医療事務管理士への道
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4.医療事務・実務編 (2011年12月11日記載)
さて、いよいよ"医療事務"実務(実践)編です。とは言うものの、現時点では経験がかなり浅いので、私はあまり実務について書けません
私が、医療事務管理士試験に合格したのは8月の半ば。その後すぐに医院の求職を探して、翌週に都内の某医院の医院長先生と面談し、9月から勤務スタートと言う超スピード決定でした。そこまでは順調だったのですが、その後は苦難の道のりでした。
医療事務の勉強は基本的にレセプト作成の実務を念頭に行われましたが、医療事務の現場ではレセプト以前の種々業務で覚えることが山のようにあり、そこがたいへんでした。で、私が医院で勤務した期間、レセコンのためにPCに触ることすらかないませんでしたと言う訳で、今回の実務編はレセプト作成以前に覚えるべき、医療事務に実務について徒然に書きたいと思います。
・保険証
"保険証"については、もちろん医療事務の勉強で学びます。ところが、実務で受付業務をすると分からない事ばかり。保険証と言っても色々な種類があり、実物を見たことのないものも多いのです。「退職者医療証って国保の保険証どう違うのだろう?」「日雇いの受給者証ってどんなのだっけ?」…初めて実物を見ると、一瞬「?」が頭の中によぎります。また前期高齢者には、保険証の他に高齢者受給者証が必要です。同様に(地域によって年齢は異なりますが)、行政の補助がある場合、幼児、小学生、中学生には、やはり保険証以外に医療証が必要です。
保険証は、必ず月一回確認しなければならないのですが、カルテにチェック漏れがあったり、前任者が違う月にチェックを入れている事もあり、患者さんに「前回見せたわよ!」と苦情を言われることもあります。また、生活保護の方には保険証確認を行わないのですが、それで失敗したこともあります。とある患者さんのカルテを見ると最近まで保険証確認のチェックが有り、先月の確認が無かったので患者さんに保険証の提示を求めると、そっと耳打ちされて「わたし福祉(※生活保護による医療の受給の意)なのよ」と言われました(※注:生活保護の方は保険証を持っておりません)。改めてカルテを確認すると、最近"生活保護"になった方でした。すぐに失礼を詫びましたが、申し訳ないやら、恥ずかしいやらで僕の顔は一瞬にして真っ赤になり、汗が吹き出ました。その他、保険証にまつわるエピソードはたくさん有りますが、ここでは割愛します。
・予防接種
次に、戸惑ったのが"予防接種"に関するあれやこれやです。予防接種のワクチンは種類が多く、接種年齢や間隔の規定も細かいので覚えるのがたいへんです。DPTワクチン、MRワクチン、日本脳炎ワクチン、ヒブワクチン、水疱瘡ワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンを初め、様々なワクチンがありますが、基本的に不活化ワクチンは次の予防接種まで1週間、生ワクチンは1ヶ月空ける必要があります。また、ワクチンによっては3回目のワクチン接種を2回目の接種から1年空ける必要があったり、ある年齢の期間内に打たなければならなかったり、細かい決まりがあります。予防接種予約の際は、当然在庫の確認も必要です。これに冬期はインフルエンザワクチン接種が絡んできますので、これらを頭の中に理路整然と整理し、いつでも取り出せるようにしておくのはたいへんです。僕は、2ヶ月半の間いつもノートと睨めっこ状態でした。
・健康診断
通常の診療や予防接種以外に、地域の健康診断と言うものがあります。もちろん地域によってやり方が違うとは思いますが、書類の内容が細かく、一つ一つのチェックが大切です。書類の不足や記入漏れがあると、行政側に請求できなくなるので、細かく確認する必要があります。ご高齢者の場合、書類を全く記入していない事も多く、記入などの対応時間がけっこうかかることもしばしばです。診察待ちの患者で受付がごったがえしている時は、この対応と処理はたいへんです。
・電話応対
上記のすべてに関わることですが、電話応対も基本的に事務担当者が行います。電話は予期せぬ内容も多く、まず「何を言わんとしているのか?」を把握するのがたいへんです。最初は、社会人の電話応対の基本たる「5W1H」が支離滅裂になってしまいました。電話の相手は、基本的に医療の専門家ではありません。と言うこちら側(私)も、すべてを分かっている訳ではありません。予防接種やら健康診断のことやら、ノートを調べながら受け答えすることも多く、時間がかかります。病気自体の事に関する質問だと事務員では対応できないので、看護士や医者先生に聞いたり、時には電話を代わってもらうこともありますが、皆忙しいので聞くタイミングが難しいのです。この辺、押しが強くない性格な人だと辛いでしょう(=私…笑)。
