や田植え機などのマシンがその国に多数導入される。しかしその国が求めているのは、もっと根源的な農業の知識や教育だったりする…高価なマシンを扱う以前のレベルだ。しかし、日本からは農業の専門家はほとんど誰もやって来ない。かくして、高価なピカピカのマシンは、大地で錆びて朽ちていく…。この援助金で恩恵を蒙ったのは、日本の農機具メーカーと一部の政治家や官僚だけ…と言う結末。国民の多額の血税を投じたのに、発展途上国の安定や発展に寄与できず、日本は国際社会から感謝されるどころか、蔑まれる。
 上のストーリーは架空の話、フィクションとして聞いておいてほしいが、実際日本がやっていることにそういった類のことが多い。ODA(注:政府開発援助/発展途上国や国際機関に対して行われる援助で、贈与・借款・賠償・技術援助などの形をとる)資金は、多くの商社や政治家達の標的となってきた。発展途上国が必要とするか否かよりも、いかに日本の企業がODA資金を用いて金を儲けられるか、と言う側面が強い。企業側の利益の一部は、そのプロジェクト推進に関わった政治家や官僚にマージン・バックされることも多いと言われる。もちろん、こう言った構図は何もODAだけに見られることではなく、国内の農林事業、ダム建設、道路建設などを始めとする税金を使うプロジェクトには、必ず伴う問題である。けれども、特にODAは貧しい他国への援助であることから、こうした一部の企業や政治家の私利・私欲に流用されてはならない。我々有権者が、自分の投票する議員をきちんと見極めて、大事な一票を投じなければならない。立候補者がどのような政策を掲げているのか、日本の公共の利益および国際貢献のためになるのか、一部の団体・企業に対して特段の利便を謀ろうとしてはいないか、これらを我々は正しく判断して投票する必要がある。たかが一票と思うかもしれないが、その一票がこの国の安全や、他国の安定や発展にも大きく関わるのだということをしっかりと胸に刻みたい。きちんと立候補者の話に耳を傾け、立候補者の過去の実績を見て、そして選挙には必ず行き、自分の信念に応じて一票を投じよう!



