健康シリーズ総集編
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牛乳瓶理論 (2000年10月10日記載)

 さて、過去十回に渡って「健康」について考えてきました。それらのエッセンスを、ここでまとめてみようと思います。題して

「牛乳瓶理論」

タイトルはふざけていますが、本人はいたって真面目に考えています。

 そもそも、このホームページのこの「健康」のコーナーも、私が中学の頃から悩まされている「慢性副鼻腔炎」を直したいという切実な思いからスタートしています。耳鼻科にトータルで2年半以上通いながらも鼻炎は治らず、専門医であるはずの耳鼻科の先生も根治療法を示すことができません。これは、喘息やアトピーにも共通することでしょう。とある本で皮膚科の先生が、「アトピー皮膚炎の患者が来たら、悩んでしまう。皮膚科の専門医なのに、できれば他の医院に言って欲しいと思ってしまう」という旨の記述をされていました。そう、原因がわからず、対症療法しか手建てがなく、どうしたら良いのか分からない…と言うのが、多くの医者の本音でしょう。たぶん、私の慢性鼻炎もそういうことなのだと思います。医学に素人である私ですが、何とか健康を取り戻したい、その思いで「牛乳瓶理論」の骨子を書くことにしました。専門家でないので理論自体は稚拙ですが、このホームページを見ている方で同じような悩みを持っている方と一緒に、この事について知識や思慮を深め、意見を交換できたら幸いです。

1.牛乳瓶理論の概略

 よく知られているように、人間には恒常性があり、本来「健康に生きられる」よう遺伝上プログラムされています。このプログラムにエラーが無い限り、人間は生まれてから死ぬまで健康なはずです。生まれたての赤ちゃんを、敢えてここで牛乳瓶に例えます。牛乳瓶の中には、完全な「純水」が入って蓋で密閉されているとします。この瓶は蓋がしっかりされていて、内部の水は外から不純物の流入が無いので、ずっと純度を保つことができます。

牛乳瓶牛乳瓶に水を入れる 牛乳瓶に蓋ふたをしめて外界から遮断

 人間もこれと同じで、赤ちゃんが外から何ら物質の流入や影響を受けなければ、ずっと健康を保てるはずです。ところが、人間は日々生活するためのエネルギーを採るため・体を維持するため・成長するための食べ物や水や空気を必要とします。そこで、それらを外から取り入れなければなりません。それらが、体に何ら害を及ぼさないものばかりなら良いのですが、残念ながら人間にとって悪玉の細菌やウィルス、薬剤、化学物質なども入ってきます。もし牛乳瓶の中の水の純度を保ったまま外から別の水分を取り入れたいなら、性能の良いフィルターなどをつけなければなりません。人間もそれと同様で、体に良くない物質が体に侵入してきたら食い止めたり排除するフィルターのようなシステムが備わっています。口から胃、腸までの間で、危険と判断されたものは吐き出されたり、便として排除されます。体内に取りこまれてしまった場合でも、肝臓などで分解され対外へ排除されます。人間の体は、精密な化学物質工場で様々な薬物や細菌に対抗できるようになっています。

 フィルターを取り付け、外からの水を取り入れ、異物だけカット

 さて、牛乳瓶に流入してくる水がきれいなものばかりとはかぎりません。フィルターにも限界があります。泥水が続いたら、フィルターが目詰まりを起こすかもしれません。また、強度の酸性水でフィルターが壊れるかもしれません。そうなったら、水の純度はどんどん落ちて行って、最後には泥水や酸性水で牛乳瓶はいっぱいになります。人間の体も同様で、人間の体が対応しきれない種類と量の悪玉物質が流入してきたら、体内の防衛システムも少しづつ破綻していきます。大腸では最悪の毒ガスが充満し、腸の細胞がガン化していきます。胃壁や腸を突破した強者の悪玉を排除していた肝臓などの臓器もやられていきます。こうして人間の体も、泥水で満たされた牛乳瓶と同じ状態になってしまいます。

