JOLLYBOYの世界の旅
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台湾・陽明山(七星山)登山  2018年6月9日

 久々の海外の山のトレッキングです。台湾で登山です。今回は日本で使うのと同じトレッキングシューズやバックパックなどの登山用具を台湾までもっていきました。今回登る山は、陽明山。陽明山と言う大きな一つの山がある訳ではなく、複数の山から形成される山系です。陽明と言う名は、明代の学者の王陽明にちなんでいます。今回は、陽名山系の一つ七星山(標高1,120m)に登ります

 日本で色々調べて行ったのですが、現地で色々ハプニングがありました。現地で臨機応変に対応し、登山を敢行しました。今後、陽名山に登ろうと考えている方の参考になるように、交通網も含め、なるべく具体的かつ詳細に書こうと思います。何故なら、陽明山登山に関する、痒い所に手が届く分かりやすい記事が見つからなかったので…(※尚、ここに記載された情報は、2018年6月9日現在のものです)。


①「台北(TAIPEI)駅」出発編

僕は台北駅近くのホテルに泊まっていたので、台北駅起点で書きます。
日本で台北駅から「260番」のバスに乗ることは分かっていました。なので、台北到着夜に予め260番の来る停留所を調べて安心していました。しかし、それが間違いであることが当日分かります(汗)。

★ 台北駅の「×間違った停留所」編
おそらく同じ間違いをする方がいると思いますので、間違いを未然に防ぐためにこれを書いておきます。
陽明山登山の当日、台北駅の停留所で朝7時から並んでいました。場所は、ここです。分かりやすいように大きな画像にします。
台北駅の南側、新光三越の「忠孝西路一段通り」を挟んだ反対側の停留所でバスを待っていました。しかし、登山客らしき人は誰も立っていません。15分ほど待って7時に「260」のバスが来ました。フロントの電光掲示板にも「陽名山」と書いてありました。停留所で乗客が降りたので、乗り込みながら「陽明山(Yangmingshan)?」と聞いたら「ノー!」と言われてドアを閉じられてしまいました(汗)。「え~!?」。
また15分ほど待ちましたが、260のバスが来ると言う表示はありません。これ以上ここで待って時間を費やすのは危険だと思い、予定を変更して士林駅まで移動して「陽明山行き」のバスに乗ることにしました。
翌日分かったのですが(中国語が分からないので仕方ないのですが)、ここは陽明山から帰ってきたバスの下車場所だったようです。なので、
南側(新光三越)の見える側のバス停で待っていても、一生「陽名山」には行けませんので気をつけて(笑)。




初日に調べておいたこの260番は下車用の停留所(涙)

★ 台北駅の「〇正しい停留所」編
翌々日の朝のランニング時に正しい「陽明山」行きの停留所を見つけました。ここです。台北駅の北側、「市民大通」側です。



「地図がよく分からない」と言う人のために、現地の写真を載せます。



これを良く見て覚えてください。台北駅の「北2(NORTH 2)」の出口です。台北駅は大きくて、地図に色んなアルファベットと数字の組み合わせがあります、AだのBだのCだのMだのYだのZだのと、それに1だの2だの3だのと数字がくっつくので、初めて台北駅に降り立った人は、自分がどこの2番に行けば良いか分からなくなっちゃいます。おまけに「北の2番」と言われても、この周辺にはそもそも「台北」だの「(お城の)北門」だの「(出口の)北」だの「北」の文字だらけで、慣れていない日本人はかなり混乱します。
Y6出口とかY8出口とかも近いのですが、ここで余計なことを書くと分けわからなくなるので、敢えて
「台北駅の北2番出口!」だけを頭に刷り込んで、自分が降りたところが上の写真を同じなら、それで無事解決!その真ん前の停留所で「260番」のバスに乗れば、陽明山に行けます(笑)。

 
こっちは反対の南側だよ!

もし、台北駅の巨大な地下で自分がどこにいるのか分からなくなったら、そして方向音痴でどっちが北か南かよく分からないなら、一旦台北駅の外に出て、台北駅の外周をぐるりと回ってください。必ず
「北2番出口」に行きつきます。



ちなみに260番シャトルバスは、現地の標識を見ると、ピーク時は7~10分間隔、オフピーク時は10~15分間隔、週末は15~20分間隔、と週末は本数が少ない用です。以上、私が乗れなかった「台北駅出発情報」でした。


②「士林(シーリン)駅&劍潭(JIANTAN)駅」出発編

台北駅でしくじった場合に備えて、士林駅ないし劍潭駅バージョンも日本で調べておきました。いわゆるBプランです。で、台北駅で「陽明山行き」のバスに乗るのをしっかりとしくじった僕は(汗)、MRTで台北駅から士林駅に向かいました。
士林駅で降りたものの、正しいバスの乗り場なんて1ミリも分かりません。さすがに日本でググっても、そんなローカルな情報にはヒットしませんでした。バスの停留所は広い範囲のあちこちの通りに散らばっていて、表示板にはアルファベットが書いてあるだけで、どこの停留所からどこ行きのバスが出ているのか全く分からず、どこに行けば良いか分かりません。もうお手上げ状態です。駅周辺を探し回って、ようやくたった一枚の分かりやすい表示板を見つけました。その貴重な表示板がこれ!これは分かりやすい!



