ランチア・デルタHFインテグラーレ

(2014年 4月20日記載)

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 BMW2002に引き続き「羊の皮を被った狼」第2弾は、ランチアのデルタHFインテグラーレを取り上げる。車をよく知らない人が見たら、ワーゲン・ゴルフのようなファミリーカー・ハッチバック車に見えるが、中身は凄いのはこのHFインテグラーレ!

 ランチアのラリーでの活躍は、ストラトスのページで取り上げたが、1987年からWRCは、より生産車に近いグループAで競うことになった。そこで、ランチアは新たにレギュレーションに合うマシンを開発する必要が生じた。レギュレーションをクリアする、最低生産台数5000台をクリアしなければならない。この目的ために、1983年に生活車として開発された4WDのターボ4×4を発展させて作られたのが、HF4WDである。デザインは、(冒頭で"ゴルフのような"と書いたが)5ドアハッチバックと言うことでワーゲン・ゴルフを彷彿とさせる。このデザインは、ゴルフデザインを手がけたジウジアーロ率いるイタル・デザインである!当時はゴルフが大人気だったが、大衆車ゴルフのイメージに対し、デルタは小さな高級車を目指した。サイズはグループAバージョンで、全長3,900mm×全幅1,700mm、車重は1,100kg
 このマシンは、1987年もモンテカルロラリーでデビュー勝利を飾り、同年のメイクス・タイトルを獲得した。しかし、HF4WDには問題点もあった。
 そして、より戦闘力を高めたのが、デルタHFインテグラーレである。グループAでは、ボディ形状の変更を認められていなかったので、生産段階からブリスターフェンダーが大きく張り出すデザインとなった。これは、スリックタイヤを収めるスペースを確保するためである。また、エンジン冷却問題を解決するために、ライト周りやバンパー部分に風穴を開け、エンジンフードには熱抜き用のルーバーも設けた。エンジン自体は、1995ccの直列4気筒&ターボエンジンの組み合わせのままだったが、パワーは165psから185psにアップされた。フロントのディスク・ブレーキもアップされた。こうして戦闘力を増したインテグラーレは、WRCで更なる勝利を重ねた。

 
ランチア・デルタHFインテグラーレ(都内・浅草橋近辺にて)

 そして、更なるアドバンテージを得るために、ランチアは16バルブ・ユニットを搭載したHFインテグラーレ16Vを送り出した。タイヤもワイドとなり、エンジンも200psにパワーアップされた。駆動系やトレッドも見直された。しかし、WRでトヨタが力をつけてくると、ランチアのアドバンテージも次第に失われてきた。
 そこで、ランチアは、エンジン、ブレーキ、ボディなど、すべてを見直したデルタHFインテグラーレ・エボリューションを送り出した。パワーは、210ps。種々中身は、もはや別物ぐらいの進化をした。

 ランチア・デルタHFインテグラーレ(地元近隣にて)

 デルタHFインテグラーレは、エンスージアストに迎えられたが、様々な特別限定車が存在する。最初の特別限定車は、インテグラーレ5。WRCで5年連続でメイクス・タイトルを獲得したのを記念して、1992年に400台限定で作られた。
 同様に、WRC5年連続タイトル記念に、イタリアの有名な自動車クラブのクラブ・イタリアに寄贈するために、クラブ・イタリアが15台制作された。
 1993年に、デルタHFシリーズがWRCでのホモロゲーション・モデルとしての役割を終えると、新型に切り替わり、エアコンやABSが標準装備となるエボルーションⅡ(エヴォルツィオーネ)が発売された。
 その他にも、ベルデ・ヨークやインテグラーレ6、ジアッラ、ブルー・ロゴス、パール・ホワイト、ディーラーズ・コレクション、HIFIなど、様々な特別限定車が発売された。

 ランチア・デルタHFインテグラーレ・コレクション(隣町にて)

 ディーラーズ・コレクション共に、シリーズのファイナル・エディションとしてコレクション(※コレッツィオーネ=上記写真)が製作され、250台すべて(!)が日本に持ち込まれた。フルビア・クーペHFのイメージでまとめられ、ボルドーレッドのボディにイエローとブルーのストライプと言う配色。
 ランチア・デルタ自体は、1993年に第2世代、2008年に第3世代に移行したが、それらはラリーマシンでなくファミリーカーである。一方、デルタHFインテグラーレは1995年まで生産が続けられ、そしてその使命を終えた。しかし、デルタHFインテグラーレは、街中で今でもちょいちょい見かけるエンスージアストに愛されるマシンである。


2016年10月19日追記:サイクリング中、地元市内の自動車販売店にて、ラリー仕様:マルティニカラーのHFインテグラ―レを見ました!




2017年7月15日追記:サイクリングで、栃木県の魔法陣スーパーカーミュージアムに行き、デルタHFインテグラーレⅡ(エヴォルツィオーネ)を見ました。











 マイコレクションより"ランチア・デルタHFインテグラーレ"


参考・引用文献
カーコレクション (デルプラド・ジャパン)


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