2.牛乳瓶理論による奇妙な病の核心

 この理論によると、健康を害するのは(遺伝プログラムにエラーが無い限り)人間の体内システムそのもののせいではありません。外から流入してくる物質が健康を害すると判断できます。外から流入してくる物質の種類と量が、人間のフィルターの性能を超えているので、結果としてオーバーフローとなって体内へ侵入し、様々な悪玉物質が体内を駆け巡り体内中の細胞を突付き回り、鼻炎・アトピー・喘息などアレルゲン物質を特定できないような症状を引き起こすのではないでしょうか。

 例として明治から戦後の日本は、脳卒中や胃癌などの死亡が多かったのです。(冷蔵庫が発達していないこともあり)塩は過度に用いられていました。塩分の摂取量が多過ぎたため、胃ガンや脳卒中を引き起こしていたと考えられます。現代は肉食による脂肪摂取の過多と野菜不足で、悪玉コレステロールの増加や腸内の善玉菌の減少・悪玉菌の増大が起こり、結果として心筋梗塞や大腸ガンが増えています。時代によって死因となる病気も変わり、食生活の影響が最も大きい事が分かります。これらのことから考えても、外から人間の体内に入ってきたものが、人間の健康を左右することが分かります。「塩分過多→脳卒中、胃癌」、「脂肪過多→心臓病、大腸ガン」…という因果関係が成り立ちます。

 しかし、今やその因果関係すら分からないものが多いのです。アレルゲン物質の特定が困難な、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎と言った種々の病気です。これらは、かつてはほとんど見られなかった病気です。しかし今や鼻炎などは数人に一人とさえ言われます。現代社会の環境が、これらのアトピーな(奇妙な)病気の数々を産み出していると考えられます。健康に生きられるはずの人間が健康を失っているのだから、それは体内のフィルターを通過して様々な物質が体内に侵入しているはずである…と牛乳瓶理論では考えます。

 先程人間の体は、精密な化学物質工場だと述べました。様々な毒物や病原菌に対抗できるし、対抗できるようシステム化されています。しかしそれは何十万年、何百万年とかかって環境に適応しながら、人類が獲得してきたシステムです。ところが、ここ数十年で人間を取り囲む環境は、ガラリと変わってしまいました。毎日飲む水道水はクラスター値の高いドロドロとした水で、しかも発ガン性物質トリハロメタンが入っています。毎日吸っているこの空気にも、ホルムアルデヒドやNox、亜硫酸ガスが含まれています。毎日食べる食物には、様々な農薬、食品添加物や、抗酸化剤、カビ防止剤、粘結剤、合成抗菌剤、抗生物質などの飼料添加物や、着色料、保存料、人工甘味料などなどの、穏和な毒(そう、言い方は色々ですが結局のところ効果を弱めた毒に過ぎないのです)が当たり前に入っています。例えば、厚生省が認可している食品添加物は、なんと347品目もあるのです。残念ながら、こういった物質の影響を受けていない食材を見つけることは困難でしょう。こういった物質が、毎日少しづつに体に流入してくる…毎日、毎日、とても微量に、しかもたくさんの種類が…。いくら、人間の体が精密な化学物質工場とは言っても、それは悠久の時を経て獲得できた遺伝情報とシステムです。人工的に造られた何百種類もの毒に、たった十年かそこらで対応しろと体に言うのは土台無理な話しです…体に対応できる訳がありません。

 結論。現代の奇妙な慢性の病気の数々は、現代の多種多様な化学物質(=弱い毒)の体内への流入によって引き起こされると、牛乳瓶理論は考える。それらの物質はとても種類が多い一方、微量だが確実に日々体内に入り続けていて、もはや人間の体のシステムでは対抗できないのだ…と考えるのが自然ではないでしょうか。

