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2.外出時のサバイバル術 (2001年6月25日記載)
前回は、在宅時のサバイバル術ということを取り上げたが、今回は外出時のサバイバル術。外出と一口に言っても、通勤から、買い物、レジャーまで、範囲が広い。主に、私たちの日常に関わるものを中心に考えてみたい。
1.移動時の安全確保
会社や学校に通うには、何らかの移動手段が必要である。通常は、電車、バス、車が主流だと思う。(車については別の機会に取り上げるので)今回は、電車での移動時における注意点について考えてみたい。
車内暴力への対応…電車では、老若男女を問わず様々な人が乗る。中には、公共の場というのをわきまえない人々もいる。その比率は、確実に以前より増えている。私も、車内で携帯電話を平気で使う人、椅子を2人分取る人、禁煙場所でタバコを吸う人、喧嘩をする人など、何かしらほぼ毎日ホームや車内で見ている。今から十年ほど前、赤ちゃんを連れたお母さんの横で、平気でタバコを吸う6人の高校生がいて、見かねて注意したことがある。その時は、彼らは取りあえず僕の注意に聞き従った。しかし、今同じような状況を見たら、とても怖くて注意できない。現在、警察でもそういう少年に対しては注意するのではなく、警察に連絡するように指示しているようだ。たかが注意に対して、刺される恐れもあるからだ。実際、地下鉄の車内で「足を踏んだの踏まないの…」で、少年たちに殺されてしまった会社員の事件は記憶に新しい。警察は、鉄道各社に対してホームへの警備員の増員などを指示し、警察自らのパトロールも強化している。しかし、実際私たちが車内暴力に出会ってしまったらどうすべきか。まず予防対策であるが、車内で問題を起こす人は初めからそういう空気を周囲に振りまいている。出来るだけ、そういう人のいる車両を避けたい。わざとウォークマンのボリュームを上げていたり、満員で体がちょっと当っただけで舌打ちする人…など、機会があったら何か因縁を吹っかけてやろうという意志が見え見えの人がいる(そういう人は、日常に不満があるのか、イザコザをわざと自分から起こしている節さえある)。あと、明らかに自分たちは悪いんだぞ、とオーラを発散させている人(複数だと尚悪い)。入り口近くに座り込み、大声をだしてみたり、タバコを吸ったり唾を吐いたり、注意できるものなら注意してみろと挑戦しているタイプ。これは、無視しなければならない。諭して、更正させられる…などと思ってもみないように。徒労で終わるだけならまだしも、注意したあなたはボコボコにされる可能性大。彼らは、周りにいる大人の脆弱さを示したいし、仲間には強い所を見せたい…暴走族の車内版と思って良い。何とかしたいと思うのなら、車掌・駅員・警察に速やかに知らせるべき。
実際、ボコボコにされた人を見たらどうしましょうか。あなたが武道の達人ならともかく、腕に自身がないのなら止められないでしょう。しかし、その後の適正な処置は速やかに実行できるはずです。この時、「誰か助けてください。誰か手伝ってください。」では駄目です。実は、周囲の人も何とかしたいと思っているはずですが、どう動いてよいか分からないのです。だから、「そこのあなた、すぐ車掌さんに連絡してください。」、「そこのあなたは○○して下さい。」と、具体的な人と内容を指示するべきです。また余裕があれば、暴行者の特徴や服装、立ち去った方向なども記録しておいた方が良いでしょう(記憶はあいまいになる)。ではあなた自身が、ボコボコにされそうだったらどうするか。これは、「僕だったらこうする」と言うことは、ちょっとここでは言えない。普段からそういう状況への心構えや準備が出来ているのならともかく、徒手空拳ではどうしようもない(しかしナイフなどを持ち歩くことはやめるべきだ。銃刀法に触れるだけでなく、自己防衛とは言えナイフでの反撃はまず正当防衛とは認められない。ここが平和ボケ国家であることを忘れずに)。たぶん、相手がチンピラだったりしたら、車内の乗客のほとんどは遠巻きに見るだけで救いの手は差し伸べてくれない。こんな最悪の状況下でも、あなたにもできることが一つある。必殺「亀」の防御体勢である。膝をお腹の下にしてうつ伏せになって丸まり、手を首の後ろに組んで首を守り、頭を二本の腕の間に挟み、顔をなるべく体の内側に入れる。お腹(内臓)や首(脊髄)や顔を守るのである。まあ、これは最終的な方法なので、最も賢いやり方は嗅覚を鋭くして危険を察知して、初めから危険な人に近づかないことである。
