JOLLYBOY'S NEWS JOLLYBOY TIMES
 vol.70 2006年秋号

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おかげさまで、このホームページもこの11月でオープン10周年を迎えます。


JOLLYBOYのワインハウス

40.ワインに合う料理Ⅵ・ステーキ

 さて、過去二回に渡って比較的簡単に作れる料理を紹介してきました。今回は、その3回目。料理は、ステーキです。基本的に焼くだけですから、焼き方さえ失敗しなければ、これ以上簡単な料理は無いでしょう。

ステーキ

ステーキの材料(二人分)
・ステーキ用牛肉・・・2枚
・塩・黒こしょう・・・少々
・ブランデー・・・大さじ1
・サラダ油・・・大さじ1
・牛脂・・・1個

作り方
1.牛肉は赤身と脂肪の間の筋を切り、肉の表面を包丁の背で軽く叩く。焼く直前に、盛り付けた時に下になる面に塩と黒こしょうをふりかける。

2.フライパンにサラダ油と牛脂を入れ、フライパン全体に油を広げて、ステーキを表になる方から入れて、はじめは強火で焼き、焼き色を付ける。焼き色がついたら、ひっくり返して、表面にも塩・黒こしょうを振る。

3.好みの焼き加減になったら、仕上げにブランデーをふりかけ、フライパンを傾けてブランデーに火をつけてアルコールを飛ばす(香りを肉に移すために行う)。

4.好みに応じて、ガーリックバターや、レモンの輪切り、フライドポテト、プチトマト、クレソンなどを載せたり、付け合せたりしても良い。僕は、粉吹きいもとにんじんのグラッセを付け合せにしました。写真のポタージュスープは、市販の出来合いのスープです。

・粉吹きいもの作り方は、ここをクリック!

・にんじんのグラッセの作り方は、ここをクリック!

この時使ったお肉は、2枚300gで1,000円。料理にかかった総費用は、2人分で合計約1,400円になりました。2人で1,000円以内の予算を目指していますが、牛肉を使うとコストがやっぱり上がりますね・・・。

ステーキ 
完成したステーキ

 さて、この料理に合うワインは、当然、重厚な赤ワイン!伝統的なボルドーやブルゴーニュ、そしてイタリアの赤でも、新興のアメリカやチリ、オーストラリア、南アフリカ等の赤でも、ヘビーなものなら合わないと言う事はないでしょう。肉の脂と赤ワインのタンニンの中和作用(ハーモニー?)を、楽しみましょう!



ポレール・クリア&ドライ ポレール・クリア&ドライ(赤&白)

 超格安ワイン探訪の4回目のワインは、サッポロのポレールの赤と白。なんとこのワイン、720mlのフルボトルサイズのものを一本312円で買いました!(定価は360円)。過去3回で紹介した格安ワインの中でも、100ml辺り約43円と言うのは、別各の安さです。こう言うワインに、高級ワインに求めるような要求をするのは筋違いと言うもの。赤も白も、すっきりとした爽やかな辛口ワイン。特に、ヘビーな赤ワインのタンニンの渋みが苦手な人も、この赤なら飲みやすいかもしれません。ちょっとした日常の料理を味わうテーブルワインとしてなら、なんら問題のないワインだと思います~。