「D5」の停留所から「陽明山行き」「紅5」番のバスが出ています!そこに行くと、多数の登山者と思われる方々が待っていて安心しました。

 
士林駅の停留所にて

ちなみに、陽明山からの帰りは、劍潭駅で降りました。「紅5」バスは、劍潭駅が始発&終着駅のようなので、1時間確実に座って陽明山に行きたい場合は、劍潭駅から乗った方が良さそうです。

 
劍潭駅の停留所にて

以上、士林駅と劍潭駅の出発情報でした。


③陽明山駅から「108番」のバスに乗る

さて、陽明山行の「紅5番」にようやく乗れた訳ですが、次の問題に直面します。乗客は、日本のバスと同様に「なんちゃらカード」を乗車時に「ピッ!ピッ!」と装置に押し当てて乗って行くではないですか!さて、困った。日本人である僕は、「かんちゃらカード」を持っていません。きっと駅で売っているんだろうな~、知らんけど(汗)。
日本の一部のバスのように、乗った停留所でチケットを引き抜くシステムでもない。とにかく「ピッ!」としないで(できないで)、ただ無理矢理乗ってしまったので、降りる時にどうなるんだろう…と不安いっぱいっす。まあ、成り行きに任せます(ドキドキ)。
で、降りる時に英語で「ああ言うカード持ってないんですけど、いくらですか?」とドライバーに英語で聴くと、料金箱の下の表示を指さすではないですか。「15元」と書いてある。「学生は××元で、子どもは△元」とかも。15元!?1時間もバスに乗って、山の登山口まで来て、60円すか!?日本のバス会社だったら、確実に1,000円超えです。
が、悲しいかな、10元コインは何枚かあるが、5元コインがない。そう言えば、こっちに来て半端な5元単位の買い物してなかったな。仕方なし、20元を料金箱に入れる、お釣りは出ない仕組みだった(汗)。まあ、80円なら良いか。今度、買い物したらお金を崩しておこう。
料金は「15元」ですよ!
てな訳で、なんとか陽明山トレッキングの拠点
「陽明山(Yanmingshan)駅」に到着!

 

さて、僕は「七星山「に登るので、その登山口の
「小油坑(XiaoYouKeng)」まで行きます。七星山を一周ぐるりとするように外周バスが、定期的に運行しています。「108番」のバスに乗ってしまえば、外周ののどこかの停留所には辿り着けます。台北駅で分かりやすい図を見つけたので、大きな画像を下に貼っておきます。僕が今までググってGETしたどの画像よりも分かりやすいと思います。
日本で、陽明山の詳細な登山地図をダウンロードして貼り合わせて持っていったのですが、字は小さくて読めないし、停留所名書いてないし、すごく使いづらくて、こっちの図の方がよっぽど使えると思います。
ちなみにこの画像を撮影したのが登山の翌々日だったので、これが一枚あるだけで、登山すごく助かったのですが・・・
この画像、マジ当日欲しかったわ!(笑)



大勢の観光客・登山客がバスに乗ります。108番の外周バスは、山道を走るので小型のマイクロバスです。始発駅なので座れました。

 
108バスの車内

しかし、またまた困った問題が起こりました。なんで、まあ、こうも次々と…。
途中の停留所で乗客が増えて、乗客の背中で、マイクロバスの小さな電光掲示がまったく見えなくなりました。中国語の発音もまったく分かりません。次の停留所がどこなのか、不明となりました。ある停留所に近づいた時、電光掲示板に「小油坑」も文字がちらっと見えました。客が半数ぐらい降りていくので、「着いたな!」と思って慌てて僕も一緒に降りました。
なんか、僕の小油抗のイメージと違うなぁ~。バスを降りたすぐ側には、「蝶が舞っているシーズンだよ~」と言うようなことを書いてある看板があります。周囲には、たくさんの自転車のヒルクライマー達や登山客がいます。「あれ~?どこにも小油坑と言う文字がないなぁ~」と思って歩いていたら、トイレの横に
「二子坪(Erziping)」の文字が・・・僕が日本で持っていった登山地図には、停留所名書いてないんすよ…。二子坪??どこじゃ、ここ!?

