スバル・R1&R2

(2006年2月26日記載)

入口 >トップメニュー >名車たち >現ページ

 スバルの軽自動車を取り扱うのは、スバル360に続いての2回目ですな…。今回は、ニューR2とR1を取り上げます。

 大ヒットしたスバル360だったが、登場して10年も経つとさすがに新興勢の軽自動車には、色々な面で適わなくなってきた。そのスバル360の後継車として1969年に登場したのが、スバルR-2である。
 スバルR-2は、スバル360と同様にRR方式を採用している。空冷2サイクル2気筒エンジンで、出力は30psだった。後には36psのSSタイプや32psタイプのスポーティDXタイプも発売された。また登場から2年後には、水冷エンジンも加わった。前部のボンネットの中は、荷物を入れられるスペースとなっている。スバル360は長期間に渡って生産・販売されたが、スバルR-2の生産は1973年で終わった。先代と比べると、約四年間と言う短期間でその役割を終えた。

2006年6月追記:隣の市で、超かっこいい旧R2のカスタムメイドカーを見ました!
←かっこ良過ぎ…

 それから30年後の、2003年12月にスバルR2が戻ってきた。現代の室内容量優先の箱型デザインに挑戦状を叩きつけたような斬新なデザインは、今見ても超個性的で何者にも似ていない。ホンダのニューライフよりも、さらに先鋭的なデザインだ。スバルが最近採用している航空機をモチーフにしたグリルデザインには賛否両論があるが、それを差し引いても独自のワンモーションフォルムは美しい。全長・全幅のサイズは、他の軽自動車同様、ほぼ軽規格。全高は、1,520mm。重量は、810kg(2WD)。
 エンジンは、直列4気筒DOHCエンジン。グレードは、i、R、S3種類で、エンジン出力はそれぞれ、46ps、54ps、64ps。ちなみに、Sタイプの64psエンジンはインタークーラー付きスーパーチャージャー!3機種に、それぞれ2WDと4WDが設定される。変速機は、iとRが5速MTとi-CVTで、Sはスポーツシフトi-CVT仕様のみ。Rのi-CVTが最も燃費が良く、リッターあたり24km…実用燃費も18kmは堅いと言う。新開発エンジンと、i-CVTの組み合わせは良好で、気持ちの良い加速感、走行フィーリングを味わえ、足回りはやや固め…との事。
 エクステリア・デザインも斬新だが、インテリア・デザインもなかなか新鮮かつシンプル。僕が今乗っているekワゴンはコラムシフト採用だが(※トール系の軽はコラムシフトが多い)、僕自身の好みで言えば、このR2に搭載されたインパネシフトレバーの方が好きだ。

 ニュースバルR2(千代田区内・秋葉原近辺にて)

 外観デザインにこだわった分、後部座席の居住性は、はっきり言って昨今の軽自動車勢の中では…狭い。ただし荷室は、シートを倒さないでもA型ベビーカーの搭載が可能なスペースを確保しているのは、育児世代には助かるだろう。この車は、ただ居住・荷室容量だけの最近の没個性的な軽自動車に納得がいかない人ないし家族には、良いのではないだろうか。車を所有する事の喜びは、単に道具としての機能に、プラスαがあると僕は思っている。そのプラスαは、デザインであったり、屋根が開いてオープンになる事だったり、人それぞれである。このR2の、個性的なデザインのプラスαを認める人は"買い"だと思う。
 昨年(2005年)11月には、一部改良され、視界や装備面が変わった。スポーティ仕様のSタイプもRとSに追加されている。
 価格は、80万円台から142万円台まで幅がある。

 ニュースバルR2の後姿(千葉県内にて)

