シボレー・カマロ

(2007年11月11日記載)

入口 >トップメニュー >名車たち >現ページ

 さて、アメリカン・スポーツカーを取り上げる4回目は、シボレーのカマロ。
 僕は、この車についてはとある想い出がある。スーパーカー少年だった僕は、カメラを首にぶら下げ、友達を誘ってよく"車撮影"に出かけた。街中の国産名車や外車を探し回っては、撮影していたのである。ある家の庭に、一台のカマロが停めてあった。「"カマロ"だ!"カマロ"があったよ!」と友達を呼ぶと、たまたますぐ側にそのカマロのオーナーである家の主人がいて、僕に向かってこう言った。「お前見たいのを、"バカロ"って言うんだよ!」。子供心にたいへん傷つき、僕らは撮影せずにその場を去ってしまった。カマロに触った訳でも、ましてや傷つけたわけでもないのに、怒鳴って子供を"馬鹿"呼ばわり。それ以来、僕はカマロが"大嫌い"になり、アメリカ車に関しては、フォード・マスタングびいきになってしまった(バニシングin60も面白かったし)。
 とは言うもののカマロは、マスタングに比べて決して引けを取っていない。シボレー・スポーツカーの入門車、今回はこのカマロをご紹介しよう。

 1961年、ビル・ミッチェル(※コルベットのページ参照)達は、アメリカン人の好みに合う(欧州産スポーツカーよりは大き目の)コンパクト・スポーツカーのプロトタイプ"XP-836"をGM首脳に提案したら、簡単に必要ないと一蹴されてしまう。GMのシボレーには、既に"コルベア"、"コルベット"、"シェビーⅡ"(+製作中の"シェベル")のライン・ナップがあったからだ。
しかしその一年後、フォードからマスタングが発表され、大ヒット!GM首脳は、ここで自分達の過ちに気づいた。1964年、かつてXP-386と呼ばれたモデルをFカー計画の名の下に復活させるため、急遽開発部隊が召集された。開発される車は、"マスタング・キラー"と言う呼び名が与えられ、広報戦略にも用いられた。


2014年4月28日追記、市内にてカマロのZ28を見ました!超クール!

 そして1966年9月12日、新型モデルの"カマロ"が発表された。フォードのマスタングと同様に、大量生産にも関わらず個々の趣味に合わせた車を低価格で提供する、これがシボレー・カマロの根底の発想である。ちなみに、最初車名は"パンサー"となるはずだったらしいが"伴侶"や"暖かい友達や同士"を意味する"カマラード"を語源とする"カマロ"になった。
 シャシーは、既製のシェビーⅡ"ノバ"の物を流用し、開発にはコンピューターを導入した。フロント・サスペンションは、短いアッパー・アームと長く幅広いウィッシュボーンのロアー・コントロール・アームの組み合わせ。リヤ・サスは、リア・アクスルをシングル・リーフで吊ったものだった。ステアリングは、リサーキュレイティング・ボール式。サスのチューニングにも、コンピューターが用いられた。そのおかげもあって、マスタングよりも快適な乗り心地と、マスタングを凌ぐハンドリングを実現した。また技術者達は、画期的な方法で、コンバーティブル・モデルのボディのねじれも克服した。ブレーキは、前後ともドラム形式。ミッションは、2速ATが用意された。ボディの全長は4,690mm(全幅1,840mm、全高1,300mm)、車重は1,424kg。ボディタイプは、ハードトップとコンバーティブルの2種。
 エンジンは、直列6気筒とV8型のラインナップ。6気筒エンジンには排気量も3.8リッターと4.1リッターが用意され、出力はそれぞれ140ps、155ps。V型8気筒エンジンは、5.4リッターと5.7リッターが用意され、出力はそれぞれ210psと295psを発生した。駆動形式は、FR。ボディは、ハードトップ・クーペとコンバーティブルの2種(※ただしコンバーティブルは2年限定)。人々はカマロに注目したが、買うのはマスタングだった。販売台数は思うように伸びない。そこでシボレーは、ハイパフォーマンスのカマロ"Z-28"を送り出した。その他にも、RS(ラリー・スポーツ)、SS(スーパー・スポーツ)等の様々なカマロのスペシャル・モデルも用意された。カマロの生産台数は、1967年タイプで20万1134台に達し、1967年までに22万917台を記録した。
 さて、5.7リッターV8エンジンを積むZ-28は最強のカマロで、レース仕様は500psを超えると言われた。スタンダードのZ-28でも、最高速は200km/hに達した。カマロは、アメリカのレースシーンでも暴れまくり、このカマロZ-28は、1968~69年の間25レース中18回も優勝しているのである。
 小変更に留まった1968年モデルは、23万5,147台生産された。1969年モデルは、デザインが大幅に変更された。各メカニズムもリファインされ、エンジンも旧来の327ユニットのV8エンジンから350ユニットに変更され、255psと300psが用意された。旧タイプの2段変速のパワー・グライド・ATはオプションとなり、全モデルに3速ターボ・ハイドラマティックが設定され、オプションの4速MTにはハースト・シフターが新採用された。
 しかし、カマロの販売は伸び悩んでいく。カマロの新型投入が遅れたため、モデル・イヤーの販売台数は、前タイプより5万台も少ない19万3,986台に留まった。

