クリスチャンのための哲学講座
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(哲学番外編:簡単な感想のみ)
19.人生の短さについて/セネカ
この本を読んだのは10年も前ですが、今、ようやく感想を書きます。
紀元1~2世紀のローマは、多くのストア主義者を生んだ。このページで取り上げる政治家のセネカや、哲人皇帝のマルクス・アウレーリウスもそうである。彼らは、ストア哲学を人生の苦境を乗り切る学問と考えている。
セネカの父は富裕な騎士階層のローマ市民で、彼は息子セネカに修辞学と哲学を学ばせた。セネカは、教師やストア派学者に影響を受け、菜食主義などの禁欲生活を送ったりもした。
30歳の時に元老院入りするが、ガイウス帝(※狂帝カリグラ)が即位すると、その才により逆に逆鱗に触れて処刑されそうになる。
次のクラウデイゥス帝の時には、陰謀によりコルシカ島に追放される。激動の人生だね。
赦免によって呼び戻されたセネカは、今度は12歳のネロの教育に当たることとなった。ようやくセネカの絶頂期となった・・・ように思えたが・・・ネロは徐々に自尊心を強めていき、皆が歴史で知るようなあの犯罪的な傾向を帯びてきた。途中はばっさり省くが、皇帝ネロへの周囲の反逆が失敗に終わった時、セネカも加担した嫌疑がかけられ、ネロの命令によって自殺を遂げる。セネカの最期は、明らかに400年前に活きたソクラテスの壮絶な最期を意識していた。抵抗することなく、最期を迎えた。ソクラテスの生き方は、古代の思想家が目指した人生の生き方だったのだろう。
この本には、3作が収められている。
最初の「人生の短さについて」だが、人の一生は短く走り去ってしまうけど、ちゃんと良く使えば長いよ、と言うこと。多くの人は、無駄な事にせっせと時間を費やして、時間を浪費している。良い生活ができるようにと多忙を極めるが、逆に生活を失っている。人生を、もっとより良き偉大なもに使いなさい。
次の「心の平静について」は、友人に宛てた手紙の形式で、心の平静を保つ方法について、あれこれ書いている。
3つ目の「幸福な人生について」は、自然に従う生活が良いよ~、と言うこと。幸福な人生は、元老院の多数決の判決でもあるかのように、人気のある方が良いと言う訳ではない。高価な舶来品のコートを着ることでは、幸福の所有者になることはない。人間の評価よりももっと立派な眼光があり、真と偽を区別することができる・・・云々。単に外見だけの善でなく、隠れた部分ほど美しくある善を求めよう・・・と言うようなこと。ただし、後半最後の文章は欠落している。
この本の感想を10年間も書かなかったのは、正直言ってほとんど何の感銘も受けなかったからです。何か当たり前のことを大仰にだらだら書いているだけで、大したこと言ってないし、「ああ、そうですか・・・」と言う感じ。すみません、これが本音ですm(__)m。
(2021年4月26日記載)
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