参考データ:価格 720ml 定価360円

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映画 "この一本!"46 「アラバマ物語」

 さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。

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 昨年の秋に取り上げたのがグレゴリー・ペックの「マッカーサー」だったのだけれど、今年の秋もグレゴリー・ペック主演の映画を取り上げます。その映画のタイトルは、「アラバマ物語」。原題は「To Kill A Mockingbird(※直訳すると"ツグミを殺す事")」で、ピュリッツァ賞受賞作品のハーパー・リーの原作を映画化したものです。この題名には、「ツグミ(※正確にはマネシツグミ=モノマネ鳥)はとても美しい鳴き声で私達を楽しませてくれますが、私達に害を与えるわけではありません。それを狩猟などの趣味で、軽々しく殺してはいけないよね」と言うような意味を背景に、「善人が言われも無い差別や偏見によって苦しめられている」と言うメッセージがこめられていると思います。
 「アラバマ物語」は1962年の作品で、アカデミー賞を三部門-主演男優賞、最優秀脚本賞、最優秀白黒美術監督賞-を受賞しています…この作品の優れた出来は、秀逸な脚本に負う所が大きいですね(脚本はホートン・フートと言う人が担当)。当時は、カラー映画と白黒映画の混在期で、本作は白黒映画です。白黒映画ですが、モノクロフィルムを不利と感じさせない素晴らしい映像の連続です。
 この「アラバマ物語」は親子の関係を軸としながら、社会の様々な問題を扱っています。親子の関係を描くという面では"子鹿物語"のようであり、子供同士の冒険と言う面では"スタンド・バイ・ミー"のようであり、孤独な正義の闘いと言う面では"真昼の決闘"のようであり、法廷劇と言う面では"12人の怒れる男"のようでもあります。色んな問題が、一つの映画に高度に、かつバランスよく配合されて調和しています。グレゴリーペックの演技はもちろん、二人の子供(メリー・バーダム、フィリップ・アルフォード)の演技もとても良いし、また脇役のロバート・デュバルの演技も光っています。
 監督は(僕はよく知らないのですけど)ロバート・マリガンと言う人で、製作は(後に「大統領の陰謀」や「推定無罪」等のヒット作品を撮った)あのアラン・J・パクラです。音楽はエルマー・バーンスタインが担当し、映像にとても重厚な雰囲気を与えています。

アラバマ物語Imaged by JOLLYBOY

 この映画のストーリー(40年以上前の映画なのでネタばれ"有り"で書きます。結末を知りたくない人は読まないで下さいね)。この映画の背景は、1930年代の世界恐慌。経済が疲弊している世の中。アメリカ南部のアラバマ州の小さな町。その町の農民達も貧しい生活を余儀なくされている。弁護士のアティカスは、この町に二人の子供-兄と妹-と共に住んでいる。近所には、夏休みだけこの町にやってくる男の子もいる。夏に、その子供達3人は色んな事に興味を持って、怪物のような男が住むと言う外れの家の敷地に入り込むような冒険もする。夏休み明け、妹は学校で貧しい農民の子を馬鹿にしてケンカする。そんな子供を、父のアティカスは人の気持ちを考えてあげる事の大切さを説く。
 この町で、女性に対する暴行事件が起こる。犯人として、黒人のトムが起訴される。それは完全な冤罪で、アティカスはトムの弁護を引き受ける。しかし、黒人に対して強い偏見を持つ人々はアティカスに冷たく接し、遂には脅迫するまでに至る。しかし、正義感の強いアティカスは、トムを人々のリンチから守り、トムの無実を信じて法廷で闘い続ける。彼の弁護により、トムは無実と言うだけでなく、とても優しく親切な男で、実はトムこそが被害者である事が明らかになったように見えたが、陪審員は協議の結果トムに有罪を宣告する。真実よりも、偏見に満ちた因習が勝利してしまった瞬間だった。アティカスは上告をトムに促すが、トムは獄中から脱走する途中で警備員に射殺されてしまう。(トムの裁判の過程で、実際の暴行犯と示唆された)被害女性の父親は、のうのうとまた普通の生活を送っている。
 そして、今度はアティカスの子供達が、その真犯人であるその男に襲われる。その危機を救ったのが、外れの家に住む子供達が怪物として恐れていた男性だった。彼は犯人を倒して、ケガをした兄をアティカス家に運んでいく。妹は、その男性が障害をもっているがとても優しい人物である事を、その時初めて知ったのだった。保安官もアティカスも、トムの裁判の例と同様、善人だが障害者の彼が、この町の偏見に満ちた裁判に耐えれない事を知っている。法に仕える弁護士のアティカスは悩み、自分の息子の正当防衛と言う主張をしたが、保安官は男の事故死と言う事で事件を締めくくった。自分の娘を暴行し、善人のトムを死に追いやり、アティカスの子供達を襲った男の哀れな末路だった。