3.牛乳瓶理論による対処方法

 社会に人が少なく、環境破壊も進んでいない時代だったら、清流や井戸の水はクラスター値が小さくミネラル分も富んでいて、畑の野菜も野菜力が高く、畜産動物たちも抗生物質漬けにはなっていなかったでしょう。しかし、それは今の時代ではほぼ夢物語となっています。人口過多の都会の胃袋を満たすため、食材は工場で生産されます。鶏達は、ブロイラーの中で光も見ずに薬漬けで育って、私達の食卓に届くきます。生産者が自分で食べようともしない、農薬漬けの米が食卓に届きます。食品と食中毒の関係はすぐに証明されますが、食品とアトピー・鼻炎・喘息との関係は証明されません。よって企業は、食中毒を起こさない、虫が付いてない、見た目や味が良い…ことだけを気にしていれば良く、添加物でも、農薬でも、保存料でも何でも法律上は使えます。また、そう言ったシステムでないと、今の日本国中の胃袋を満たす事が難しい面も否定できません(無農薬・有機栽培ができる農家、地鶏を飼育したり牛を放牧できる酪農家の数には、狭い日本では限界があります)。

さて、そんな状況の現代社会で、私達にいったい何ができるでしょう。いくつかの考えられる対処法。

「水」

水は信頼できるものを買って飲むか、水道に浄化装置、磁気処理装置などをつける。
一日の水の摂取量は、多目に飲む(新陳代謝促進による老廃物などの除去)。

「食」

食事は、なるべく新鮮な食材で自炊する。腐らないもしくはカビも生えない食材、見栄えを重視した食材、などは要注意。
食のバリエーションを増やし、同じ食材に偏らない様に心がける(リスクの分散)。
豆や野菜を増やし、肉食は極力抑える。肉を採る場合も、魚や鳥を主流に。
腸内の善玉菌を育てる。
研究が発表されるたびに特定の食べ物や成分が注目されるが、そういった錠剤・サプリメントに左右されない。

「空気」

都会に住むなら、外のひどい空気はいかんともし難い。しかし室内は、空気清浄器で対処できる。
目がチカチカする、鼻が痛い、頭痛がする等ホルムアルデヒドの症状があまりに酷ければ、工務店に建材等の相談をする。

「素肌のケア」

体の内部と同様に、人間は外皮も一定に保とうとする働きがある。皮膚は通常、皮膚からの油分によって弱酸性に保たれ、また表面の常在菌によって外から他の菌を入りこませない様にしている。一日に何度も洗いすぎると、皮膚の弱酸性化には時間が必要なので抗菌力が低下する。洗顔などもほどほどに(最近、弱酸性の石鹸が出てきたのもそんな理由が背景にある)。

「運動」

運動を心がける。特に、ウォーキングや水泳などの有酸素運動を楽しんでやる(いやいやながらやるのは、逆効果)。
第二の心臓と言われる筋肉の強化にも努める。
運動ができないときは、十分程度の深呼吸だけでも毎日続ける(新陳代謝を高める)。

「生活」

仕事のストレスなどをため過ぎない様にする。公私のメリハリをつけたり、打ちこめる趣味を持ったり、何でも話せる友人を作るのも良い。
忙しい現代社会だが、効率的な心地よい睡眠の時間を確保する。不規則な睡眠や、睡眠の長期的な不足は、体と精神の両面に悪影響を与える。

と、手短に書いてみました。「えっ?こんなの当たり前のことばっりじゃん。」と思われたでしょうか?何度も書きますが、体と心の健康にとって、私達を取り巻く環境は今や最悪だと認識する必要があります。当たり前のことを当たり前に考え、行動するのも難しくなってきているような気がします。健康を取り戻すに辺り、もう一度生活の質を見直す必要があると思います。

 私達の体は、6兆個もの細胞の絶妙なバランスと、数百兆個もの細菌との共生関係で構成・維持されています。それらは、悠久の永い年月によって形成されたシステムです。しかし、産業革命以降の環境の悪化で、あっという間に人間の健康防衛システムは壊れました。じわじわと少しづつ何十年もかけて壊されました。長い年月をかけて壊れた人間の体は、長い年月をかけなければ修復できません。機械ではないので、部品を取り換えればOKというものではないからです。毎日の地道な正しい生活習慣だけが、健康に戻れる唯一の方法だと思います。

 以上、非常に簡潔に要旨だけ書いてきました。今これらの方策に従って、僕自身も生活を少しづつ改善しようと努力しています。この「牛乳瓶理論」が正しいかどうかはともかく、皆さんが自分の健康を考えるきっかけになれば幸いです。

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