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危険な世の中・サバイバル入門

4.海外旅行でのサバイバル術 (2001年 8月26日記載)

 日本人も、20世紀後半から海外へ出かける機会が多くなった。余暇の海外旅行から、仕事の海外赴任や、海外秘境冒険まで色々。このページですべてを網羅することは無理なので、ごく一般的な個人の海外旅行での安全について考える。

1.出発までに準備すること

・渡航先の選択と情報収集…旅行先の事情を知っておくのは、たいへん重要。テレビの紀行番組や雑誌の特集などを見て、気軽にどこの国へでも行けるように勘違いしてしまう。しかし、一般の旅行者が行かないような国を渡航先に選択する場合は要注意。テレビの冒険番組などでは、タレントが危険な地域や秘境に行ったりするが、それは専門のスタッフ、コーディネーターなどを雇っているし、当然人員や設備にもお金をかけている。個人でそういう地域を回れるとは思わないほうが良いでしょう。余程旅慣れている人でもかなりな危険を伴うので、冒険家ではない一般の人はそういう地域は避けましょう。
 では、旅行パンフレットに載っているような地域だったら安全かというと、決してそうも言えません。昨日まで安全な観光地だったと思っていたら、突然マシンガンの乱射で多数の死者を出したりと、地域情勢は刻々と変わっていき流動的です。民族主義による地域紛争が増加している今、ゲリラによるテロや誘拐、内戦などに突如巻き込まれる可能性が増えています。旅行先の情報は、渡航間近まで収集することはとても大切です。調べるものは、①治安状況(最近の犯罪傾向など)、②経済状況、③社会情勢などです(気候や病気や飲食物については、当然知っておくべき基本的な事柄です)。

・用意しておくもの…①クレジットカードはVISA、マスターなど、世界的なものを複数用意する。②なるべくキャッシュレス化、現金は少なめに。トラベラーズ・チェックを受け取らない地域もあるので、事前に調べておく。③薬品は必要十分なものを(トラブルを避けるのに英文表示付きの物を)。④海外旅行障害保険には必ず加入する。慣れない海外なので、アシスタント・サービスの付加されているものが良い。⑤緊急連絡先リストを作っておく(日本語の分かる医者や警察、観光局、在外公館など)。⑤パスポート、クレジットカード、航空券の番号を控えておく。予備の写真も3枚ほど用意。⑥預けたカバンが紛失しても旅を続けられるよう、必要最小限のものを手荷物に入れておく。⑦ホールドアップ強盗対策にダミー財布を持っていると安心(中に小額の適当な紙幣と使用済みの各種プリペイドカード、領収証などを入れておくとリアリティが増す)。被害が最小限で抑えられる。⑧ビザの確認をする。自分の目的とビザの種類が違うと、入国時トラブルの元になる。⑨特殊な例だが、対立関係にある国を訪問したことのあるパスポートでは、入国を拒否されることがあるので事前に調べておく。

2.現地での安全確保

・空港で…航空機の出発の時間は、「充分」に確認する。チェックインは、予期せぬトラブルに備えて早めに。空港の待合ロビーは、置き引きが多いので注意を怠らないこと(グループで組んでいて巧妙にあなたの注意を逸らして、荷物を持っていく場合もあるので要注意)。現地の空港で出迎えのサービスがあるかどうかは、事前に確認しておく。僕も経験があるのだが、国際空港の出口でいきなり女性に"花のレイ"を首にかけられ、お迎えのサービスかと思ったら、高額の代金をふっかけられたということがあった(もちろん無理矢理返した)。気をつけよう。

・ホテルで…ホテルの選択は、危険地帯や夜間の繁華街から離れた所を選ぶ。ホテル近くには、旅行者を狙った犯罪者が集まりやすいので、細心の注意を。荷物は、ポーターに任せきりにしない。ホテルにチェックインしたら、非常口を確かめる。ドアチェーンは、必ずかける。ホテル内だからと言って、安全とは限らないのだ。必ず窓側も施錠する。そして面識のない人は、絶対部屋に入れない。信用のあるホテルなら、貴重品を封をしてセーフティー・デポジットに預ける(ホテルによっては、出発まで鍵は自分で保管する)。あと意外と大事なのが、部屋番号を人前で絶対にしゃべらない。深夜一人でエレベーターに乗るのも避けたい。ホテル火災に備えて…①ホテルのパンフに目を通しておく。②非常口のチェック。③非常ベルを軽視しない。④非常階段は、両方から開くか確認。⑤窓が開放可能か確認(しかし火災時に窓を破ると、かえって煙を引き込むこともあるので注意)。実際に火災が起こったら…①パニック状態にならない。冷静に状況の把握につとめる(ドアが熱かったら部屋から出るのは危ない、など)。②エアコン、ファンをとめる。③脱出にエレベーターを使わない。④浴槽に水をため、タオルや毛布を水にしたし脱出に備える。