マスコミの報道を慎重に判断する

 さて、私たちが世界の出来事を知るのは、新聞記事やテレビのニュースによってである。しかし残念ながらマスコミの報道は、完全に中立・公平ではないし、誤報も多々あると言うことを知っておく必要がある。偏ったニュース報道は、誤った世論を形成し、正しくない政策に反映されるかもしれない。私たちは、日々のマスコミ報道を慎重に受け止める必要がある。
 松本サリン事件では、被害者の夫が加害者として疑われたことがあった。これはマスコミの報道(もちろん警察も)による、大失態だった。誤報はあくまで報道機関の取材の失敗なのだが、確信犯的に中立でない姿勢・理念をもった報道と言うものも確かに存在する。一例を挙げてみよう。例えば、"自衛隊の海外派遣についての是非を問う"アンケートが、各新聞社で実施されたとする。A社の設問が「自衛隊の海外派兵に道を開く自衛隊の海外派遣に賛成ですか」で、B社の設問が「日本の国際貢献につながる自衛隊の海外派遣に賛成ですか」だったとする。同じ自衛隊の海外派遣について聞く設問なのに、A社の方はまるで戦争につながるような印象を与え、逆にB社の方は平和を推し進めるような印象を与える。A社のアンケートの取り方だと否定的な意見の人数が増え、B社の取り方だと肯定的な意見の人数が増えるだろう。これは仮定の例だが、アンケート一つを取ってみても世論操作のできる余地があるのである。
 実際に主要新聞社の理念や論説には、大きな差がある。例えば、S新聞社はかなり右寄りで、過去の日本の戦争行為も肯定的にとらえる。一方、A新聞社は左寄りで、過去の日本の侵略戦争行為を断罪し、政府の政策に対し否定的な論説を展開する。M新聞社は、中立よりやや左寄りで、Y新聞社はやや右寄りであると言われる。一般的に右寄りの論説は、好戦的で体制擁護の立場が強く、左寄りの理念はその逆の傾向が強い。これは、新聞社のみに限ったことではなく、週刊誌やテレビ局にも大なり小なり同じ事が言える。つまりマスコミの報道と言うのは完全に中立・公平とは言えないと言うことだ。ニュースの取捨選択にも、それは如実に現れる。例えば、現在のアメリカのマスコミ報道を見ると、アメリカが正義であり、それに敵対する勢力はすべて悪…と言う報道姿勢で貫かれており、公正・中立な報道機関としての存在意義は明らかに薄い。
 また、以前から指摘されているように、スポンサーである大企業に不正があった場合、そのニュースをどこまで公正に伝えられるかと言う問題がある。大きな資金力や政治力を持つ団体・個人から圧力があった場合、マスコミはどこまで公平性を保って報道できるかは残念ながら疑問である…街中の中小企業や個人が犯した不正は徹底的に糾弾できても、果たして大企業や大物政治家に対して同じ事が出来るのかと言うことに疑問が残る。
 我々は、日々のマスコミ報道を鵜呑みにせず、疑問を持つことも必要だろう。政府の発表やマスコミ報道によって、世論が危険な方向へ誘導されてしまった例は、世界の歴史上とても多い…マスコミの報道は、国や団体のプロパガンダに時折利用されるのだ。よく引き合いに出されるのが、アメリカの新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハースト(市民ケーンのモデルと言われ、しばしばピュリッツァーと対比される)の例だ。彼は、センセーショナルな記事によって新聞の発行部数を伸ばした。有名な出来事は、キューバの反乱軍報道である。当時スペイン領だったキューバに、ハーストは特派員を送った。しかし、キューバでは何の戦闘も起きていない。そこでハーストは、キューバで反乱軍による戦闘が起こっている、と言う記事を捏造する。虚偽の報道で、新聞は売り上げを伸ばしていく。同時に、次々と出されるセンセーショナルな記事は、世論をアメリカのキューバへの参戦、出兵へと煽っていった…。これは極端な歴史上の確信犯的な虚偽報道の事例だが、現在のマスコミの報道を見ているとあながち単なる過去の事例とも言えなさそうだ。
 あまりにおかしい報道だったら抗議の電話や投書も必要だし、自分や家族や周囲の人々の人権などに関わることだったりしたら弁護士に相談しても良いだろう。世の中には抗議に実効性を持たせるため、スポンサー商品の不買運動などを行う人々もいる。
 何の疑問も持たずに世論と同じ方向に流されることがないように、マスコミ報道には常に慎重に対処・判断したい。特にマスコミ各社には、他国で多くの人命に関わる紛争などを、軽々しく視聴率競争のネタに使ってほしくないと思う。



地域社会や教育に関わる


 アメリカで生活するイスラム教徒(ムスリム)女性…彼女はアメリカ市民だったが、N.Y.同時テロ後に大きく偏見をもたれた…が、テレビのインタヴューに次のように答えていた。「平和は、遠い他国でお偉いさんが、特別なことをすることによってもたらされるのではない。平和は、今いるこの場で、私たちの日々の生活の中で、少しづつ築くもの」…内容的には、だいたいそんな感じであったと思う。私も、そう思う。世界の平和は、一つ一つの国の安寧に根ざしている。国の安寧は、一つ一つの小さな地域の安定によってもたらされる。一人一人の住む地域の安定がなければ、国の秩序も、世界の平和もあり得ないのだ。
 私たちの住むこの日本も、次第に治安が悪化してきている。都会では、隣にすら誰が住んでいるか分からない環境になってしまった。家に鍵をかけていても、まったく安心できない世の中。電車の中や公共の場所で少年達が迷惑な振る舞いをしていても、誰も暴力を恐れて注意をしない。物騒なことには、係わりになりたくないのだ。国中こんな具合になっていったら、この国の未来はとても暗い。
 せめて自分の住んでいる地域社会だけでも、積極的に係わる必要があると思う。かつての日本の社会…特に下町…では、自分の子でなくても、叱ってくれるおじさんや親身になって相談に乗ってくれるおばさんがいた。こういった地域社会の存在のお陰で、劣悪な環境の家庭で育つ子供でも、精神的な居場所があった。我々が、今すぐ地域でのそう言う関係を築くのは難しいかもしれないが、まずは挨拶から始めてはいかがだろうか。「おはようございます」や「こんにちは」。慣れてきたら、天気の話だけでもしてみる。両親との関係が出来上がってきたら、子供たちとも話ができるかもしれない(もっとも、世間の干渉を嫌う家庭もあると思うが)。また、地域の関係が少しでも良くなって、近所の連絡が密になれば犯罪数も減少するだろう。