 ニューR-2の登場から約1年後の2005年、スバルR-1が登場した。一見するとR-2を2枚ドアにしただけのように見えるが、良く見るとR-2の派生車ではなく、独自に開発された車であることが分かる。R-1のデザインは、R-2と同様に室内容量を確保する事、つまり実用性や効率を優先させる事を主眼としていない。R-2よりもさらに割り切って、よりプライベートな車に仕上がっている。フロントグリルやリヤブレーキランプ等の形状を観察すると、R-2とはかなり違う。日本の車と言うより、アルファロメオのようなイタリア車を感じさせる(特にリヤのブレーキランプがアルファロメオしてる)。R-2との違いはサイズにも現れていて、軽自動車の多くが軽規格ぎりぎりまで全長を使い切っている車が多い中、R-1は全長を10cm以上短く3,285mmに抑えている。これはデザインを優先させたためだ。車重は、R-2よりも若干軽い800kgである(2WD)。スタイルの全体的な印象は、R-2よりもスバル360をイメージさせる。要するに、てんとう虫のような印象を受けるのだ。

 スバルR1(事務所近辺にて)

 エンジンは、R-2と同様に直列4気筒DOHCエンジンで、出力は54psの1タイプでスタートした。54psのパワーでは、R-1のようなパーソナリティーカーにはちょっと力不足という意見もあるが、街中の曲がり角、高速道路や山道での安定性は、R-2よりも高いようだ。タイヤはR-2が14インチなのに対し、R-1は15インチを採用している。
 昨年(2005年)の一部改良により、R-2に設定されているスーパーチャージャー64psタイプと、46psタイプも追加され、エンジンはR2と同様3タイプとなり、また4WDタイプも追加された。

 スバルR1の後姿(地元市内にて)

 R1のコクピット…つまりインテリアは、R-2よりもさらにスポーティかつペライベートな空間を演出している。後部座席はさすがに狭く(R-2よりもさらに狭く)、大人が乗るには辛い。しかしいざと言う時に、大人4人が乗れると言うのは心強いと思う。
 助手席を倒すとテーブル代わりになったり、後部座席を倒すと荷室容量が増えるだけでなく、倒した背もたれの下にかばん等をおいても外から見られないような便利なシークレットスペースが生まれる。小物の収納スペースも、とても気配りが利いている。
 日頃は、一人乗りのプライベートカー、もしくは二人乗りのカップルカーとして使用。しかし、荒天時や緊急時の駅への送り迎え時等の"いざと言う時"には4人を乗せられる。なのに外観はパッと見、二人乗りにしか見えない、とてもコンパクトで個性的なフォルム。もしまだ家族持ちでなく、日常では一人か二人でしか車に乗らず、車にオリジナリティを求める人にはお奨めの一台だと思う。ダイハツ・コペンやこのスバルR-1のような軽自動車が、車ライフをもっと豊かに楽しくしてくれると思う。価格は、114万円台~153万円台。


2016年4月23日追記:隣町をランニング中にR2を見ました。40年以上も昔の車なのに、意外ときれいです。

 














 マイコレクションより"初代スバルR2"

 マイコレクションより"初代スバルR2・ドナルドダックバージョン"

 マイコレクションより"スバルR1"

参考・引用文献
R1のすべて          (モーターファン別冊)
R2のすべて (モーターファン別冊/軽自動車のすべて)
スバルR1カタログ
国産&輸入車購入ガイド       (JAF出版情報)
トミカ復刻版カタログ1971
富士重工ホームページ


●ミニカーストラップ★スバルR2★

価格:1,080円
(2014/11/20 15:37時点)
感想(0件)

 

エブロ 1/43 スバル R2 スーパーデラックス 1969 アイボリー

価格:4,644円
(2014/11/20 15:38時点)
感想(0件)

 

70年代の乗用車【中古】スバルR2 緑 日本製 [絶版トミカ]

価格:1,280円
(2014/11/20 15:38時点)
感想(0件)

 

【旧番】トミカ111 スバル R1 初回特別カラー (イエロー)

価格:1,728円
(2014/11/20 15:40時点)
感想(0件)