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事業規模108兆円って何? (2020年4月10日記載)

事業規模108兆円って何?
あちこちニュースで見るんだけど、どうも断片的でよく分からない。皆さんご存知の某メディアは、良いことづくめのような提灯記事しか書いてないし・・・。
批判のための批判はしたくないが、言うべきことを言うべき時に言わないのはもっと悪い。

今回の事業規模108兆円を調べてみた。キャッチコピー的には威勢が良いのだが、何だかよく分からない。腐っても経済学士の頭で考えてみる。
細かく記述すると大論文になってしまうので、要点だけ。

ちなみに、これは公務員批判の文章ではない。
親戚に霞が関の省庁勤めの公務員もいるし、そもそも親父も伯父さんも公務員だったし、友人に国家公務員や地方公務員も多い。
しかし、高級官僚批判にはなってしまうかもしれない点をご容赦ください。

公表された事実

・事業規模 約108兆円

・財政支出 約39兆円

・現金給付支出 約6兆円



(※本図解はYouTubeにて山本太郎氏が解説した説明図が分かりやすかったので参考にしています)


私自身の考察(推察含む)


・事業規模108兆円

事業規模と言うのは、色々積み上げていくとこれだけの規模になると良いなぁ~、と言う金額で、実際の金額ではない。
経済学の初歩で、「信用創造」と言うのを必ず学ぶ。ざっくり説明すると、日銀が〇兆円を銀行に低利で貸し出す。すると、銀行はそのお金を企業に貸し出す。その企業が使ったお金は世を潤し、貯金となって銀行に預け入れられ、またその資金が貸し出しに回る。これが繰り返され、当初日銀が出した〇兆円は、何倍もの〇十兆円の規模に膨らむ・・・と言った考え方である。
しかし最終的にどのくらいの金融規模の拡大に寄与したかを推し量るのは難しい。要因(変数)が多すぎるのと、複数のどの要因がどう関係しているのか証明困難だからである。そして、統計を恣意的に利用してしまうと言う悪習慣がある。
108兆円の事業規模もそう言う面が強い。

・財政支出39兆円
事業規模108兆円に目が行きがちだが、実際に政府が支出するのは39兆円。中身を見ると色々怪しい。どうもコロナウイルス対策と関係が薄い支出も見え隠れする。
かつての案の「牛肉券」や「お魚券」はあからさまな特定業界への利益誘導だが、今回の39兆円も、特定企業への利益誘導と思われても仕方ない項目がずらりと並ぶ。
「なんだこれ?」
一般国民はそんな所まで目を通さないが、これは官公庁間の権益争いなのでしょうか?
コロナ対策と言えば、どんな巨額な支出も認めらる!今こそチャンスと言う事なのでしょうか?
ここ、見過ごしちゃ駄目ですよ、絶対!

・現金給付 6兆円
そして、いよいよ最も国民の生活に直結する現金の給付。もうニュースで何度も紹介されているので詳細は書きませんが、現金給付一世帯30万円は、国民の大多数は受け取れません。


ざっくりと要点だけ書きましたが、なんだこの愚策?

過去、山ほど法律を作って、法律に従って4,400団体もの天下り先を作ってきた省庁。どんなに国の借金が増えようと、天下り先には湯水のように税金を注ぎ込む(最終的に天下り官僚の莫大な報酬となる)のに、自分の利益にならないお金の支出は極力カット。

コロナウイルス禍は、いつかは収束するでしょう。現政権であっても無くても、いつかは収束します。
収束した暁には、政権は自分の手柄のように自慢げに情報を誇張して流すかもしれません。

その時まで、国民は今回の愚策を忘れちゃいけないですよ、絶対。

⇒政治に興味のある方へ/政治社会(市民社会)とは?

⇒日本の政治が抱える問題点(2010年記載)

⇒統計を疑え!(2009年記載)