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<実車を見る編>
3.トライキャンパー (フィールドライフ製)
(2009年 8月 9日記載)
前回、前々回と2回連続で、キャブコンベースの軽キャンピングカーを取り上げた。
今回からは、バンコンの軽キャンパーを見ていきたい。キャブコンの軽キャンパーの魅力と利点も捨てがたいが、一方で欠点もある。キャブコン軽キャンパーはキャンピングカーとしては優れている面が多いが、日常の足としてはやや不便である。バンコン軽キャンパーのように、後部ハッチを開けてがばっと大きな荷物を積み込めないし、後部座席の扉が片面にしかない。また軽トラベースなので、4速ATの設定やターボの設定が無かったりする。毎日キャンプをするわけではないし、むしろ日常の足として使う事の方が圧倒的に多い訳だから、そう言った面を含めて総合的に考えると、僕の中では、キャブコン軽キャンパーよりもバンコン軽キャンパーの方が、確実に一歩リードしている
で、最初に取り上げる軽バンコン軽キャンパーは、フィールドライフのトライキャンパー。軽規格のバンコンでありながら初のキャンピング車登録を実現させた記念すべきモデルが、このトライキャンバーなのである。1991年の登場以来、今も尚熟成を重ねるモデル。正直、今最も欲しい軽バンコン・タイプのキャンパーが、このトライキャンパーかホワイトハウスのマイボックス・ポップアップのどちらかである。
トライキャンパーの最大の特徴が、ポップアップルーフ。今でこそ軽バンコンのポップアップ・キャンパーは何種か存在するが、ちょっと前まではフィールドライフのキャンパーしか無かった(…と思う…歴史を全部調べた訳じゃないけど)。僕はかつて、もうこのポップアップルーフを見ただけでテンションが上がっていた(…まあ、今でもだけど)。ちなみにホップアップのタイプは、下記のようなポップアップ方式以外に、平行に屋根が上がるエレベーティングルーフも選べる。
トライキャンパーをポップアップしたところ(幕張メッセにて)
バンコンタイプはキャブコンタイプと違って、和室のようにちゃぶ台を置いてダイネットを展開するタイプが多いが、このトライキャンパーはきちんとシートに座るダイネット形成ができる。家族4人がテーブルをはさみ、シートに座って食事ができるのだ。ちょっとした食事に、いちいち靴を脱ぐ必要がないのは助かると思う(※実はその点が、僕の中でマイボックス・ポップアップとの比較で最大に迷う点)。
ポップアップルーフのおかげで、室内の開放感は相当に大きい。テーブルは、前後に移動できる可動式。もちろん、走行時や使わない時は取り外せる。
ダイネット展開したところ
コンパクトなキッチンは、シンクと天板がFRPによる一体成型!なかなか手間もお金がかかっている。タンクの給排水容量は、それぞれ13リッターある。これは軽キャンパーの中では、かなり多い容量(※通常10リッター以下がほとんど)。走行充電システムやサブバッテリー、DCコンセントも標準装備。キッチン下や後部サイドウィンドウ、そして運転席上にも小物入れ&ラックが付く。バンタイプだけあって、当然の事ながら後部のカーゴルームは相当に広い。
キッチン&シンク
セカンドシートはFASPシートで、反転やベッド展開ができる。就寝スペースは、フロアベッドが1,000mm×1,800mm、ルーフベッドが1,000mm×最大2,000mmと言う大きさで、家族4人が寝られる。
このトライキャンパーが素晴らしい要因の一つに、ベース車両がスバルのサンバーであると言う事も上げられる(※かつてフィールドライフが架装したドミンゴのアラジンと言うキャンパーは、スバルの正式なラインナップの一つとなっていた事もあるのだ)。
サンバーは、エンジンをフロントシート下ではなく後部に積み、しかも軽自動車で贅沢にも4気筒エンジンを搭載。おかげで走行性能も静粛性も高い。エンジンを前部に積まないことで、運転席の広さと運転しやすさを確保している。付け加えて、(またまた贅沢にも)4輪独立サスペンションを採用して、安定した走行を可能としている。
そしてベース車両に乗用タイプのディアス・ワゴンを選択すれば、よりパワフルなスーパーチャージャー仕様のエンジンを選択することもできる。軽自動車では、10psの違いは実に大きい(※これは非力なミフィール(しかも3AT)と、ターボのカプチーノ(こっちは5MT)を日常で乗り分けている僕の"軽エンジン"に対する実感!)。低速からトルクフルなスーパーチャージャーを選べる…エンジンの選択肢が残されていること、これが軽トラキャブコンベースのキャンパーとの大きな違いだ(※惜しむらくは、現在のサンバー&ディアスが3ATの設定しかないこと…将来、望む4AT!)。
スバルのサンバー(&ディアスワゴン)と、フィールドライフのキャンパー架装の見事なコラボレーション。
←ベース車両のスバル・サンバーバン
小さいけれど本格的なキャンピングカー。ロングセラーモデルを作り続けているだけあって熟成が進み、単にカタログや写真だけからはうかがい知れない実力と安心感がある。じつは、この経験に裏打ちされた"安心感"が一番大きいかもしれない。トライキャンパー…う~ん、実に素晴らしい!
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