 また、もし自分に子供がいるなら、教育に積極的に関わる必要がある。教育と言ったのは、お受験戦争のことではない。学級崩壊が増えていると言われるが、どんな学校であれ、はっきり言って先生がその子供に関われるのは、せいぜい1年か2年。しかし、親は子供と一生関わる。子供の人格形成の責任は、第一に親にある…学校にその責任を押し付けるのは、ナンセンスである…良い先生と出会えれば、もちろんそれは幸いであるが。現代の子供の多くは…その親も先生も同様かもしれないが…、生まれた時から何でも揃っていて、自分のわがままを望み通り叶えられる傾向が強くなっている。マクロ的に見ると、親も先生も子供もわがまま度が増していて、ちょっとした我慢やストレスにも耐えられなくなっていて、結果として体罰の増加やいじめの増加、不登校児童の増加、少年犯罪の増加に拍車をかけているのではと、僕は思う。また、"お受験"と言う子供には過酷な競争原理がある一方で、運動会では揃ってゴールインと言う間違った生ぬるい平等主義があったりする。そんな世の中だからこそ、親は人に責任をなすり付けず、子供に責任を持ち、善悪の判断ができるようにしっかりと教える必要があろう。文部科学省や学校の方針がどうこうではない、親のあなた(もしくは私)の子供に対する方針が問われているのだ。子供に正面から向き合い…仕事や家事の忙しさを言い訳にしてはならない…、叱るときはしっかりと叱る、悩むときは子供と共に悩み、喜ぶときは共に喜ぶ。これって、本当に大事なことだと思う。
 教育との関わりで大事なことをもう一つ。国家(日本の場合は主に文部科学省)の教育方針にも、常に目を光らせている必要がある。国家の経済や社会情勢が下降していくと、幾多の歴史の事例が示すように、(ほぼ例外なく)たいてい全体主義傾向が強まっていく。これは国の為政者が、経済の悪化や失業者の増大、貧困層の拡大などの民衆の"不満"を、愛国心の煽動によって目を逸らさせようとするからである。愛国心と言っても、とても狭義の意味の愛国心であり、たいてい他国・多民族への敵対心・憎悪心を煽ることと表裏一体であり、紛争や戦争へとつながっていく。現在ならば、イラクや朝鮮民主主義人民共和国の現状を見てほしい。では、日本はその心配がないのかと言うと、決してそんなことはない。時代と共に、徐々に右傾化が強まっている。決して民主主義的とは言えない"国歌"が、学校の現場で(罰則はないと言うものの)ほぼ半強制的に歌わされる。かつての戦争を美化する傾向の強い教科書も、登場してきている。教育の基本原理も、「個の尊重」から次第に「愛国心」へと比重が高まりつつある。何も、愛国心がいけないと言うのではない。特定の思想や一部の宗教に根ざした偏った国への忠誠が、認められないのである。親が子供の将来を真剣に考えるなら、PTAや保護者会などでこういった傾向に対しは、強く抗議をしていくべきだと思う。
 最後に「教育」と言うことを取り上げたが、私は子供達の教育(もしくは大人の教育も含めて…)いかんで、この国の行く末、そして世界の未来は決定すると思うのである。


