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1.はじめに

 社会が、間違いなくどんどん右傾化している。日本だけではない。多くの国で、愛国心が強調されだし、自国以外の国を排斥・非難する傾向が見られるようになってきた。日本と言う国において愛国心が語られる時、特に政治の場において"靖国"と言う言葉が頻繁に顔をのぞかせる。外交問題、政治家の公式参拝問題、教科書問題、憲法改正案に絡む思想と信教の自由の問題等が語られる時、常に"靖国"と言うフレーズが顔をのぞかせる。"のぞかせる"と言う表現は、ちょっと弱いかもしれない。むしろ、それらの問題の中心的な問題と言って良いかもしれない。

 靖国神社そのものは、単なる一宗教法人に過ぎない。しかし政治ないし政治家が介入した時に、それは様々な問題を内外に巻き起こす。靖国神社問題と言っても、ある特定の一つの問題が存在するわけではなく、種々の社会、政治、外交等の問題に相互に関連し影響を与えている。靖国問題とは、靖国神社に関わる問題だけを指すのではなく、日本人に特有の所謂"靖国的"な物の考え方、そこから発する様々な問題を指すのだと思う。また、靖国神社と過去の日本の戦争は、切っても切り離せない深い関係がある。これらの問題は、現代の日本に暗い影を落とし続けているのも事実である。

 このシリーズでは、靖国神社成立の過程はもちろん、靖国神社にまつわる近代の歴史も振り返り、また現在どのような政治家や人々、団体が背後で靖国問題に関わっているのか、靖国神社が戦争に果たした(もしくは果たし続けている)役割は何なのか、我々は右傾化する社会にあってどう自由で民主的な社会を守っていかなければならないのか等、多面的に考えていきたいと思う。


(2005年 7月17日記載)


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