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第二部:第三章 カファルナウムの平和

63.バラバの決起

ガリラヤでシカリ党の仲間がローマの隊長を暗殺した話は、バラバ達がいるペレア地方にも直ぐに届いた。ペレアの荒涼とした山岳地方に隠れるシカリ党一味の頭領格と見なされるようになったバラバ・イエスは、このローマ軍隊長殺害の報告に奮い立つと共に、ガリラヤ地方の仲間に遅れを取った事を悔しがった。バラバは、隠れ家で仲間に告げる。
「我々は、何人ものローマ人やそれに組みするユダヤ人を殺してきた。今や、いよいよローマ軍を襲う時だ!ガリラヤの同志に遅れを取ってはならない!やつらを血祭りにあげる時だ!」
百名にも増えたバラバの仲間達は、一斉に喊声を上げた。鬨の声が、誰もいない荒涼とした山岳地帯に響き渡った。


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