 さて8回に渡って平和について考えてきたが、私たち一人一人が平和を作り出すには、本当に小さなことからスタートしコツコツと積み上げるしかないことを悟った。身の回りの家庭崩壊や学級崩壊から他国の諸紛争に至るまで、起死回生の一発逆転方策などと言うものはどこにも無い。周囲の人々との関わりや、子供たちの教育…そう言った地道で当たり前の日々の生活でしか、平和への道は歩めないと思う。平和への道は困難で、銃や爆弾で人を殺すよりも、もっとずっと勇気と忍耐力と努力を要するものだと思う。
 平和について調べているうちに、平和への手がかりとなる一つの国の事例に何度も(それこそ何度も)出会った。御存知かとも思うが、「コスタリカ共和国」の国のあり方である。人口350万人ほどのこの小国は、世界で唯一の非武装中立国である。スイス連邦は、中立であるが軍隊を持つ。日本も平和憲法を掲げているものの、世界で有数の軍隊を持っている。しかし、コスタリカ共和国は違う。中立であるだけでなく、軍隊も永久に放棄したのだ。共和国憲法の第十二条は、「恒久的制度としての軍隊は禁止する」となっている。中南米地域は貧しい小国が多くて紛争が絶えないが、小国にとって軍隊を持つと言うことは非常に負担で、同時に軍事的威圧や戦争によっては何も解決できない…と言うことをコスタリカは学んだ。
 現在、コスタリカの教育費は、なんと国家予算の21%。非識字率は3%程度で、中南米でも圧倒的な教育レベルの高さを誇る。これは、軍事予算を教育費に当てることが可能だったからだ(これはコスタリカの自然環境保全についても言える)。その教育内容も素晴らしく、民主主義を徹底して教え、また対話によって諸問題を解決すると言う教育方針を貫いている。それらは理念だけに留まらない。現実の社会でいかに民主主義を活かすか…実生活レベル(例えば失業問題など)の題材で、子供たちが討論する。自然環境保全の勉強についても、実際に大自然の中に出向いて大自然と触れ合う。一つ一つが、正に生きた教育なのだ。
 それらの教育は、着実にコツコツと実践されてきた。この教育の下で育ったアリアス大統領は、内戦中の隣国ニカラグア国内の和平を積極的に推進し、遂に和平を実現させた。この間、ゲリラ側を支援しようとする超大国アメリカの圧力とも闘わねばならなかった。コスタリカ共和国の非武装中立は、スイスのような「他国で何が合っても、うちは干渉しません。関わり合いません」と言う中立性とは違う。平和を願うなら、闘う必要があるのだ…という理念に基づいている。軍備には頼らないが、アメリカの圧力にも屈せず、対話によって隣国の内戦を和平へと向かわせた。最も勇気・努力・忍耐を要する闘いである。アリアス大統領は、1987年ノーベル平和賞を受賞した。
 コスタリカ共和国の歴史は、我々に多くの大切なことを示唆している。民主主義の原理を守り、政治家をきちんと選ぶことがいかに大切なのか。また、教育というものがいかに大切なのか…教育は、狭量な民族主義者や国粋主義者達を作り出して他民族を憎悪・排斥する原動力にもなれば、平和主義者を生み出して対話によって紛争を解決する原動力にもなるのだ(どちらが良いのかは、一目瞭然だろう)。日本は自衛隊を送り出す以外にも、平和に貢献する道があるのではないだろうか。

 歴史上、世界が平和だったことは一日もない、と言われる。しかし、少しでも紛争や憎み合いが減る日が訪れるよう、日々考え、そして行動していきたい。



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2009年3月追記:私の対外的(※国外及び国内)な個人的募金履歴
※公開するつもりはありませんでしたが、(「カッコいいこと書いてるだけで、お前何もしてねえじゃねえか!」と言う中傷的なご指摘により)この記事を書いた2002年以降の募金履歴を記載することにしました。

2002年12月:日本ユニセフ協会に募金
           

2002年12月:日本国際飢餓対策機構に募金
           

2002年12月:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンに募金
           

2003年9月:アフリカ飢餓救済のための募金

2003年9月:HIV対策のための募金

2004年9月:アフリカ飢餓救済のための募金

2004年9月:HIV対策のための募金


2004年11月:中越地震・台風被害義援金募金

2005年9月:アフリカ飢餓救済のための募金

2005年9月:HIV対策のための募金


2006年9月:アフリカ飢餓救済のための募金

2006年9月:HIV対策のための募金


2007年9月:アフリカ飢餓救済のための募金

2007年9月:HIV対策のための募金


2008年7月:中国四川大地震被害のための救援募金

2008年7月:ミャンマーサイクロン被害のための救援募金

2008年9月:アフリカ飢餓救済のための募金

2008年9月:HIV対策のための募金


2009年3月追記:日本ユニセフ協会に募金/ガザ緊急・復興のため

イスラエル軍との武力衝突で、400人以上の子どもが亡くなり、1,800人以上の子どもが負傷。ガザ地区は、数千世帯が家を破壊され、危機的な人道的状況にあります。その状況は深刻です。