 この映画は色んな社会の問題を、子供の視点を通して描いていきます。様々な出来事を通し、子供達は少しずつ成長していきます。また本作では、色んな差別や偏見の問題を正面から見据えています。信じがたい事ですが、民主主義国家アメリカは20世紀の半ばまでアフリカ系人種の公民権が無く、至る所に黒人差別が残っていました。この映画でも、裁判所では白人が一階に座り、黒人は二階に座ります。裁判では、ほぼトムの無罪が証明されたように思われたのですが、結局有罪になります。しかも、逃走したと言う事で射殺されてしまいますが、射殺の過程にも疑問が残る事を映画はさり気なく示唆します。差別は、色んな所にはびこっています。肌の色での差別、貧乏な人への差別、障害者への差別…そう言った差別を、この映画は私達の目の前に提示します、「アメリカは、本当にこれで良いのですか?」と。父アティカスの言葉や裁判で闘う姿を通して、子供達は大切なものを一つずつ学んでいきます。

 この映画には、愛とか、尊敬とか、信じるとか、そう言う言葉は軽々しくは出てきません。しかしそれらの言葉が一度発せられると、その言葉はたいへんな重みを持って私達に迫ります。アティカスが、一度「信じる」と言う言葉を口にする時、その重みは金塊よりも重くずっしりと人々の心に響きます。子供達は、一度も「父を尊敬する」と言うような言葉を口にしませんが、子供の行動で父を尊敬しているという事が分かります。裁判所でアティカスが敗訴した時、二階席の黒人牧師がアティカスの子供達に向かい「見よ、あれが君達の父親だ」と尊厳を込めた眼差しで言います。裁判には負けたが、アティカスは素晴らしい父親なのだよと言う事を、黒人牧師は美辞麗句ではなく、この短い言葉で子供達に伝えたのです。この映画は、登場人物の心情を軽々しく言葉では語らず、一つ一つの映像によって私達に訴えかけます。ラストシーンで、兄を助けた障害者男性を、妹が彼の家まで手をつないで連れて行くシーンで、題名の意味「ツグミを殺す事(※ツグミを殺してはいけない、と言う意味で用いられている)」を、映像の力によって観客は知るのです。
 私も二児(映画と同じく息子と娘)の父ですが、グレゴリー・ペックが演じるこの映画の主人公のように、子供達に尊敬されるようなしっかりとした父親になりたいと思っています…まあ、当然容姿はペックのようにはなれないですけどね。

 ところで雑学的余談ですが、毎月読んでいるCG専門誌で、今春面白い記事を見つけました。ナルニア国物語の映画第一作「ライオンと魔女」のライオン王のアスランの表情は、この「アラバマ物語」のグレゴリーペックの表情やしゃべり方を参考にして作られているそうです。王としてのアスランの威厳が、ちょうど本作のグレゴリー・ペック演じるアティカスとマッチしていると判断されたそうです。




趣味の部屋(ビークル&アウトドアー&エトセトラ)

本HPでいただいた質問内容の件数ベスト3

 
まだまだ勝手にランキング・シリーズです。このホームページは、この11月でオープン10周年を迎えますが、今回は、このHPでいただいたテーマ別メールの件数ベスト3を掲げました。

第一位:名車&カプチーノ

 過去、最も反応が高かったテーマが、"名車やカプチーノ"の話題です。カプチーノのパーツに関する事や、そのパーツの感想等について等の質問や、世界の名車についてのメールを多数いただきました。僕等の世代の前後は、スーパーカー世代が多く、同世代の方からのメールが多かったと思います。カルトな車も取り上げているので、そこもツボにはまるようです。以前、ある珍しい旧車についてインターネットで検索していたら、たった3サイトだけヒットしました。で、ヒットした事が嬉しくて、一番上のサイトをクリックしたら、そこはなんと自分のサイトでした(笑)…このHPだいぶマニアックな方向へ突っ走っているようです。

