ヨブは答えた。「お前まで愚かなことを言うのか。わたしたちは、神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか」このようになっても、彼は唇をもって罪を犯すことをしなかった。 (ヨブ記2章10節) |
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ウヅと言うところに、ヨブが住んでいました。
ヨブは正しい人で、10人の子と、たくさんの財産を持っていました。
羊7千匹、ラクダ2千頭、牛5百頭、雌ロバ5百頭と言うたくさんの財産で、使用人もたくさんいました。
ヨブは、朝早くから神さまに礼拝をささげ、
「息子たちが罪をおかし、心の中で神さまを呪ったかもしれない。」
と思い、神さまにいけにえをさあげ、お祈りしました。 |
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ある時、悪魔サタンが神さまに言います。
「ヨブは、良い子や財産をたくさん持っているから、あなたにしたがっているのです。もし、財産を奪えば、神を呪うにちがいありません。」
神さまは、言いました。
「では、持ち物を奪っても良い。しかし、体を損なってはならない。」
サタンは、ヨブの財産や子を奪います。
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使用人たちが来て、ヨブに報告しました。
「カルデア人たちが、群れを襲いました!」
続いて、もう一人きて言いました。
「お子さんたちが宴会を開いていると、大風が吹いて家が倒れ、亡くなりました。」
それを聞いて、ヨブは立ち上がり、衣を裂き、髪をそり落として、地にひれ伏して言います。
「主が与え、主が取られたのだ。主のみ名は、ほむべきかな。」
こうして、ヨブは神さまを非難せず、罪をおかしませんでした。
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そこで、またサタンは、神の前に進み出ました。
神さまは、サタンに言います。
「地上に、ヨブほどの者はいない。正しい人で、神をおそれ、悪を遠ざけて生きている。」
しかし、サタンはなおも言います。
「今度は、彼の骨と肉に手を出してごらんなさい。そうすれば、面と向かってあなたを呪うでしょう。」
神さまは、言います。
「では、彼をお前の良いようにするが良い。ただし、命だけは奪うな。」
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サタンは、ヨブを重い皮膚病にかからせました。ヨブはたいへん苦しんで、灰の中を転げまわりました。
ヨブの奥さんは、それを見て言いました。
「そんなに苦しいのなら、神さまを呪って死んだ方がましです!」
しかし、ヨブは言います。
「神さまは、幸いもくれるのだから、わざわいも受けるべきではないか!」
こう言って、ヨブは口では罪をおかすことはありませんでした。
このヨブのもとに、3人の友人と一人の若者が来ました。
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3人の友人は、ヨブを責めます。
「あなたが罪をおかしたからだ」とか「神と和解しなさい」とか。しかしヨブは、神さまに直に問い尋ねたいと求め、友人たちの言葉を受け入れません。
このヨブに、神さまは嵐の中から答えてくれました。ヨブは、自分が神さまの全知全能を知り、神の知識を超えて反論しようとする自分の無知を告白し、悔い改めました。
神さまは、このヨブをいやし、今までの2倍の祝福を与え、2倍の羊、ラクダ、牛、雌ロバを与え、7人の息子と3人の娘をもうけました。
そして、神さまの前に正しいとされなかった3人の友人も、ヨブの祈りによって怒りを取り下げられました。ヨブは、その後長生きして、子、孫、4代先の子孫まで見ることができました。
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