小学生の頃、近所で撮影した二代目カマロ

 そして、翌1970年2月、まったく新しいスタイリングの2代目カマロがデビューした。シャープなフロントエンドにファストバックタイプのエクステリアに生まれ変わり、ボディ・タイプはハードトップ仕様のみとされた。このスタイリングは、3代目モデルが誕生するまで極マイナーな改良が施されるに留まった。2代目となり、ボディサイズはかなり大型化してしまい、全長は4,965mm(全幅1890mm、全高1247mm)。車重は1600kgと、100kg以上も増加してしまった。。ちなみに、私が発見して「バカロ!」と怒鳴られてしまったカマロは、この2代目カマロである。
 サスペンションは、フロントは先代と変わって独立懸架のダブルウィッシュボーン、リヤは先代と同様の固定式の半楕円リーフ。ブレーキは、先代は前後ともドラム式だったが、2代目は前のみディスクブレーキになった。ミッションは、3速AT、3速MT、4速AT。エンジンは、先代同様、直列6気筒とV8エンジンの設定。
 しかしこのカマロは、(コルベットのページでも述べたのと同様に)オイルショックによる排気量規制や安全基準の見直しの波を受け、バンパーが変わったり、6気筒が標準となって一時期V8ハイパワー版のZ-28がラインナップから消えたりしているが、1977年にはZ-28が復活。

 三代目カマロ(隣の市にて)

 1981年、3代目のカマロがデビューする。ライン・ナップは、3モデル。1984年デビューの四代目コルベットと同様、スタイリングはかなりヨーロピアン・スポーツカーの方向に傾いた(※最も1970年代後半から1980年のスポーツカーのデザインは日本も同様で、フェアレディZもスープラ等も、フォルムのテイストは3代目カマロと似たコンセプト・デザイン)。カマロは4人乗りなので、サイズは全長4,875mm(全幅1,860mm、全高1,285mm)と先代より小さくなったものの、2シーターのコルベットと比べるとやはりかなり大きい。
 5リッターエンジンのスポーツクーペと、スポーツ・コンバーティブル、5.7リッターのV8エンジン搭載のIROC(インターナショナル・レース・オブ・チャンピオンズ)-Z(※このモデルは、スポーツモデル)。LSD標準装備、ミッションは4速AT。運転席エアバッグも装備。全車、左ハンドルのみの設定。価格は338万~495万円ほどで、アメリカン・スポーツカーとしては比較的安価で、シボレー・スポーツカーの入門バージョンと言えるマシン。
 IROC-Zモデルは、後に呼称変更してZ-28となった。また、基本設定は同じでフェイスを変更された姉妹車が、ポンティアック・ブランドからファイヤーバードとしてリリースされた(→ファイヤーバードについてはここをクリック!)。

四代目カマロ(千代田区内/事務所近辺にて)

