JOLLYBOYのあんな物やこんな事

世界のトイレ博・パートⅡ
             (2005年10月16日記載)     入口 >トップメニュー >あんなこんな >現ページ

 さて、前回僕のトイレへのこだわりを書いてから、早くも3年以上が経過しました("世界のトイレ博・パートⅠ"は、ここをクリック)。そこで今回は、世界中の便器を実際に見ながら、一つ一つ便器のデザインとそのお国の国民性との関連性を考察してみたいと思います。便器に見る比較文化人類学の世界へようこそ!(嘘です)。
 尚、以下にご紹介する便器は、日本自動車博物館に併設されている各階のトイレにある、"実際に使える"世界の便器です…私もいくつか実際に使用しました。小用と大用の両方が展示されていましたが、今回は小用に限ってご紹介します(※日本自動車博物館は、今から2年前の2003年に訪問しました。日本自動車博物館については、ここをクリック!)

日本の便器(TOTO製) 日本の便器(TOTO製)

 最初は、日本の便器から。もはや便器の代名詞ともなってしまっようなTOTO(イナックスさん他各社様、ごめんなさい)。色んなタイプがあるが、どのデザインも工業立国日本の製品らしく、機能的なデザインばかり。最近は、センサーが付くハイテク便器も当たり前。自動洗浄装置やウォッシュレットを初め付加価値の付く便器は、世界でも最先端か?

ベトナムの便器(THIEN THANH製) ベトナムの便器(THIEN THANH製)

 次に、アジアの便器を見ていこう。まずはベトナムの便器。僕の子供の頃の日本の便器を見ているかのような、懐かしくもシンプルかつ小さな便器。的が小さいので、標的を外さない明確な射撃能力が必要とされる。国自体が途上期なので、便器にはお金をかけず、もっと大事な物にお金をかけているためなのだろうか。ベトナムも経済力が上昇しつつあるから、そのうちこう言うシンプルな便器は減っていくかも…。

中国の便器(JASON製) 中国の便器(JASON製)

 お次は、中国の便器。とても幅広く、安心して用をたせるデザイン。照準が多少外れても、受け止めてもらえそう。その包容力はさすが大陸のお国柄と言うか、鷹揚さが感じられる。

台湾の便器(HCG製) 台湾の便器(HCG製)

 台湾の便器のデザインは、とても中国の便器と似ている。仲違いしてはいてもさすが同じ民族…と言うべきか(←単一民族と言う意味じゃないですよ…念のため)。デザインに丸みが無くなり直線的になり、より工業品っぽく見えるのは、先に工業立国を果たしたお国柄のせいかも。

イタリアの便器(IDEAL STANDARD製) イタリアの便器(IDEAL STANDARD製)

 さて、次はヨーロッパの便器を見てみよう。驚いた事に、デザインが包容力のある中国の便器とたいへん良く似ている。中国同様、暖かな地中海沿岸かつラテン系の鷹揚な気質のせいだろうか?さすが、イタリア…ぼよよ~んと言うか、楽しくやろうよと言うか、包容力があるなぁ。

フランスの便器(PORCHER製) フランスの便器(PORCHER製)

 同じヨーロッパでも、お隣の国のフランスだと、便器もがらりと雰囲気が変わる。シンプルなデザインの中にも、とてもお洒落な感じを醸し出していて、便器が"ぼんじゅ~る"と呼びかけているかのようだ。他にも、フランスのJACOB DELAFON社製の大用の便器を見たが、美しいコーヒーカップを思わせるようなデザインだった(ホントだよ)。

ドイツの便器(VILLEROY&BOCH製) ドイツの便器(VILLEROY&BOCH製)

 一方、ドイツの便器は、さすがに世界先端の工業立国、衝突安全基準適合のような重厚なデザイン。フランスの薄い儚げな造型とはまったく逆で、分厚く重くしっかりしたデザイン。さながら、便器のベンツと言ったところ。その名も"メルセデス・ベンキ!"(嘘)。

イギリスの便器(CAROLINE製) イギリスの便器(CAROLINE製)

 ドーバー海峡を渡ったイギリス。イギリスは、建築もワインも食事も(要するに文化全般が)、ヨーロッパ大陸の借り物と言われてしまうが、便器にもあまり独自性が感じられない。「用がたせりゃあ、いいんでしょ~。このスペース内に、うまく収めてちょ~。」みたいな"可も無く不可も無い"洗面器を便器にしたような、ある意味どうでも良いデザイン。

アメリカの便器(FRESHMAN製) アメリカの便器(FRESHMAN製)

 次は、ドーバーを越え、大西洋も渡ったアメリカ合衆国。同じ英語圏でも、イギリスの便器とはだいぶ違う。もう、デザインがいかにも「大量生産しました」と言うような味も素っ気も無いデザイン。真四角な便器は、そのまま箱に入れても収まりがよく、便器売り場に大量に山と積んでありそう…。ガンダムで言えば、量生型"ザク"と言ったところか。さすがアメリカの便器…ザ・工業製品である。

カナダの便器(BARDN製) カナダの便器(BARDN製)

 アメリカの北に位置するカナダ。やはり工業製品と言った感じのデザインだが、アメリカの便器よりも若干デザインに柔らかさが見られ、少しはお洒落っぽいのは、国民にフランスの血が通っているせいか?

オーストラリアの便器(URINALS製) オーストラリアの便器(URINALS製)

 南太平洋のやはり英語圏の国、オーストラリア。どこの国の便器とも似ていないような気もするが、あまりにシンプルと言えばシンプル。イギリスの便器の洗面器のようなデザインのどうでもよさと、大陸や地中海のラテン的な鷹揚さをミックスして、工業製品にしたてたような便器。

スウェーデンの便器(IFO製) スウェーデンの便器(IFO製)

 で、お次は、北欧に目を向けてみよう。スウェーデンの便器。シンプルな中に機能美が感じられるのは、ちょっとフランス的??

フィンランドの便器(IDMAN-OY製) フィンランドの便器(IDMAN-OY製)

 同じ北欧でもスウェーデンとはお国柄は違うようで、フィンランドの便器は必要最小限スペースタイプのイギリスの便器に近い感じ。例え国同士の距離が近くとも、国によって文化も違えば、便器も違うと言うのを確認いたしました。

 以上、世界トイレ博・パートⅡでした。各国にも色んなデザインの便器があると思うので、上に描いた事はほんの一例として受け取っていただければ幸いです。今後のトイレによる比較文化人類学の発展を願って(もちろん嘘です…^_^;;)。

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