第二位:隠れた名作映画

 次に反応が高かったテーマが、"映画"です。マイナーな映画をメインに取り上げているので、メジャーなサイトではなかなかヒットしない映画を検索していて、僕のHPに辿り着いた方がほとんどです。最も関心の多かった映画のタイトルは、"ナザレのイエス"と"野のゆり"でした。掲載した当時は、この両作品はビデオもDVDも発売されていなかったので質問メールも多かったのですが、今は両作品ともDVD化されていますので質問は無くなりました。

第三位:雑学について

 色んな雑学に関するメールをいただきます。僕が、このホームページにまったく記載していないテーマにまで質問をいただいたことがあります。何でだろ?

 他にも、健康に関する事、せんべいに関する事、CGに関する事、ワインに関する事、名所に関する事等々、様々な感想メールや質問メールをいただきました。今後ともよろしくお願いいたします。
 あっ、現在は大量の迷惑メールや詐称メール等のスパムメール対策で一時的にメールを閉鎖しておりますが、そのうち再開するつもりです。では、また。



今月号の引用・参考文献:
ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本
                        (日本ソムリエ協会)
日本ソムリエ協会 教本/2003年度版     (日本ソムリエ協会)
基礎ワイン教本/WSET編            (柴 田 書 店)
田辺由美のワインブック              (飛 鳥 出 版)
田辺由美のワインノート              (飛 鳥 出 版)
ワインの科学          清水 健一 著   (講  談  社)
ヒュー・ジョンソンの楽しいワイン         (文 春 文 庫)
ワインベストセレクション260 浅田 勝美 監修 (日 本 文 芸 社)
ワインのたのしみ方       皆川 達夫 著   (主婦と生活社)
世界ワイン大全                  (日経BPムック)
ワインの世界史                  (中 公 新 書)
ワイン・カタログ/ナヴィ・インターナショナル編   (西  東  社)
ボルドー/ワインの宝庫を訪ねて        (日 経 B P 社)
ブルゴーニュ/ワインとグルメの歴史にひたる   (日 経 B P 社)
シャンパーニュ/金色に輝くシャンパンの故郷へ (日 経 B P 社)
トスカーナ・ワイン紀行             (日 経 B P 社)
ソムリエを楽しむ        田崎 真也 著   (講  談  社)
ワインものがたり        鎌田 健一 著  (大 泉 書 店)
今日からちょっとワイン通     山田 健 著   (草  思  社)
私のワイン畑          玉村 豊男 著   (扶  桑  社)
夢ワイン             江川 卓 著   (講  談  社)
永井美奈子のベランダでワイン            (主婦と生活社)
ワイン この一本    戸部民夫・清水靖子編著  (毎 日 新 聞 社)
ワインデイズ      マーク・ピーターセン著 (文春文庫PLUS)
ワイン用葡萄ガイド   ジャンシス・ロビンソン    (WANDS)
ワインの教室                   (イカロス 出 版)
ワインついしゃべりたくなる博学知識         (河出書房新社)
はじめての洋食        山崎 建夫 監修  (ナ ツ メ 社)
はじめての和食        藤田 裕子 監修  (ナ ツ メ 社)
はじめての中華        藤田 裕子 監修  (ナ ツ メ 社)
アラバマ物語            (コスミックインターナショナル)
CGワールド             (ワークス・コーポレーション)



聖書の言葉

「主は月を造って季節を定められた。太陽は沈む時を知っている。あなたが闇を置かれると夜になり、森の獣は皆、忍び出てくる。若獅子は餌食を求めてほえ、神に食べ物を求める。太陽が輝き昇ると彼等は帰って行き、それぞれのねぐらにうずくまる。人は仕事に出かけ、夕べになるまで働く。主よ、御業はいかにおびただしいことか。あなたはすべてを知恵によって成し遂げられた。地はお造りになったものに満ちている。」(詩編 104編19~24節)。