・市街地、観光地にて…海外で最も気をつけたいのが、強盗や盗難。気をつけねばならないことは山ほどあるので、項目ごとにまとめてみた。
服装について…派手な服装は避ける。高価なアクセサリーも同様に避ける。貧しい地域や、ホームレスの多い地域で、いきなりバスから高価で派手な服を着た旅行者がぞろぞろ降りてきたら、みんなどう思うだろうか?僕も海外で何度も経験したのだが、日本人旅行者は正にこの典型なのである。せっかくの海外旅行でおしゃれをしたいのは分かるが、ホテルやレストランで着るなど、TPO(時・場所・目的)を考えておしゃれを楽しみましょう。
場所などについて…繁華街や観光地では、スリ・置き引き・引ったくりに注意(グループで行動している場合もあるので注意)。一人で人ごみに入ってはいけない。繁華街の裏通りには危険地帯が多いので、行かない。歩道は、なるべく真中を歩く。車道側はひったくり、逆側は路地に引き込まれる危険がある。公衆トイレは少ないので、安全性の高いホテルや空港のトイレを利用するよう心がける。
行動について…荷物の管理は、自分の注意の及ぶ範囲で。荷物のタッグは、遠くから名前が読めないように表面にカバーのあるものを選ぶ。財布は尻ポケットに入れず、内ポケットに入れる。路上での強盗に備え、ダミー財布、もしくは小額紙幣も用意しておこう。生活習慣の違いがあるので、宗教的・政治的な言動はしない。特に現地人の議論やトラブルには巻き込まれないこと。言葉に関して言えば、現地での緊急の言葉を覚えておく(「助けて」「警察を呼んで」など)。観光地での写真撮影、特に人物撮影では注意を。こちらは何気ないスナップのつもりでも、貧しい国などでは反感を買うこともある。動物園の動物を撮影するのとは分けが違うのだ、彼らのプライドを傷つけることとなる。こちらは観光でも、相手は日常の生活の1シーンなのだ…ということを忘れずに。相手の立場を考えよう。あと常識の範囲内のことですが、日本でもしないような無礼なことを外国でもしないように。
タクシーの使用…
タクシーは所定の場所で乗る。乗合タクシーも避ける。白タクには乗らない(国によってはドライバーと強盗が組んでいて、タクシーのドアが開いたとたんに強盗に襲われることもある)。メーターの読み取れないタクシーも避ける。その国の大体のタクシー料金を把握しておく。高額の料金をふっかけてくることがある。私の経験だが、タクシークーポンなどを使う場合も注意。国に寄っては日本人観光客がなめられていて、タクシークーポン券に上乗せして丸々料金を請求してきた。こちらが現地の言葉が話せないのいいことに、ふっかけてくる。私は払わないで押し切ったが、交渉は疲れる…。
自分で車を運転する時…国際免許を取る(しかし、国際免許が通用しない国もあるので注意)。開発途上国などでは、道路事情が悪く、交通規制も守られていない場合があるので、基本的に車の運転は避けた方が良い。保険には必ず入る(しかしすべての保険に入っても、賠償には足りないのが現状。その意味でも運転は避けたい)。良質の道路地図を入手し、道路の概況を理解する。駐車時には、必ず鍵をかける。車に乗る前に、車内の確認(強盗など)をする。車に乗ったら、必ず鍵をかける。運転中は所持品は、外から見えないところに置く(信号待ちなどで危険)。駐車時も同様に、荷物を外から見えないところに置く。アメリカなどでは、広い駐車場での強盗などもあるので、店の入り口に近く明るい場所に駐車する。僕もL.A.で運転した時、ホテルの人にそう注意を受けて気をつけた。
強盗などに巻き込まれたら…危険地帯に近づかないことが寛容だが、そのような事態に遭遇したら生命第一を考えて行動。強盗には抵抗しない(生死に関わる)。盗難や紛失に遭ったら、必ず警察に届け証明書をもらう。これがないと、旅券の再発行や保険の請求ができない。旅券を盗難・紛失したら、日本大使館、領事館に再発行の申請をする。

 海外での安全についてはすべてを網羅することはできないが、基本は「日本とは文化も宗教も生活習慣も違うことをわきまえること。」、「日本でもしないことを海外でしないこと」、「常に頭のどこかで危険に対するセンサーを働かせておくこと(注意を怠らないこと)」、「最悪の状況への対処の心構えを持っておくこと」であると思う。



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