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大震災後、避難所へのボランティア体験
本年(2006年)10月に発行された"なかなか出来ない 地震への備え!"(監修:加藤碩一理学博士/発行:アドヴィク)と言う地震の防災パンフレットに、僕の書いた記事と写真6点が掲載されました。この防災パンフレットは、ASA(朝日新聞サービスアンカー)によって都内の読者に配布されると聞いています。
ここに掲載された僕の記事を掲載します。ただし、紙面のスペースの都合上、記事の一部は割愛されて短縮化されています事をご了承ください。
掲載された記事
(前文は省略される)。
私は、軽自動車に生活必需品等の物資を積んで神戸に向かいました。神戸市内の一般道は渋滞していて、神戸市内の至るところで家屋が倒壊していました。私がボランティアに参加させていただいた避難所は、須磨区にある板宿教会と言う所でした。震災で被害に遭われた数多くの方々が、避難されていました。
到着後、避難所のリーダーとして指揮を執っておられた神学生(※以下リーダーと記す)に、ボランティアとしての心構え等を聞きました(※以後、一部省略)。
私達ボランティアに求められた最も重要な点は、「避難所で生活している方々の話しを、とにかく良く聞いてください」と言う事でした。被災者のつらい心境や体験を聞くこと。こちらからの励ましの言葉は、「慎重にしないといけない」と言う事も学びました。「がんばってください」と言う言葉は親切に聞こえますが、被災者はもう十分にがんばっているのです(※以後、一部省略)。
避難所の生活は、経験の無い方には理解しづらいかもしれません(私もそうでした)。「被災地では、食料や水や生活物資が不足している」…と言った漠然としたイメージはあるかもしれません。実際の避難所生活は、想像以上にたいへんです。考えてみてください。見ず知らずの他人同士が、同一空間で長期間一緒に過ごすのです。壁もありません…ですから、当然プライバシーもないのです。
ライフライン確保も、大切な問題です。上水道が復旧しない限り、蛇口をひねっても水は出ません。飲用水の確保の問題も大切ですが、トイレの水が流れないのも避難所生活では大きな問題です。それに対処するため、早朝、トラックにドラム缶を積んで川まで行き、ポンプでドラム缶に水を汲み上げるのです。トイレのタンクの水が無くなると、そのドラム缶から水を汲み足していくのです。このような、一般の人々が知らないような数多くの書き尽くせない苦労が、避難所生活にはあります。
実際そこで生活していないと分からない、小さな知恵の数々もあります。避難所生活では、どの家庭にもタンスはありませんから、衣服の整理や洗濯物を入れておくのに、コンビニ袋が役に立っていました。こうしたちょっとした工夫や知恵は、実際の避難所生活体験の中でしか気がつきません。
(※本文、大幅に省略)…ボランティア活動に参加するにあたり、旅行でホテルに泊まるわけではないのだから、身の回りの事は全部自分で用意しかつ自分で行う…ボランティア先や被災者の方々に迷惑をかけるようだったら、本末転倒です。"どの分野"(特にどの"専門"分野)で役立てるのか、何が必要になるか、必ず確認をとってから参加する…これも、逆に相手に迷惑をかけてしまわないためです。
大地震は、いつ起こるか分かりません。各家庭での日頃の備えは、絶対必要でしょう。家庭での食料や生活必需品等物資の蓄え、地震発生時の家族間の連絡方法や避難場所等の打ち合わせ、地域社会での情報収集や情報の交換、等々。それらの備えをしておけば、地震の発生自体を防ぐ事はできませんが、地震発生後の人的混乱を最小限に防ぐ一助となるはずです。