痴漢への対応…もう一つだけ取り上げたいのが、痴漢への対応である。"対応"と言っても二つの意味があって、「痴漢されないこと」と「痴漢に間違われないこと」である。痴漢を避けるのに一番良いのは、満員電車を避けることだが、どうしてもその時刻帯に乗らなくてはならなくて、痴漢にあってしまったら、翌日は車両や時刻を少しずらす。それでもしつこい痴漢で常習性があり、あなたに付きまとうようなら、鉄道会社(※鉄道警察隊などもいる)や警察に相談。後日、捜査員複数が隠しカメラなどを持ち、痴漢の現場を確認できたら現行犯で逮捕となる。現在の検察は、痴漢に対して厳しい処罰で臨んでいる。もう片方の「痴漢に間違われないこと」であるが、やはり満員電車を避けるのがベスト。そうもいかないのなら、女性の後ろになってしまった場合には普段から両手の位置などに気を配り、痴漢でないことをさり気無くアピールしておいた方が良い。万が一、無実ながら痴漢に間違えられてしまった場合、残念ながらその後はとても悲惨である。現場では「痴漢」は、被害者である女性の主張を基に「容疑者=痴漢」という前提で捜査される。痴漢がなされたかどうかは、その被害者の主観に頼られてしまう。警官にも乗客にも、「女性=か弱き被害者」に味方する行為が、正義であるという心理も大いに働くという。容疑を認めないと署から出してもらえないので、会社の仕事の滞りのことなどが気になり、実際はしていないのに痴漢を認めてしまうケースもあると言う。かつて痴漢だと認めることを拒否し、長い裁判での戦いを選んだ例もある。家族にさえ痴漢と思われ、会社にも痴漢だと知れ渡り、孤立無援の戦いで、自己の尊厳と人生をかけたとても長く辛い道のりだったと言う。この例は、無罪だから報われたものの、すべてが無罪になるわけではない。やはり最善策は、痴漢と間違われないための予防策を日頃から、きちんとすることである。
2.繁華街での安全確保
会社の帰りに飲みに行く繁華街や、また主婦が買い物に行ったりする駅前の賑やかな商店街等での注意点を考えてみたい。
繁華街での安全の確保…さて、社会人であれば、同僚や顧客と繁華街へ飲みに行く機会も多いだろう。そこで危険な目に遭わないためには…と言うことを述べる前に、大事なアドバイスをしておきたい。あなたが性風俗業にはまっていたり、通ったりしているのなら、これから述べるサバイバル術はあまり役に立たない。たいていの場合、強い性衝動は適正な判断を失わせ、様々な悲惨な結果をもたらす。暴力団と結びついた悪質な業者は、あなたが社会的立場を重視したり、家族への配慮、そして暴力団自体への恐れから警察へ届け出ないことを知っていて、確信犯的に犯罪を行う。頭のいいはずの大企業エリート経営者が、美人局(つつもたせ)紛いの罠にころっと引っかかり、総会屋の手に莫大な富を献上することとなるのだ。人の本能の中では性衝動はかなり強く、普段は冷静な判断のできる人がいとも簡単に罠に落ちてしまう。過去の事例は多すぎるので、ここでは具体的な事例は取り上げない。自分の性に関する弱さをちゃんと把握しておかないと、取り返しのつかいないことになると肝銘じよう。性に関する犯罪に巻き込まれると、あなたの人生を滅茶苦茶にしかねない。性風俗ではないが、最近流行りの携帯電話やインターネットの出会い系サイトや、テレクラも要注意。声や文章でしか知らない素性の知れない相手の所へノコノコ出て行くのは、とても危険な行為だ。これも過去の事例に暇が無いが、一つだけ例を挙げよう。ある女性が、メールでとても人の良さそうな文章を書く男性と会うこととした。待ち合わせの場にその男性がワゴンがやってきて乗り込んだが、後ろの席には複数のチンピラ達が隠れていた。女性がその後どんな目にあったか、ここで書くのさえはばかられる。他にも金品目当てのメル共に刺される例など、ニュースでお聞きになっている通りである。まだ見ぬ異性に会いたいという気持ちは、痛いほどよく分かる。しかし理性で考えれば、それが危険と表裏一体であることが分かるはずだ。