(2011年以降、東日本大地震の募金を優先としました)


2015年:バヌアツ・サイクロン被害、マラウイ・サイクロン被害対策のための募金をしました。


2016年3月追記:ジンバブエに。
ジンバブエから留学生が中心になって企画した"スマイルプロジェクト"のために、ジンバブエの孤児たちに送る衣服や靴やカバンなどを用意しました。今回品物は、なるべく新品か新し目の物を中心に揃えました。同じようにみんなが持ち寄ればくれば、かなりの物を孤児院に送れます。
新品のTシャツはたくさんあったのですが、東北の被災地に10枚ほど送ってしまったので、今回用意したのは一部新品+中古です。あとは、ズボン、カバン、帽子、靴、スポーツサンダルなど30点ほど。
ジンバブエは、100兆円札がでるほどハイパーインフレの市場不安な国で、とても貧困層が多く7割の人々が一日150円以下で生活していると言われ、孤児も多いそうです。
あとは、こうして集めた多くの物資が、運搬途中に盗まれないで(紛失しないで)、現地に届くことを祈ります。


追記:冬前に無事に到着したそうです。船便は半年もかかりました。

2017年10月20日:ガザ地区の子供たちに、冬の衣料を送るキャンペーンに募金をしました。
僅か10ポンドですが、小さな応援。賛同者1号だったようです。



2017年10月30日:ガザ地区の子供たちに、冬の衣料を送るキャンペーンに2回目の募金をしました。
今回は5ポンド。合わせて15ポンド。自分のできる範囲で。



2017年11月27日:ガザ地区の子供たちに、冬の衣料を送るキャンペーンに3回目の募金をしました。
今回は10ポンド。合わせて25ポンド。



2018年2月4日:パレスティナのアトファルナ聾学校の工房及び難民キャンプで作られた手刺繍のグリーティングカードを買いました。
私は、この美しいカードを額に入れて飾ります♪
It bought the greeting card of the handmade embroidery of the Palestinian(of ATFALuNA school for the deaf and refugee camp).
.I'll decorate this beatiful card, putting it in the frame♪



2018年3月6日:イスラエルの空爆で家を失ったガザ地区のMjidさんと家族のために募金しました。
>昨年(2017年)末には日本からの送金はできなかったのですが、今年はできました。10ドル+GoFundMe支援1ドルの計11ドル。
 


2018年5月22日: イスラエルへの抗議
5月14日、ガザ地区でイスラエル軍の銃撃などでパレスティナ人58人が死亡、2,771人を超える人々が負傷しました。 ガザに住む上記のビラールさんやマジッドさんらの隣人や家族や友人たちも殺されました。 16前にパレスティナの歴史と現状を知ってから、何も変わっていないどころか、どんどん状況は劣悪になっています。遠い日本人の私から見ても、イスラエルとアメリカの政策はとにかく酷いものです。慈悲や友愛のかけらもありません。イスラエルに土地はどんどん浸食され、水も奪われ、市民は仕事がなく、ガザから出ることもかなわず、教育、医療、インフラ、生活の全てが瀕死の状況です。 世界は、もう黙っていてはいけない状況です。世界は、日本は、私は、パレスティナから希望の光を奪ってはいけない。
昨21日「イスラエルに対する制裁キャンペーン」に、私も実名で署名しました。目標75万人ですが、今これを書いている時点で74万7千人を超えていますので、近いうちに目標は達成されると思います。




2019年3月18日追記:ガザで子供や貧しい人々のために活動をしている「チーム・タケル」のための募金に送金しました。僕は金持ちではないので、金額はわずかですが。




2019年4月21日追記:今月も「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2018年4月21日:今年も、イスラエルの空爆で家を失ったガザ地区のMjidさんと家族のために募金しました。今回も、10ドル+GoFundMe支援1ドルの計11ドル。