 

どうやら、僕は小油坑の一つ手前で降りてしまったらしいのです。なんか今日は、行動が全て裏目に出てます(汗)。
まあ、一個手前なので隣の停留所ならば歩いてすぐ行けるだろうと高をくくり、せっかく降りたので、この二子坪周辺を散策することにしました。
ここは
大屯山(Datunshan:標高1,092m)の登山口です。大屯山も七星山と似た標高なので、この山の登山も面白そうですね。また台湾に来る機会があったら、ここの登山も良いかも。取り敢えず約1kmほど先の、大屯自然公園入口まで歩いてみました。途中に、菜公坑山登山口と言うのもあって、10名ぐらいのグループがリーダーの説明を受けていました。ここは色んな山があるので楽しそうですね。

 

さて、いつまでもここで時間を潰している訳にもいかないので、小油坑に向かいます。
歩きます。歩きます。歩きます。
あれ?いつまで経っても、小油坑に辿り着きません。でも道はこれ一本だし、間違う訳ないよね?この道、人っ子一人歩いていません。きっとバスで移動しているのでしょう、皆さん。車とバスとオートバイだけが、時折通り過ぎます。下の写真は、小油坑に向かう途中に道から撮影した雄大な光景。「徒歩でなきゃ、こんな素晴らしい光景、撮影できないぜ~!」と自分を励ましつつ、更に歩き続けます。



不安になりながらも歩くしかないので、歩きます。すると道の脇に展望スポットがあって、そこに山の説明図もありました。
それを見ると、下の写真の、頭を雲に覆われた山が七星山で、左斜め下の麓が小油坑とある・・・
ええ、マジ!?隣の停留所なのに、そんなに遠いの!?何kmあるんじゃい!?



たまたま一人の地元台湾の方と思われる若い男性がそこにいて、一眼カメラで写真を撮っていたので、持っていた地図を指し示して「この小油坑に行きたいのだけど、この道であってますか?」と言うようなことを英語で聴くと、僕の意図は察してくれてスマホで道を検索してくれました。「道はあってますよ。10分ほど歩いたら分岐点を左に行ってください」と言うようなことを英語で返してくれました。ああ、また現地の人に助けられました。こんな辺鄙な所に、誰かがいただけでも奇跡!(笑) そして、親切に感謝!

 

10分ほど歩くと分岐があったので、言われた通り分岐を左に進みます。進みます、進みます・・・そして、ようやく「小油坑」を指し示す分岐標識に辿り着きました。ほっ、一安心。その分岐を右に登り続けると、小油坑に到着!
ここが小油坑です!!煙がモクモクを立ち上り、硫黄臭が凄いです。活火山です。
しかし、まあ、ここに来ることだけで、こんなに苦労するとは思わなかった(笑)。




④陽明山登山

そして、ようやく陽明山登山です!ああ、前置きが長かった(笑)。
ここまで来てしまえば、あとは大勢いる登山客の皆さんと一緒に登るだけです。「你好」とか「Hello!」とか声をかけながら登っていきます。七星山頂上まで、1.6km歩きます。
昨日、ロードバイクを借りてサイクリングをした際、快晴だけど陽名山系の頭の方だけ、雲が被っているのが見えました。下の写真がそうです。今日も同じで、下は快晴でしたが上の方は雲で覆われていました。



昨日、自転車で50kmライドし&台北市内を徒歩で4時間散策し&先ほど大屯自然公園散策と小油坑までの移動に1時間半も余分歩いて、既にけっこう脚に来ています。脚が売れ切れないように、体と相談しながらマイペースでゆっくり登ります。



振り返ると、雲の切れ間から雄大な光景が顔をのぞかせます。



そうして、遂に
七星山(Qixingshan:標高1,120m)山頂に到着!
台北のホテルを出た時は、10時には山頂に到着している予定だったのですが、台北駅で30分も無駄に費やしてから士林に移動し、大屯自然公園と小油坑までの移動で1時間半費やし、計2時間以上時間を浪費したので、山頂到着時刻はお昼を回ってしまいました。

山頂は登山客でかなり賑やか。スポーツジム仲間と思われるご一行様が、ハイテンションで山頂標にしがみついたり、ヨガとかの色んなポーズをしたりして写真を撮っていました。筋肉ムキムキの男性やスレンダーな女性たちが、登山とは思えない露出の多いボディコンシャスなスポーツジムの衣装で撮影大会~。他の登山客は、笑いながらも(半数は苦笑w)、賑やかな撮影大会終わるのをひたすらじっと待って、自分の撮影の順番待ち(笑)。まあ、日本の山では一度も見たことのない光景ですな(笑)。

