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政治について考える

2.政治社会とは何か?政治社会の目的       (2010年 9月 5日記載)

 私達は、この世界で生きています。この世に生を受けた時から、好むと好まざるとに関わらず、国家と言う政治的な社会で生まれ育ち、生きています。現代の私達は、ジャングルの野生環境で生まれ育つわけではありません。現代人の多くは、国家=政治的社会の中で生まれて生きていきます。この政治社会とは、いったい何なのでしょうか?
 
社会と言うのは、複数の人々が集まって生きていく、その共同生活の営みを言います。人が独りで生きていくのは、社会とは言いません。社会の最小単位は、夫婦です。男と女が出会い、結婚して夫婦となる。たった二人ではありますが、立派な社会的関係です。しかし、これは政治的な社会ではありません。
 では、政治的な社会とはいったい何なのでしょう?もしこの世が、夫婦や家族と言った単位で何の脅威も危険もなく生きていける世界ならば、政治的な社会は必要ないでしょう。しかし、実際はこの世の中には、様々な危険が存在します。死に物狂いで狩りで採ってきた獲物や、採取してきた木の実を奪い取りに来る強盗集団がいるかもしれません。そして実際にそう言う不埒な集団は、いつの世も存在するのです。また外敵でなくとも、同種族内であっても、力の強いものが弱いものを虐げることもあるでしょう。
 小さな種族は、大きな種族に襲われたら太刀打ちできません。小さな種族は、同属を集めて身を守らねばなりません。自分達の身の安全と自分達が蓄えてきた所有物(※財産や食料)を守るためです。彼らは、同種族の中で、戦闘能力や統率力に秀でた者をリーダーに選ぶでしょう。もしくは自然にそういう者が、リーダー格に収まるでしょう。彼らは"族長"と言われるようなリーダーです。彼らは、群れの安全を外敵から護り、また同族内でいざこざがあったらそれを裁いて治めます。これが、"政治的な社会"です。力のある族長は、より広範囲な地域を統治するようになり、所謂"王"と呼ばれる存在になります。
 名目的な君主制を除き、実質的な"絶対王政"を政治的手法として採用する国は現代はほぼ無い訳ですが、多くの国が民主政を採用する現代にあっても、政治社会の本質は大昔から変わりません。一人や少人数では身の安全や財産を護ることは難しいのですが、周囲の人々と政治的な社会関係を結ぶ事によって、一人や少人数の状態よりもより安全に生きることが可能になるのです。これが、政治的社会の存在する根本的な理由です。私達の"安全"についてより厳密に言うと、命を奪われたり傷つけられたりしない身体の安全、正当な活動で得た財産の維持、自己の思想や宗教を持てる自由、他人の権利を侵害しない限り自由に行動できる権利などが含まれるでしょう。もっと分かりやすく言うと、"人が幸せに生きられる"もしくは"国民の福祉"のために人々は相互に政治的社会の契約を取り結んでいると言ってよいと思います。これが、政治的社会の目的です。他人の権利を侵害もしていないのに、自分の命が危険にさらされたり、財産を侵害されたり、また幸せに生きていけないならば、これは政治的社会がその本来の目的を果たしていないことになるでしょう。
 以上が、「政治的社会とは何か?」と言う"問い"に対する"答え"です。非常に簡潔ですが、最初に「シンプルに分かりやすく書く」と宣言しましたので、以上で記述を終えます。

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