2019年5月25日追記:今月も「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2019年6月24日追記:今月も「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2019年7月3日追記:ガザの「Aaron's Birthday Fundraiser for Takeru Team」のために、10ドル(+手数料1ドル=11ドル)送金しました。




2019年7月24日追記:今月も「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2019年8月26日追記:今月も「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2019年9月25日追記:今月も「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2019年10月26日追記:今月も「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2019年11月27日追記:今月も「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2019年12月25日追記:今月も、パレスティナ・ガザ地区の「チーム・タケル」のための募金に送金しました。




2020年1月20日追記:今月は、パレスティナ・ガザ地区の「Gaza blockade(ガザ・ブロックエイド)」キャンペーンのために募金しました。




2020年2月25日追記:先月に引き続き今月も、パレスティナ・ガザ地区の「Gaza blockade(ガザ・ブロックエイド)」キャンペーンのために募金しました。




2020年12月19日追記:今年はコロナの影響で長らく仕事がなく収入が激減していたので、2月の送金以来ガザのために送金できませんでしたが、ようやく僅かな額ですがチーム・タケルに送金できました。メリー・クリスマス!




2021年7月8日追記:昨年はコロナの影響で長らく仕事がなく収入が激減していたのであまり送金出来ませんでしたが、今年は仕事が戻ってきたので、ガザ地区の子どものために送金しました




2021年11月7日追記:ガザ地区の子どものために、今年2度目の送金をしました。
パレスティナの人々の命と生活が守られ、平和が訪れますように。




2022年3月1日追記:ウクライナ緊急募金
ウクライナのために何かしたいけど、具体的にできることは多くなく。
毎朝ウクライナのために祈り、今朝は(2,000円と僅かな額ではありますが)ユニセフのウクライナ緊急募金をしました。
苦しむ人々が平和と自由へと解放されますように。




2022年3月10日追記:ウクライナに平和を!
日本人の一個人にできることは多くないのだが、2つのサイトのウクライナの戦争反対のキャンペーンに署名し、ユニセフ募金に送金した。何より毎日祈っている。
できることは多くはないし、効果は微々たるものかもしれないが、できることはしたい。



3月18日追記:本日朝食を食べた鍵屋さんに置いてありましたカードです。
#ウクライナに平和を #peaceinukraine

 


2022年3月20日追記:ハンガリー宣教とウクライナのためのオンラインの全国お祈り会
夜、ハンガリー宣教とウクライナのためのオンラインの全国お祈り会でした。(全国の多くの方々が参加したかったようですが、Zoomライセンスの上限が100名(グループ)でしたので100グループジャストでのお祈り会でした)。
今年春からハンガリーへ宣教に向かう予定のK牧師。そこへ突如の今回のロシアの侵攻による戦争勃発。
K牧師の奥様がウクライナで生まれ育ったハンガリー人で、ウクライナの現状やウクライナの隣国ハンガリーについてK牧師からお話しがあり、その後皆でお祈りいたしました。ウクライナに終戦を!




2022年4月8日追記:難民支援ハンガリー改革派教会への送金
ウクライナのためにできることはないかと考え、3月にユニセフ募金に送金し、2つの戦争反対キャンペーンに署名しました。
まだまだできることはあると考えて夫婦で相談し、ウクライナ難民支援を行っているハンガリー改革派教会に募金送金することにしました。
ハンガリー人改革派教会のコーディネートのもと、3月25日現在、70人のスタッフと3700人以上のボランティアスタッフが活動しています。
またハンガリーに国境を接するウクライナ西部トランスカルパチア地方の改革派教会は、ウクライナで最も古いプロテスタント教会で、ハンガリー人改革派教会の構成メンバーでもあるそうです。
ウクライナに、一刻でも早く平和が訪れますように♪


写真はウクライナカラーでテーピングされた竹林カフェにて


2022年4月24日追記:オンラインの「平和の祈り」に参加しました
昨日土曜の午後は、オンラインの平和の祈りに参加。 今日日曜の夜は、嫁さんがオンラインのお祈りに参加予定。 ウクライナの平和のためと、このタイミングでその隣国ハンガリーに宣教に行く牧師およびウクライナで生まれ育った奥様とご家族のためにお祈り。 ハンガリーにも数十万人のウクライナ難民がおります。 ウクライナの平和と牧師家族のために引き続きお祈りします。 (※画像に一部個人情報が含まれていますのでボカシを入れました)。