 

一休みした後は、下山です。小油坑には戻らず、当初日本で立てた予定通り、冷水坑に降ります。小油坑より遠くて2.2kmの道のりです。まずは、近くの七星山東峰を目指します。途中、分岐があるので、間違いなく「七星山東峰・冷水坑」方面に向かいます。
七星山の東峰に到着したら、あとはひたすら冷水坑を目指します。

 

途中、展望台(観景台)がありましたが、ガスっていて周囲がまったく見えないので、展望台は迷わずパス!
近くに夢幻湖もありますが、もう脚が残っていないのでそこもパス!
てな感じでひたすら進んでいるうちに、下方に冷水坑のビジターセンターが見えてきました。

 

あとは、一気に下ってゴール!下写真右が下山口で、冷水坑から登る場合はここが登山口になります。

 

冷水坑ビジターセンターのレストランでランチをいただきました。鶏肉の入ったチャイナヌードルとコーラ。やはり観光地料金で、価格は高め。昨夜の台北市内ではボリュームたっぷりの火鍋ですら139元で食べられたのに、ここのヌードルは200元です。観光地はいずこも同じで高い。バス用に5元コインが必要なので、店員さんに頼んで細かいお釣りをいただきました。
ちなみに、麺は素麺みたいな麺で、味も今一つでした(汗)。日本のラーメンの実力の高さを知る。次回来る機会があれば、台北市内のコンビニでおにぎり買って登山に持っていこう~、っと。

 

さて、後は帰るだけなのですが、今日は朝からバッドラック、と言うかヒューマンエラー続き、そうは簡単に行かないのです(笑)。
バス停留所で「108番」乗り場であることを確認し、列に並びました。「小15番」も出ていますが、こちらは別方面のルートへ行くバスなので要注意。



さて、「108」のバスがやってきました。一安心。ところが、これだけの観光客がいるのに、ドライバーは我々の方を一瞥するとスーッと通り過ぎてしまいました。「えぇ~!?」と言う心の叫びは、本日何度目でしょうか?
頭上を見ても、特に「108番乗り場」とか「小15番乗り場」とかの区分け表示はありません。どういう事??
がっかりしてふと頭を下げると、ある事に気がつきました。地面に何か書いてあるのが、皆様の足の隙間から見えます。人がたくさん立っていたので気がつきませんでしたが、
そこにバスの番号が書いてあるではないですか!そんなん分かるかい!!(爆)

 

そう、僕は「小15」バスの列に並んでいたのです。その時は、「108」に並ぶ人が一人もいなかったので、バスは通り過ぎて行ってしまったのでした。意外と、良く分かってなくて、僕同様にこれにやられた登山客も多いようです。
改めて「108」バスの列に並び(他、数人も一緒に並ぶ)、15分ほど待つと、「108」バスが来たので乗りました。
このバスが満席で、立ったまま乗車。このバスのドライバーが、
「ドリフト族かい!」と言うくらいに飛ばす人。曲がりくねった山道を、車体を大きく傾けながら右に左にぶっ飛ばしていきます。立っている乗客も自分の体を支えるので精いっぱい。時々、乗客から「うおぉ~」と言う声が漏れます。行きの108バスは普通だったのに、ドライバーによってこうも違うのか。車に酔いやすい人は、確実にアウトですな(汗)。

そうこうして、無事に(?)陽明山駅に到着。あとは、普通にバスに乗って帰れば良いので列に並びます。
「士林駅」や「劍潭駅」に行くなら「紅5」番バスに。「台北駅」に行くなら「260」番バスに。朝、台北駅で乗れなかった「260」のバスが次々に来ていました(笑)。僕は、その後「故宮博物館」に行くので、「紅5」のバスに乗りました。
ちなみに、前日の
50kmライド4時間の市内散策、この陽明山登山+そしてこの後の故宮博物館見物+夜の士林夜市歩きで、完全に脚を使い切りました。両足の裏に豆ができて、かつ翌日筋肉痛となりました(笑)。まあ、翌日もいっぱい歩きましたけど(爆)。

  

これだけエラーが続いた旅も、僕の中ではかなり珍しいです。日頃は、あまり旅で失敗しない人間です。
やっぱ、言葉も通じず、情報も限られた海外のメイン観光地でない場所の単独行はむずいすね!ですが、逆に今度行ったら、二度と同じ失敗をしない自信に僕は満ち溢れています!(笑)
おそらくこれを読んだ人は、同じ失敗をしないでしょう。失敗から学ぶこと多し。
これから、陽明山登山を計画する人の参考になれば幸いです!それでは、良い旅と登山を!Von Voyage!