受付が患者でひしめき合い、多数の健康診断やインフルエンザワクチン予防接種が重なり、応対時間のかかる電話も受けてしまうと、もうどうにもならない(パニックな?)感じがします
・その他
その他、覚えることは山ほどあります。レジの操作方法や現金の扱い方、新規カルテの作り方、生命保険会社の診断を初め各種診断書類の処理の仕方、帳票類の綴り方や在庫管理、消耗品の発注、各種連絡事項のメモ作成、エトセトラ、etc.…。レセコン業務に入る前に、山のように覚えることがあります。
あと実践で感じたことは、"医療事務"と言うのは"事務"と言う名称とは裏腹に"体力勝負"です。事務ですが、デスクワークではありません。実際に2ヶ月半で、体重が2~3kg落ちました。たまたま忙しい医院だったせいかもしれませんが、業務時間中はずっと立ちっぱなしで、かつ動きっぱなしです。超繁忙な時間は、トイレに行く時間の確保も難しいです。(半日勤務の日はともかく)1日勤務の日は、足が"棒状態"になります。足が痛いので、どんな靴を履くかはけっこう重要です。女性はナースシューズなどがありますが、私は男性なので自分で市販の物を買いました。2つ買ったのですが、一つはVANSのサンダルで、もう一つはペプシのファスナータイプの靴です。
前者は底が薄く長時間立っていると足の裏が痛み、後者は足先が圧迫され親指の爪が痛みます。それぞれ一長一短がありますが、夏にボーリングで爪を痛めて内出血していたので、私は躊躇なく前者のVANSのサンダルを選び2ヶ月半使用しました。毎日、足裏がいたかった…っす。ちなみに私はGTホーキンスを信頼していて好きなので探しましたが、医療事務現場向きなデザインはちょっと見つかりませんでした足を痛めてしまうと仕事に支障をきたすので、何を履くかはけっこう需要だと思います。
靴に付け加えて、服についても一言。基本的に業務中は白衣(男性の場合は水色、女性はピンクも有り)を着るので、服は何でも良いのですが、丈夫で動きやすい服が良いです。実は、僕は勤務初日に夏用ビジネススーツで医院の業務に挑んだのですが、業務開始の最初の1時間でスーツのパンツが股から膝まで裂けました(笑)。何故かと言うと、カルテと言うのは棚の上から下までビッチリと収納されているのですが、下段のカルテの取る時に何度もしゃがみます。夏用スーツの生地はそもそも薄いので、急いでしゃがんだ瞬間に負荷がかかり過ぎて縫い目から裂けてしまった訳です。上に白衣を着ていたので裂け目を隠しながら仕事を続けましたが、時折大腿部の地肌がちらちらと見えて冷や汗ものでした。一番気に行っている夏スーツでしたが、帰宅時はホッチキスで裂け目を閉じて帰りました…トホホです翌日から、丈夫な綿パン(チノパン)を履いていったのは言うまでもありません。
さて「僕は実務についてはあまり書けません」と冒頭に書きましたが、実は9月から医院に勤め始めて11月半ばでいわゆる"リストラ(クビ)"となりました。冬からインフルエンザの予防接種がめちゃくちゃ増え、高齢者の健康診断も始まり、治験も始まると言うことで、新人事務管理士の私は「年間の超繁忙期に(私のような新人では)対応は無理だろう」と医院長先生に判断されました。毎日交替で受付&事務の業務をたった2名で回していく少数精鋭主義だったので、両翼の片側がド新人だと飛行機が失速し業務に支障が出てしまうとの判断です。毎日私は最大限の努力をしましたが、実際の所いっぱいいっぱいの日々だったので、そう判断されても仕方のない所です…医院は学校ではないので、繁忙期に教えながらの業務では無理なのです。
他の3名の事務管理士の方々は、全員が複数の医院で経験のある10年以上のベテランでしたので、ド新人の私ははっきり言って知識と経験において雲泥の差でした。そのような訳で、私の医療事務管理士の現場デビューは、人生初の"クビ"体験と言うたいへんほろ苦いものとなりました。
そのような訳で、私はまだレセコン実務経験が"0"です。もっと経験を積んで、いつかこの実務編の続きを書けるようになれればと思います。
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