スバル・サンバー&ディアスワゴン
(2010年1月17日記載)
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このホームページで度々述べているように、僕は軽自動車が好きである。中でも、限れた空間で最大の効率を追求した1BOX軽ワゴンは大好きである。スポーツカーの"空間的非効率&デザイン的美しさ"の対極にある、"空間効率の追求&無骨さ"の軽ワゴン。ティッシュボックスを積み上げた形のような"無骨さ"も、合理的に空間を追求していった結果の機能美とも言えなくもない。スピードを最大限に追求した結果の機能美がスーパーカーのあの形なら、空間利用を最大限に追求した機能美が1BOX軽ワゴンのあの形。今回から、この日本の誇る(?)スーパー軽ワゴン達を取り上げていきたい。
さて、その一回目はスバルのサンバー。サンバーライトバンが登場したのは、1962年3月。今から48年も前のことである。スバル360の開発に成功した技術者が、そのまま次に取り組んだモデルがこのサンバーである。当時は、まだ多くのメーカーが乗用車に荷台を付けただけのような急造バンを作っていた中、スバルは専用ボディを作り出した。しかも、スバル360で培ったRRエンジンや4輪独立懸架などを組み合わせ、底床かつ広い荷台を実現した。リヤに積んだエンジンは、スバル360と同じEK32型の強制空冷2ストローク直列2気筒エンジン。出力は18psだった。パワーは低かったが、車重も508kgと軽かった。ボディサイズは、当時の軽規格サイズに収まる全長2,990mm(全幅1,300mm×全高1,520mm)。さすがに、最近一度も街中では見かけていない(※外観は下段のマイ・コレクションのミニカーを参照)。
1966年には、フルモデルチェンジした2代目が登場。よりスペース効率が追求され、デザインは全体的には角が取れて丸みを帯びた。ライトバンは折り畳み式の後席を備え、4人乗りにも対応して、仕事にもレジャーにも対応した。当時は車はまだまだ高価なものであり、仕事とプライベートに対応していることはたいへん重要なことだった。同時に、トラックタイプも発売された。
1973年、3代目に移行。エンジンは空冷から水冷に代わり、各部は頑丈となり"剛力サンバー"と呼ばれた。エクステリアデザインは、1代目と2代目に見られた愛嬌のあるデザインから、より現代的なデザインへと変化した。最小回転半径3.6mと言う小回りの利くボディと相俟って、個人商店を中心に大きな支持を得た。1975年には、エンジンが4ストロークへと変更された。
1975年には、(軽規格の変更に伴い)500ccに拡大したサンバー5が登場。軽規格では550cc以下と定められていたが、スバルは開発のタイミングが合わず、既存のエンジンを最大限流用し500ccのエンジン搭載となった。翌1976年、新規格に適応したサンバー550が登場。2サイクルから4サイクルの550ccタイプと変わり、新タイプではボディサイズも新規格(全長3.2m以下×全幅1.4m以下×全高2.0m以下)いっぱいとなり、荷室が更に拡大した。1979年には、ハイルーフタイプも設定された。1980年には4WDモデルが追加され、農村地域でのシェアを大きく伸ばした。このモデルは、軽4WDの先駆モデルとなった。
1982年には、フルモデルチェンジとなった4代目が登場。バンタイプの名称がすべてサンバートライと言う名称に統一された。4WDのホイール径やサスが変更されて、更に走破性を高めた。1987年にはマイナーチェンジし、いくつかのグレードからトライの名称が外された。また4WDにビスカス式フルタイム方式が追加され、フロントブレーキにはクラス初となるディスクタイプが採用された。
5代目スバル・サンバー(地元市内にて)
1990年には、フルモデルチェンジした5代目が登場。新軽規格に合わせて、4気筒660ccエンジンを積んだタイプとなった。新エンジンは、静かでスムーズかつ強い走りを実現した。エンジンだけでなく基礎から革新し、単なる便利な"仕事のバン"から乗る人の快適さに徹底的にこだわった。サンバーは、このタイプで後にEV車や車椅子にも対応したトランスケアなども発売する。
6代目スバル・サンバー(東京都内浅草橋近辺にて)
1999年1月、サンバーはフルモデルチェンジし、現代の6代目に移行。スーパーチャージャーを設定した乗用のサンバーディアスも登場。名実ともに、ビジネスからレジャーまでをカバーする軽ワゴンとなった(※ちなみに、この年にはホンダも商用のアクティに加えて、乗用のバモスを登場させているので、この傾向は時代の必然だったのかもしれない)。サンバーは新タイプでも3月にトランスケアが設定され、また10月にはクラシック調デザインの"ディアスワゴン・クラシック"も発売された。2000年にマイナーチェンジを受け、2002年と2005年にも一部改良が加えられた(※この時にクラシックが廃止された)。
サンバーは軽運送業や農業の分野で、相変わらずの高い支持を得ている。RRエンジンによる床面の完全フラットや4輪独立懸架は健在。クラスNo1.の小回り性もそのまま。サンバーシリーズで、乗用モデルとしてラインナップされるのがディアス・ワゴン。大型のヘッドライトやメーター類の視認性アップ、インテリアの質感向上など、多くの改良が行われている。4気筒SOHCエンジンは、自然吸気(NA)の48psタイプとスーパーチャージャー付きの58psの2タイプ。駆動方式は2WDと伝統のフルタイム4WDが選べ、全グレードに5MTと3ATを設定。ちなみに、サンバーの低床フロア高1,395mmと荷室長1,875mm(運転席側)は、クラスNo.1!…ちょっとだけ残念なのは、4速ATの設定が無いところ。
僕は、多くある軽ワゴンの中でもこのサンバー&ディアスが相当に気に入っている。今、個人的にたいへん興味がある軽キャンパーのベース車両としてもなかなか良い素材。中でもフィールドライフが販売しているトライキャンパーは、たいへん良い!(→詳しくはこちらをクリック!)
サンバーベースのキャンピングカー(トライキャンパー)
しかし、(マイナーバージョンアップしているとは言え)1モデルの自動車が登場して10年以上も長らえていると言うのは、近年たいへん稀有な例。それほどまでに、サンバーの伝統ならびに6代目の設計思想が優れていたと言うことであろうか。
追記.2009年9月、ディアスワゴンがフルモデルチェンジ。とは言っても、内容はダイハツのアトレーワゴンのOEM供給。スバルがトヨタグループとなった事で、軽自動車の自主開発を中止したため。今後も、他の軽モデルはダイハツ車に切り替わっていくそうだ。スバルの軽ワゴンは、とても好きだったので残念
マイコレクションより"初代スバル・サンバーライトバン"
参考・引用文献
The絶版車File (インフォレスト)
最新国&輸入車購入ガイド (JAF出版社)
スバルホームページ
他
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