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★ソムリエとワインエキスパートのためのワイン受験テキスト/自由が丘ワインスクール



買ったのは昨年12月なんだけど、ようやく読み終わる。ソムリエ協会のワイン受験(ソムリエ&ワインエキスパート)の教科書。
内容と言い、厚みと言い、もう、ほぼ辞書です(笑)
僕は1999年にソムリエ協会のワインエキスパートの試験に合格した、日本で538番目のワインエキスパートです。
呼称資格を既に持っているのに、なんでまたわざわざ「ワイン受験教科書」を買ったかと言うと、この約20年の間にワイン事情もけっこう変わったからです。僕自身も、ワイン本をなるべく読むようにして・・・これまでに読んだワインの本が30冊・・・「マイナーバージョンアップ」をコツコツ繰り返してきました。ですが20年以上経ったので、この際、脳内ワイン知識の「メジャーバージョンアップ」を図ることにしました。
この約20年でソムリエ協会のワイン受験内容の何が変わったかと言うと、主には次の点です。

①ヨーロッパ諸国がEUとなって法体系自体が代わり、原産地統制名称などの扱いの統廃合があり、大きく変わった。

②新興ワイン国の取り扱いが多くなった。旧ソ連圏の一旦没落してしまったワイン産地も復興を遂げつつあり(品質もあがっていることもあり)、今まで教科書に乗らなかったワイン産地の記述が大幅に増えた。

③同様に、日本のワインの水準が高まっているので、国産ワインの記述がとても増えた。一つ一つの産地の紹介も、詳しくなっている。

④ワイン以外のお酒も取り扱うようになった。ビール、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ、リキュールや中国酒、日本酒、果てはミネラルウォーターまで網羅する。
ちょうど僕が受験した年に、初めてワイン以外のお酒がブラインドテイスティングで登場した。受験生の誰もが全く予期していなかったので、慌てたと思う。僕も正解が全く分からず、スピリッツとスピリッツの特徴を書いた記憶があります(苦笑)。試験後に知ったのだが、これからのソムリエは「ワイン以外のお酒の知識も把握しておく必要がある」との事でした。ソムリエは、ワイン以外もお客様のニーズに応える努力をせねばならないのです・・・今、正にそうなりつつあります。


と言うようなところでしょうか。フランスのワインの記述が一番多いのは昔と変わらないが、全般的にとにかく暗記する事柄が大幅に増えた。ざっくり概観して、3割ぐらい変更&追加があったイメージです。そしてこの本は、教科書と言うより全ページ「暗記帳」もしくは「辞書」である。まあ20年前の教本も、ほぼ辞書でしたが(笑)。

こんなもん、一回読んだだけで暗記できるはずもなく、何十回と読み返す必要があります・・・22年前の「猛勉強」&「暗記地獄」を思い出し、蕁麻疹が出そうです・・・当時、勉強とワインのブラインドテイスティングのし過ぎ(ワイン飲みすぎ)で、本当に蕁麻疹が出ました(汗)。

ソムリエ協会の受験は、舐めてかかるとまず受かりません。カフェでまったりと珈琲を飲みながらお洒落な勉強・・・等と言うエレガントとは程遠い・・・鬼のような形相のねじりハチマキの猛勉強が必要です。
筆記の1次試験を突破したとしても、2次試験にはブラインドテイスティング実技もありますので、仕事の合間の時間確保は熾烈を極めますよ、マジで。最低1年間は真面目にコツコツ勉強して、何十本と言う様々なワインのテイスティングをしてメモを取らねばなりませんよ~。
久々に、改めて教科書を読んで、初心に返りました。

(2021年4月24日記載)