2022年5月1日追記:ウクライナ難民支援の募金2回目
ウクライナ難民支援のための募金3回目を行いました。今回は送金でなく募金箱に入れました。




2022年5月3日追記:ガザ地区の子ども達のために送金
半年ぶりにパレスティナのガザ地区の子ども達のための送金。




2022年11月4日追記:ガザ地区の手術を必要とする方のために送金
パレスティナのガザ地区の目の手術を必要とする女性のための送金。




2022年12月22日追記:ガザ地区の子供達のために金
パレスティナのガザ地区の子供達のために。メリークリスマス♪




2023年11月15日追記:ガザ地区の活動ために送金
怒り、悲しみ、痛み。
なぜ彼らが半世紀以上に渡って、こんなに苦しまねばならないのか!武力で故郷を追われた上、何故にこんな仕打ちを受け続けばならないのか!
長年のガザの友人が心配です。
今回の戦争の前から、毎日祈っています。
その友人の青年は、長年、子ども達のため、弱い人々のため、貧しい人々のため活動しています。 (写真や名前が彼と彼の仲間に何らかの被害をもたらさぬよう念のためボカシをかけています)。
イスラエルの非人道的な行為で希望を失いかけ、何度も何度も心が折れかけました。それでも人々を助けるその活動を続けているのです。
もう、これ以上ガザと彼から何も奪わないでください。
世界は一致団結して、この戦争を止めてください。

sad, painful and angry・・・peace in Gaza!! I pray for you and your family and Gaza everyday, everyday, everyday, everyday. I'm frustrated that I can't do anything.



大きな額は送金できませんが、今年も送金しました。




2023年12月13日追記:どうか無事でいますように。
前に書かせていただいたガザの友人の投稿が12月3日で途切れています。
通信設備インフラが壊れされただけなら良いのですが。もしくは充電もままならないとか。
ギリギリまで現地で留まっていた彼も、自宅は破壊されて失い、友人達を失い、子供達と家族で南へ逃げ始めた所までは分かっています。
これまでも多くの友人や親せきを失い、何度も心が折れかかり、それでも長年、貧しい人々や子ども達への支援活動を続けてきました。何故、彼や彼の同胞がこんな過酷な状況に置かれ酷い目に何十年もあい続けねばならないのか。憤りと悲しみでいっぱいです。
アメリカはイスラエルに1万4千発の砲弾の供与をすることを議会の承認を経ずに「イスラエルの自衛のため」という名目の下、大統領決定しました。
既に1万人以上が死に、半数が子ども達・・と伝わっています。これ以上の死は不必要です。パレスティナに平和が訪れる日を、この日本から日々切実に祈っています。
どうか友人が無事でありますように。
(※予期せぬ被害・・ハッキングや各種妨害など・・が彼に及ばぬよう彼の顔写真と名前は伏せています)。




2023年12月25日追記:ガザに平和を!
別のページに書かせていただきました。⇒こちらからお読みください。




2024年1月5日追記:ガザの友人の近況
7年来のガザの友人は、家を失い友人達を失いましたが、家族と共に逃げて生き延びています。
爆撃は止まらず、インフラは破壊され、全ての物資が不足している究極的に困難な状況です。
この最も愚かで馬鹿げた戦闘行為の一刻も早い終了を強く望みます。
ガザはイスラエルによって周囲を壁で囲まれた牢獄の様な地域ですので、ガザから出ることも逆に入ることもかないませんが、いつか生きて彼や彼の家族や友人にあえることを切に願っています。今は祈ることしかできません。
貧しい人々や孤児たちのために、長年地道な大切な活動をしてきた青年が、このような目に合うのは理不尽過ぎます。
※イスラエルの極右組織や民族浄化を望む原理主義思想の人々によって、彼のアカウントがハッキングを受けたり、誹謗中傷を受けることがないように、彼の名前やアカウントは表示しません。