 1993年、カマロは四代目に生まれ変わった。残念ながら、カマロの最後のタイプである。
 四代目カマロは、空力学的シルエットを纏って生まれ変わった。フロントウィンドウの傾斜は、なんと68度!リヤには、大型のスポイラー!車体サイズは再び先代よりも大きくなり、全長4,910mm(全幅1,890mm、全高1,320mm)となる。車重は、全モデル1,500kgを超える。
 エンジンは、3.4リッターのV6エンジンと、5.7リッターのV8エンジンで、それぞれ160psと275psを発生。クーペとコンバーティブルをラインナップするが、Z-28は後にクーペのみとなる(※また、後にオプション扱いだったタルガトップのハッチルーフ仕様車をスポーツクーペTトップとする)。ミッションは、やはり4速AT。デュアルエアバッグ搭載となり、ABS、LSDを標準装備する。サスペンションは、フロントがダブル・ウィッシュボーン、リヤはマルチリンク形式を採用。乗員定員は、すべて4名。価格は、348万~510万円と先代よりも高くなったが、最終的に299万~396万円まで下がる(※ただし最も高価なZ-28コンバーティブルはラインナップから消えた)。
 5.7リッターV8モデルは、先代からZ-28の呼称を引き継ぐ()。Z28には、ワイドタイヤやレザー・シートを標準装備。そしてオーバーヒート対策に、面白い機構が採用された。オーバーヒートの兆候が現れると、V8エンジンのバンクごとに2気筒ずつ休止させてオーバーヒートを抑制する(リムホームモード)。Z-28は、35周年記念限定車のZ28-35thアニバーサリー者も発売された。
 後にエンジンは、203psの3.7リッターV6、289psの5.7リッターV8にパワーアップ。1997年モデルは、アルミホイールに変更、全車ベンチレーテッド・ディスクブレーキが装着される(ABS付き)。2001年モデルからは、ショックアブソーバーがファイン・チューニングされた。
 さて残念ながら、2002年、カマロはこの4代目でそのラインナップ寿命を終え生産終了。その辺の事情は、ファイヤーバード・トランザムのページでも書いたが、アメリカではスポーツカーの販売が伸びなくなり、ラインナップ整理とリストラが行われた。そのため、トランザムやカマロといった、一時代を築いたアメリカン・スポーツカーが姿を消す事となったのである(※実は日本も同様で各社のスポーツカーがラインナップから消えていった)。時代の流れには逆らい得ず、ただただ残念…。

 四代目カマロ(地元市内にて)

 さて、これで"マスタング"、"コブラ"、"コルベット"、"バイパー"、"カマロ"とアメリカン・スポーツカーをご紹介した。"ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム"と"デロリアンDMC12"については、映画の名車の"ナイト・ライダー→こちらをクリック"と"タイムマシン・デロリアン→こちらをクリック"で取り上げているので、そちらをご覧下さいませ。次回は、比較的新し目のアメリカン・スポーツカーを一台取り上げたいと思う。

 伝統的なアメリカン・スポーツカーを連続して取り上げてきたけど、最後に一言だけ。"アメ車"のしかも"旧車"に乗る人は、根性が入っていると思う。あちこちのサイトを読むと、購入後すぐに壊れた話、乗るよりも入院している(※修理をしている)期間が長い話、悪燃費によるガソリン食いや維持・管理費が膨大な話など、苦労話しが耐えないようだ。最近の新型アメ車はそんな事無いのかもしれないけれど、多くのアメリカン・スポーツカーの旧車乗りはそんな苦労を乗り越えているのか~と思うと、車好きとしてリスペクトしてしまう。"故障しない"、"至れり尽せりのパッケージ"、"ディーラーがどこに行ってもある"国産車に乗る人間にとって、その苦労は計り知れないのである。アメリカン・スポーツカーのエンスージアスト、がんばれ~、ファイト~!


2009年12月追記:今年この2009年、カマロが7年ぶりに帰ってきました!日本にも輸入された5代目カマロ、僕はまだ実車は見ていませんが、このクリスマスにサンタが息子に、トラスフォーマーのバンブルビー(5代目カマロに変形!)などをプレゼントしてくれました。偶然にも、サンタと僕の好みが一緒です(笑)。
→ 変形 →


2013年11月追記:5代目カマロは街中でよく見かけていたのですが、走り去ってなかなか撮影できず、先日11月6日にようやく地元で撮影できました。



2016年9月追記:サイクリング中、隣町でバンブルビーと同じ黄色のカマロを見ました。
 













 マイコレクションより"初代カマロSS"

 マイコレクションより"二代目カマロ"

 マイコレクションより"四代目カマロ・コンバーチブル"


参考・引用文献
シボレー・カマロ        (カーコレクション/デルプラド)
国産・輸入車全モデル購入ガイド (JAF出版)
各種HP


CAMARO 1967-2010 ~シボレー・カマロ完全読本~

中古価格
¥5,835から
(2014/11/20 18:01時点)

 

京商 1/64 USAスポーツカー ミニカーコレクション1 シボレー カマロ Z28 青メタ 未開封新品同様  【中古】

価格:5,400円
(2014/11/20 18:00時点)
感想(0件)

 

1968 Chevrolet Camaro Z28 RD 1/18 Maisto 2315円 【ミニカー,シボレー,カマロ,ベビーカマロ,アメ車,マッスルカー】

価格:2,500円
(2014/11/20 18:01時点)
感想(1件)

 

楽しく遊べるおもちゃ・変形ロボット玩具 トランスフォーマー AD04 クラシックバンブルビー 日本オリジナル塗装の豪華仕様 〈自動車模型 車両模型 趣味・コレクション玩具 大人・子供向け 漫画・アニメ・映画 ミニカー フィギュア〉

価格:3,024円
(2014/11/20 18:03時点)
感想(0件)