ダイムラー・クライスラー スマート

(2003年5月11日記載)

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 さて、このシリーズで、イセッタ、メッサーシュミット、ミゼットと連続で、超コンパクトカーを取り上げてきたが、今回は、現代の超コンパクトカーを取り上げる。その名も、スマート。街中で見かける割合もかなり増えてきている。全長は、僅か2.5mしかない。日本の軽自動車より、更に90cmほど小さいのだ。しかし、これだけ小さくとも日本では、普通自動車扱いである。なぜかというと、車幅が1.515mあり、日本の軽自動車規格をオーバーしているためである。
 このスマートと言う車、ダイムラー・クライスラー製なので、小さいながらもベンツの技術が詰め込まれたしっかりとした車なのである(もっともメルセデスの車も、少し下降気味とも言われるが…)。"SMART"は読んで字の如く、「賢い」とか「流行の」という意味である。SMARTの"S"はスウォッチから、"M"はメルセデスから取られ、"ART"は芸術的結晶を意味している…それでスマート。「えっ?スウォッチと、スマートに何の関係が?」と、思われた方もおられるかもしれないが、この車、そもそもスウォッチの企画からスタートしたのである。

 スマート(千代田区内にて)

 スウォッチは、腕時計メーカーとして有名だが、特に時計業界に革命を起こしたとも言えるデザインはブームともなり、熱烈なコレクターを生み出した。スウォッチは、車でもこのコンセプトを踏襲しようとしたのである。車体は、7種類の色から選べて、しかもボディパネルを外して、違う色に換えられると言う画期的なシステムを採用したのである。1994年に、スウォッチとダイムラー・ベンツが共同出資して、MCC(Micro Compact Car GmbH)社を設立した。しかし、この計画が進行し始めた矢先に、様々な事情でスウォッチがこの計画から手を引くことになり、ダイムラー・ベンツ社が単独でこれを引き継ぐことになった(その後、ダイムラー・ベンツ社とクライスラー社が合併して、ダイムラー・クライスラー社となった)。こうした親会社に変化はあったものの、スマートは1998年7月に市場に発表された。2000年には、コンバーチブルバージョンも発表された。

 スマート(千代田区内・事務所近くにて)

 この車、ただ単に小さくてファッショナブルなだけではない。冒頭に述べたように、ベンツの技術が注ぎ込まれ、特に安全性に対しては、最大限の労力が注ぎ込まれている。スマートのボディは、激しい衝突の際、運転手と乗客の安全をしっかり守る他、様々な最新システムが導入されている。また、全長は短いが、全高は1.529mもあり、乗り降りは楽で室内空間も広さと高さがある。
 動力性能も、このコンパクトサイズには必要して十分なパワーを確保している。インタークーラーターボ付きの、598ccの直列3シリンダーSOHCエンジンは、55ps(/5,250rpm)の出力と8.1kg-m(/4,500rpm)のトルクを発生し、最高速度は135km/hに達する。

 軽自動車規格のスマート(秋葉原にて)

 さて、これだけコンパクトであるのに、僅かに日本の軽自動車規格からはみ出ていたため、普通自動車扱いであり、軽自動車としての様々な特典は受けられずにいた。せっかく小さく作られた意味が、日本では半減していた。こうした要望に応えて、日本専用の車幅を縮めた軽自動車規格のスマートも登場した。現在、街中では、こうした軽規格のスマートも数多く見ることができる。

 軽自動車規格のスマート(千代田区内・事務所近くにて)

 見てきた通り、スマートと言う車はただものではない。性能も優れ、安全性も高い。しかし、何と言ってもスマートの優れた点は、その大きさ(小ささ?)にある。特に、日本のように駐車スペースが限られたお国柄では、この大きさは重宝するだろう。それとデザインセンスの良さ。どれもこれも似たような形で、白やシルバーと言ったカラーが大半を占める国産小型車の中にあって、スマートのようなカラフルでセンスの良い車は貴重である。
 とまあ、いい事尽くめのように書いたが、これらは"超コンパクトカーとしては…"と言う前提条件が付くので、ベンツ500SLのような高性能やセンスを求めるのは、筋違いである。自動車ジャーナリストの中には、この車をこき下ろしている方々もいる。念のため。

 デザインされたスマート(中央区銀座某所にて)

 さて、今回で超コンパクトカーのシリーズを終えて、次回からはまた一般的なコンパクト車を取り上げていきたい。

追記:2005年11月、地元でスマート・フォー・フォーを見ました。



2007年5月15日追記:ダイムラー・クライスラーのツェッチェ社長は、ダイムラーとクライスラーの世紀の合併は8年半で破綻し失敗に終わった事を認めた。北米クライスラーは、米投資会社のサーベラス・キャピタル・マネジメントに売却されるとの事。
…で、スマートは、クライスラーでなく、ダイムラー・ブランド、つまりメルセデスベンツ側のブランドになる~。













マイ・コレクションより"スマート・シティカブリオ"

マイ・コレクションより"スマート・フォーツー・クーペ"

うちの子のプルバック・スマート


参考・引用文献
カーコレクション   スマート     (デル・プラド)
最新・国産&輸入車・購入ガイド2003  (JAF出版)
本音の車選び2003             (洋泉社)   他多数

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