ジョリーボーイズ パーフェクト バッグ

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~構想から完成までの道程~

 実は、僕の隠れた趣味(別に隠してはいないか…)は、高校生の頃からの鞄作りである。色んな素材を使って、多数の鞄を制作してきた。もっとも変な鞄は、観音扉型のスピーカーを内蔵した鞄で、ウォークマンとつなげると音楽が聴けると言うものであった。そんな紆余曲折を経ながら、今から十年以上前に、JOLLYBOY'S SURVIVLE BAG(サバイバル・バッグ)を完成させた。自分で言うのもなんだが、なかなかの出来でそれを十年以上使い続けた(サバイバルバッグを詳しく知るにはここをクリック!)。
 しかし、如何せん十年以上使い続けると、さすがにボロボロになってきた。どんな物であれ、形ある物はいつかは壊れる。僕のサバイバルバッグも同様で、十年の間に色んな所を修理した。取っ手(※手持ちハンドル部)を取り替えること1度、ショルダーベルトを取り替えること2度、ファスナーを取り替えること2度。4,000日も使うと鞄全体に疲弊感が漂ってきたので、そろそろ新しいバッグを作ることにした。かと言って、僕もそうそう暇な人間ではないので、今回は業者に依頼することにした。地元の鞄業者がオリジナルバッグを作ってくれると言うので、昨年5月に発注した。ところが、いつまで経っても言い訳ばかりで出来上がってこない。そしてとうとう一年が経ってしまい、業を煮やした僕は契約不履行により依頼を解除した。
 そんなわけで、今回またまた自分で鞄を制作することにした。前回、サバイバルバッグの制作には、設計から完成まで試行錯誤の末一ヶ月近くかかった。今回は、果たしてどうなるか?


ラフ設計図 ラフ・イメージ図

 まずは、ラフなイメージ図(ラフ設計図)を起こします。十年間使い続けた経験がありますので、今回はそれを踏まえて設計します。前回のバッグは、スマートさを求めすぎて容量が少なかったので、容量を多めにします。また、鞄のどこが壊れやすいかを知り尽くしましたので、壊れやすい部所はより頑丈に作ると同時に、交換しやすい(修理しやすい)作りにします。


材料の購入 材料の購入

 ラフ・イメージ図にしたがって、材料を買います。皮や金具などです。僕は、いつも東急ハンズで買っています。ハンズの商品は正直言って高いと感じているのですが、何年経っても同じ商品が手に入れられる(※修理には大事な点です)のでそこで買います(…小さな店で買うと、在庫がなかったり、いちいち取り寄せとか面倒なので…)。今回の材料費は、25,000円でした。7割方、皮の代金です。

型紙 型紙(一部)

 次は、ラフ・イメージ図に従って型紙を起こします(上の写真は、そのほんの一部です)。今回作る鞄は、たいへん複雑な作りをしているので、型紙の数も膨大です。

皮の裁断 皮の裁断(一部)

 型紙に従って、カッターで皮を裁断します(上の写真は、その一部です)。皮一枚の値段は安くないので、慎重に切ります。

皮細工の道具 皮細工の道具

 道具は重要です。と言うか、道具が無いと皮細工は無理です。上の写真のほかに、カッター、定規、ハンマー、ペンなど、色々な道具が必要になります。

ガイド用の穴開け 
ガイド用の穴開け

 皮を縫うために、上の写真のようにガイド用の穴を開けます(皮は厚いので、ガイド印代わり程度の穴しか開きません)。

縫製作業 
縫製作業

 いよいよ縫製作業に入ります。ただし、僕は皮縫製用のミシンは持っていないので、手縫いです。もっともミシンでは縫えないような複雑な構造なので、何れにせよ手縫いでなければ無理でしょう。皮は厚く硬いので、縫うのは力のいるたいへんな作業です。どんなに注意していても、謝って指や手を針で刺してしまいます(今回も何箇所か刺さって血が出ました)。皮用の針は、分厚い皮を貫通すべくとても頑丈でたいへん鋭利なので、取り扱いには注意しましょう。一針、一針、丁寧に縫い上げるのは、気の遠くなる作業です。

JPB完成 
完成!

 こうした地道な苦労の末、ようやくパーフェクト・バッグ(JOLLYBOY'S PERFECT BAG)が完成しました。今回は、前回のような試行錯誤もなく、何をどう作るか明確に計画して実行しましたので、一週間足らずで完成しました。日中はもちろん普通に仕事をしているので、鞄制作のために睡眠時間をかなり削ったのは言うまでもありません。
パーフェクト・バッグの擬似カタログを見てみる(ここをクリック!)。

新旧バッグ 
新旧バッグ

 せっかくなので、新旧バッグを並べてみました。同じようなデザインに見えますが、新しいパーフェクトバッグは長年のノウハウを投入したので、格段に進歩しています。しかし、十年と言う歳月は、皮をこれほどまでに変えます。新旧バッグ共に、同じ皮を使用していますが、サバイバルバッグは長年の風雪に耐え、このような味のあるあめ色に変色しました。

 新しいバッグも最低十年は使うつもりです(できればそれ以上)。いつかまたその十年間の経験を活かして、更に優れたバッグを作ることになるかもしれませんが、今はもう嫌です…疲れましたから。

(2004年 7月11日記載)