「正しい者を悪い者と一緒に殺し、正しい者を悪い者と同じ目に遭わせるようなことを、あなたがなさるはずはございません。全くありえないことです。全世界を裁くお方は、正義を行われるべきではありませんか。」 (創世記18章25節) |
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ロトが住んでいたソドムは、いろいろな悪がはびこっていました。
町では、人々が悪いことを考えたり、だましたり、暴力をふるったり、ぬすんだり、殺したり、ひどいことをしていました。 |
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神は、アブラハムに言われました。
「わたしは、ソドムとゴモラを滅ぼそうと思う。」
そこで、アブラハムは神さまに言いました。
「神さまは、正しい人も悪人と一緒に、滅ぼされてしまうのですか!?」
「正しい者が50人いたら、その町を救ってくれませんか?」
神さまは、こたえました。
「ソドムに50人いたら、わたしは助ける。」
「あえて申し上げますが、もしかすると50人に5人足りないかもしれません。それでも、ほろぼされますか?」
「もし、45人いたらほろぼさない。」
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「もしかすると、40人しかいないかもしれません。」
「その40にんのため、わたしはそれをしない。」
「主よ、どうかお怒りにならず、言わせてください。もしかすると、30人しかうないかもしれません。」
「もし、30人いたら、わたしはそれをしない。」
「あえて、わが主に申し上げます。20人しかいないかもしれません。」
「その20人のため、わたしはほろぼさない。」
「どうかお怒りにならず、もう一度言わせて下さい。もしかすると、10人そかいないかもしれません。」
「その10人のため、わたしはほろぼさない。」
アブラハムは、必死にとりなそうとしました。
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さて、天の使いが二人、夕方にソドムに着きました。ロトは、門の所に座っていました。ロトは、旅人が普通のひとではないことに気がつきました。
「旅のお方、ぜひ私の家に泊まってください。」
「いや、けっこうです」と、旅の二人は言いました。
「そう言わずに、どうぞ泊まってください。ソドムの町の中は、たいへん危険です。」
ロトが強くすすめるので、二人はロトの家に泊まりました。 |
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ところが、ソドムの人々がロトの家にやってきて言いました。
「今日来た旅人を出せ!ひどい目にあわせてやる!」
ロトは、言いました。
「ダメです!そんなことを、してはいけません!」
ソドムの人は、どなります。
「おまえから痛めつけるぞ、ロト!」
すると、旅の二人が出てきて、ロトに言いました。
「ロトさん、中に入っていなさい。」
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二人の旅人は、戸口の前にいる男たちに目つぶしをくらわせました。そして、ロトに言いました。
「ロトさん、神がソドムをほろばします。すぐに、町を出なさい。
それから、絶対に後ろを振りかえって見てはなりません!」
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天の使いの言葉を信じたのは、ロトとおくさんと二人の娘の4人だけでした。
ソドムは、神さまの言葉通りほろびました。
しかし、ロトのおくさんは「後ろを振りかえって見てはならない」と言ういましめを破り、振りかえったので、塩の柱になってしまいました。
たった10人の正しい人もいなかったソドムはほろびましたが、神さまの言葉を信じたロトと二人の娘は、救い出されました。
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