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現代の経済状況から日々の生活を考える    (2009年 2月15日記載)

 最近、よく妻から幼稚園ママ達の話しを聞くのだけど、色々と考えさせられる事が多い。どの家庭も、色々と苦労しているようだ。共働きの家庭も多く、午前の仕事を終えてから幼稚園に子供を迎えに行く親もいる。午後の延長の預かり保育も活用している親も多い。お父さんの中には、正業を終えた後、夜間のバイトをしている方もいる。
 最も子供に手のかかる時に、共働きをしなければいけない。それくらいみんな経済的にたいへんな状況なのだ。僕も、日々それを実感している。独身時代は、経済的にまだ多少は余裕があった。好きな車やバイクに乗ったり、あちこち遊びに行ったり…。
 それが結婚すると、実情ががらりと変わる。妻の分の国民年金、健康保険、生命保険、水道光熱費、食費などで、最低でも月額6万円ぐらいは支出が増加する。消耗品一つ取っても…例えばトイレットペーパーは、独身時代は1パック12ロール買えば半年ぐらいはもった(独身時代は家には夜間しかいなかったからまったく消耗しない)が、結婚すると日中は家に常に人がいるので、トイレットペーパー1ロールが2日もたない(笑)。万事、そんな感じで目に見えにくい支出も馬鹿にならなくなってくる。
 さらに子供が生まれると、より家計はたいへんになる。今、うちの子達は二人とも幼稚園生なのだけれど(入学金や入学準備品費用を除き)、幼稚園は月額一人当たり3万1千円かかる。二人で6万2千円だ。これに子供の生命保険代や衣食費、各種消耗品費を加えると、単純に月額約10万円支出が増えている。
 つまり結婚して子供が生まれた今、独身時代と比較して、合計してだいたい月額15万円ぐらいは支出が増えたわけである。年間で、180万円の家計支出の増加である(…どうりで僕のお小遣いが少ない訳だ…苦笑)。

 現在、アメリカのような格差社会が進行していて、少数の持てる者、多数の持たざる者に二極分化しつつある。そして、年収200~300万円時代到来とも言われて久しい。
 僕は結婚し子供が生まれて、現在家計支出が年間180万円ほど増えた。もし年収200万円だったら、完全に破産している。住宅ローンだけでも年間140万円ぐらいは支払っているから、年収300万円でも完全に家計は破綻してしまう事になる。
 ここで、僕は日本の未来を憂うのである。もし僕がまだ独身で年収が200万円だったら、どんなに愛する女性がいても結婚の決意を躊躇するかもしれない。誰だって、愛する女性に貧しい思いをさせたくないはずだ。意を決して、結婚したとしよう。共働きでがんばって家計をやりくりしても、今度は子供を産むのは躊躇してしまうかもしれない。今、正にそんな時代が到来しているのである。だから、現実には幼稚園ママ達は懸命に働き、パパも夜中に睡眠時間を削ってバイトをする。本来は子供を保育園に入れたいのに、公立の保育園は待機児童が大勢いて入れない。仕方なく高い民間の保育施設に預けて働き、一日働いた給与の半分を保育施設に払わねばならない、と言う矛盾に満ちた本末転倒な働き方をしている。我武者羅にがんばっても、打開の道が見つからない。

 この社会の現状は、もう個人の努力でどうこう改善できるレベルを遥かに超えていると思う。つまり、政治による大改革が必要とされる領域に入っていると確信する。官僚も企業も、自己保身と自己利益の道を邁進し、社会に対する責任や倫理を失いつつある。政治も似たような状況だが、日本が法治国家である以上は、政治家の立法による大改革が必要だ。自分のこのHPで以前から主張しているように、消費税を上げる前に、まず行政の無駄を省き(公共事業の見直し、財団法人等への天下りや渡りの禁止、巧妙な不正や汚職の追及・監視・廃止など)、福祉や教育分野の向上を図る必要がある。それは、一人当たり1~2万円のお金をばら撒くような目くらましの小手先政策ではない。もっと根本的な改革が必要なのだ。
(→新時代の大変革期についてはこちら/2008年10月記載)
(→僕が考える新時代の経済についてはこちら/2001年11月記載…内容がちと古い)

 結婚できない、子供を育てられない社会と言うのは、国の衰退そのものを意味する。人は、国の根幹を成す。人々が仕事もなく、若い人が希望をもてず、国民が幸せに生活を維持できないのであれば、物も売れず、結局は企業も滅ぶ。人も企業も滅んで、国土だけが残っても何の意味も無いだろう。もちろん、国民も企業も滅んで、政治家と官僚だけ無事でいられるなんて事も有り得ない。
 今、しっかりと政治家一人一人の言動の本質を見極める必要がある。この政治家は、政治家自身や官僚の利益ために活動しているのではないのか?あの政治家は、国民の方を向いて政治を行なっているのか?政治家一人一人の言動を注視し、その言動を決して忘れず、次の選挙で真摯な一票を投じたい。


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