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SOHOで働く パート2   (2012年 4月29日記載)

 前回"SOHOで働く"を書いたのが、2004年。今から8年前の事です(※→記事はこちら)。その時も書きましたが、SOHOとは「Small Office・Home Office(スモールオフィス・ホームオフィス)」の略です。2000年に市ヶ谷(※九段南)に事務所を開業し、その後秋葉原(※東神田)、草加へと事務所を移転していく中で、僕のSOHOに対する考え方が大きく変化しました。
 開業して13年目に入ったこの4月、4回目の引っ越しを行いました。今度の転居先は"マンション"ではなく、"自宅"です。その決心に至るには、"仕事を取り囲む環境の変化"並びに"SOHOに対する僕の考え方の変化"がありました。
 開業時の2000年当時は、事務所を自宅に設ける事は絶対に反対でした。SO(スモールオフィス)はOKでも、HO(ホームオフィス)はNGでした。しかし、次第にその考え方が変化していきました。主な要因は、次の3つです。

①リーマンショック後の世界経済の悪化。

②東日本大地震による実被害。

③CG制作の効率の悪さ。

 ①については、切実な問題でした。2008年秋にサブプライムローンに端を発するリーマンショックの金融崩壊により、世界経済がどん底に落とされてから、企業活動によって成り立つ日本国内の映像制作業界も悲惨な状況に陥りました。このたった3年半の間に、取引先数社が倒産したり、店仕舞いしました。知り合いの10名ほどのディレクター達とも連絡が取れなくなりました。倒産や解雇により、自宅そのものを転居してしまって連絡が取れなくなったディレクターもおります。
 そういう状況ですから、映像制作の仕事そのものが減り、当然CG制作業務も激減しました。長期に及ぶ売り上げ大幅減に対応すべく経費の削減を進めて行ったのですが、やはり最も大きな経費の固定費は事務所の家賃です。市ヶ谷や秋葉原の事務所時代は家賃の月額が自宅の住宅ローン額より多く、過去12年間に家賃に支払った家賃の総額で都内にワンルームマンションが買えます・・・結果論ですが。
 家賃だけではありません。水道高熱費他、各種経費も削減する必要がありましたし、2世帯住宅の自宅と事務所の2つで、今までトイレが4つ、お風呂が3つ、台所が3つ…と言うように、あまり使わないスペースの無駄な重複もカットする必要がありました(…事務所の風呂なんてまず使いません)。この家賃や経費を削減すると言う理由が、大きな転居理由です。

 ②は(つい昨年の話ですが)、大地震の被害が大きく(震度6)、事務所内の棚が総崩れとなり、PCや関連機器、その他物品の損傷があまりに大きかったことです。機器の修理や新品への買い替えは、不況の資金難の中では苦しいものでした。事務所はもちろん鉄筋コンクリート構造でしたが、それでも被害は甚大でした。これからは直下型地震の可能性が高いと言われていますが、この物件よりは(より被害の少なかった)自宅の方が安全と判断し移転を決意しました。

大地震で総崩れとなった事務所内の様子

 ③については、地震前から感じていたことですが、事務所が離れているとCG制作の効率が非常に悪いのです。開業当初は、「公私のけじめをつける」とか「顧客が来やすい所に事務所を構える」などに固執していたのですが、実際のところ「仕事でのストレスは仕事でしか払拭できない」ことを悟り、また打ち合わせの99%はこちらから先方に出ていき、かつ多くのやり取りはインターネットでのやり取りなので、「事務所がどこにあっても関係無い」と言うことが経験で分かって来たからです。
 実際のところ、CG制作の仕事は忙しくなってくると、夜間や休日作業も当たり前です。仕事の繁忙期は、事務所との往復時間さえ惜しいのです。一例ですが、PCで夜間に数百フレームものCGレンダリングをしなければならない時、朝事務所に出勤してみると、何らかのトラブルで途中でレンダリングが止まっていて青ざめた事もあります。また、真夜中に大至急のCG修正を依頼されて(終電後なので)都内の事務所に車で行って修正作業をした事もあります。何度、「目の前にワークルームがあったら…」と思ったことでしょう。
 マニュアル的な一般業務や流れ作業業務と違って、定時では決して終わらせるのが困難な仕事なのです。難題が次々と突きつけられる特殊な仕事なので、強靭な意志でどんなに効率よく仕事を進めても、これはどうにもならない部分だと確信するようになりました。そんな仕事を12年も続けてきて、「ワークルームは自宅に在った方が良いなぁ~」と強く思うようになった訳です。

新ワークルームの様子

 そんな訳で、事務所(※ワークルーム)を自宅に設けました。今後、経済環境が変化したりしてSOHOに対する考え方が変わるかもしれませんが、今しばしは自宅ワークルーム(=SOHO)で仕事をしていきたいと思います。



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