トヨタiQ

(2010年5月16日記載)

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 日本でコンパクトカーと言うと、真っ先に軽自動車を連想される方が多いと思う。その上の所謂"リッターカー"クラスとなると、車格は大型化し、3メートル代後半か4メートル前半となる。そんなコンパクトクラスに楔を打ち込んだのが、軽自動車より短い全長のあの"スマート"(→スマートについてはこちらをクリック!)である。スマートが世に送り出されたのが、1998年。それから10年後の2008年、トヨタは満を持してiQを世に送り出した。
 iQはリッターカーだが、ホイールベースは軽自動車よりも短く、全長も軽自動車よりも30cmも短い2,985mm!(全幅1,680mm×全高1,500mm)。車重も890kgと、軽自動車並のまずまずの軽量。そして、驚くべきは、この小さいサイズながら2人乗りではなく、大人3人+子供1人の計4人の乗車が可能なところだ!トヨタが、徹底的にパッケージングを煮詰めた結果である。
 もっとも、フル乗車だとラゲッジスペースはほとんど無くなる。それなりに荷物を積むには、後部座席を倒す必要がある。リアシートを倒すと、232リッターの荷室容量が現れる。

 トヨタiQ(地元市内にて)

 さて、これだけ小さいと、"走行性能"が気になるところ。エンジンは、68psを発揮するオーソドックスな1リッターの3気筒DOHCエンジンだが、ボディが軽量でかつCVTと組み合わせているので十分なパワーがあり、しかもガソリン車としてはトップクラスの低燃費を実現している。2009年8月に登場した1.3リッターエンジンは、94psを発揮する。
 ホイールベースの短さが気になるが、そこは上手くまとめているようだ。激し目のコーナーリング時には、横滑り防止装置が介入して、結果的に必要な安定性が得られるとのこと。最小回転半径が、僅か3.9メートルと言うのは、町乗りでは大いに助かるだろう。
 そして、エクステリアとインテリア。かつてはリッターカーと言うとチープな印象が拭い切れなかったが、それは昔の話。このエコの時代、車の大きさによって、豪華だのチープだのと言う時代では無くなった。各人それぞれが、自分のライフスタイルに合わせた車をお洒落に乗りこなす時代なのだ。

 トヨタiQを後から見たところ(地元市内にて)

 外観は、写真を見て分かるように存在感があり、パッと見のインパクトも大きい。内装も高級と言う訳ではないが、iQ用オリジナルの特徴的なデザイン・メーターなどを採用している。安全性確保にも、手抜かりは無い。9つのSRSエアバックを備え、当然、衝突安全に対応するボディを持つ。

真っ赤なiQ(隣の町にて)

 当然、これだけがんばった車なので、2008~2009年の日本カー・オブ・ザ・イヤーやグッドデザイン大賞を受賞している。…と言う風に、なかなか良い出来のコンパクトカーなんだけど、決して安くないのがちょっと難点。iQを買うのと同じ価格で、しっかり4人が乗れて荷物も積め維持費も安い軽自動車が買えるのである。
 だから、この車を買う人は、この車の存在に魅力を感じる人だろうと思う。あと十年早く…スマートと同時期…に発売されていれば、もっと人気を博していたかもしれないな~…と、個人的には思ったりもするのである。このiQ、コンセプト的はスバルの軽自動車"R1"(→R1についてはこちらをクリック!)と似ていて、僕は嫌いじゃないな。














マイ・コレクションより"トヨタiQ"


参考・引用文献
最新国&輸入車購入ガイド       (JAF出版社)
トヨタホームページ


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