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作者後書き

 再びレイ・キタムラです。
 これが、あの時代に起こった事件の概略です。この数十年間のすべてを書き連ねようと思ったら、何十冊あっても到底収まりきらないでしょう。今回は、この本一冊でご容赦ください。
 私が、どうして政府の秘密研究の詳細や、ベルムと呼ばれる生命体の内情を知り得たのか不思議に思う方もいるでしょう。情報ソースについては明かさないのが鉄則ですが、これについては情報提供者のOKをいただいています。その情報提供者と言うのは、今、私の目の前にいる"メグ・ブラウン博士"その人です。
 彼女は、グレート・ジョンと遭遇後、合衆国政府から事情聴取の要請を受けました。彼女は、政府に対してベルム達の秘密を明かさない道を選択し、彼女が本来受くべきすべての栄誉と報酬を捨て、レジスタンスの人々と共にドームから姿を消しました。本書に書かれたブラウン・タウンがあるマッケンジー山脈の詳細な山の名前は、私も聞いていませんし、今も明らかにされていません。
 メグ博士は、カレン・ホワイト博士の意志を次いで、ドーム外生活困窮者の救済運動の地下組織に入りました。今、とあるルートを辿って私は彼女と会えたわけですが、彼女は、この後再びレジスタンス活動に戻ります。私は、彼女がこれからどこへ行くのか知りません。
 私自身は、この危機に瀕した地球が少しでも自然を取り戻し、人類が差別や殺戮を止め、地上の生命が共存できる秩序ある世界が、再び戻ってくる事を願っています。では、また、どこかでお会いしましょう。