次に、居酒屋などへ行く例を見てみる。ぼったくりバーの事はご存知の方も多いと思うが、念のため記しておく。仲間とほろ酔い気分で繁華街をうろついていると、男が近づいてきて「5000円で飲み放題の所があるので案内しますよ!」と近寄ってきて、その店へ誘う(店に雇われた桜の若い女の子の例もある…「いい店があるんだけど、飲みに行かない?」等)。男は、店の入り口で彼らからお金を受け取って、また通りへ消えていく。そしていざ飲み終わってみると、全額で10万円も請求されたりする。お客が、「店の男に5000円の約束ですでに払った」と言うと、店から怖いお兄さんが出てきて「そんな男はうちでは雇ってねえよ、そいつをここに連れてきてみろよ!」と、すごんでくる。で、結局払う羽目になるのだ。一人の場合など、酩酊するまで飲まされて(時には睡眠薬を混ぜられて)財布から全額抜かれて、あなた自身がゴミ捨て場のゴミの中で朝を迎えることもあるので要注意。ぼったくり行為は東京では規制が厳しくなって、そういう悪質バーは地方へ移動したり、2~3万円を請求するプチぼったり化する傾向がある。これらを避けるには、日頃から馴染みの店を何件か持っておくのがベスト。料金のことを把握したり、店の人と顔見知りになっておけば安心して飲めるし、お客さんを連れて行っても恥をかかないで済む。よく酒場で喧嘩に巻き込まれることがあるが、日頃から店の雰囲気や客層を見ておけば、そういうつまらないトラブルも避けられる。繁華街でのトラブルは他にも色々あるが、お酒を飲み過ぎたりすると冷静な判断が失われるので、飲む前にその夜の予定を立てておくことと、飲みすぎないことをお薦めする。
強盗や通り魔への対処…最近は、安全と言える場所がない。小学校ですら危ない世の中。通り魔殺傷事件も強盗も異常に多い(私の子供の頃は、銀行強盗や通り魔事件が起こると一週間はそのニュースで持ちきりだったが、今は毎日のように通り魔事件や強盗が起き、どの事件がどの犯人だったか混乱するほどである)。少年達のひったくりも、日常茶飯事となってしまった。主婦も完全武装して(これは冗談ではない)、駅前の商店街やスーパーへ買い物に行かねばならないような時代なのである。まず予防対策だが、バイクのひったくりを避けるために、自転車の前カゴには防護カバーを付ける。いざと言う時に機敏に動けるように、ハイヒールなどを避けて運動靴を履き、動きやすい衣服を着る。繁華街や商店街の交番の位置を把握しておく。デパートなどでは、非常口・階段を確認しておく。不必要な多額の現金を、持ち歩いたりしない…等々。
さて、実際に銀行やコンビニで強盗場面に出くわしてしまったら…。相手は、刃物や拳銃など何らかの凶器を持っているだろうから、逆らわずに強盗の仕事をさせる(相手は興奮状態にあるので下手に刺激せず、さっさと仕事を終わらせる。説得しようとか、説教しようとかは考えない)。犯人が去った後、速やかに店の人、警察に知らせる。犯人の服装、特徴や逃げた方向など、メモを取っておくとよい(記憶はあいまいになる)。
通り魔に遭遇してしまった場合。最近の駅構内に車ごと突っ込んでからの殺傷事件や、人通りの多い大通りでの殺傷事件等…わざと目立つ場所での犯行は、確信犯的に不特定多数を狙った犯行が多い。通り魔は、自暴自棄になっていたり、ドラッグなどでまともな精神状態にない場合が多いので、逃げるが勝ち(ここで動きやすい靴や服装が物を言う)。周囲に人がいなければ、「火事だぁ!」と大声で叫ぶ(「強盗だ!」では、たいていビビって誰も建物から出てこないので、「火事だ」の方が出てくる確率が高くなると言う)。最後の手段は、体を張った必死の抵抗だが、防犯スプレーでも持っていれば良いがそういう主婦はなかなかいないと思うので、一度は女性のための防御法などを習うことをお薦めする。
実は、僕はまだ20歳そこそこの頃に、とある駅の繁華街近くの夜の路上でチンピラに絡まれたことがある(しかもこの馬鹿チンピラは、後ろに5~6人の中学生らしき子供をひき連れていて正に猿山の大将)。奴はお金を巻き上げたかったらしいが、僕が支払いを拒否したので、こぶしで顔面をボコボコに殴ってきた。僕の目の上はスッパリと切れ、信じられないほどの血が噴出。たまたま、バイクに跨っていたのでその場から脱出できたが、駆け込もうと思った近くの交番は留守…。パトロール中で、本署の電話番号の看板のみがドアにぶら下がっていた(警察は犯行が正に行われている場所には当然絶対いないので…当てにならない。サバイバルの基本は自分の適正な判断と速やかな実行である)。流血でシャツとズボンを真っ赤にしながら長い距離を走って(隣を走る車の人たちは、凄く驚いていた)、なんとか帰宅し、その後病院へ。目の上を二針縫って、その後一ヶ月間試合後のボクサーのように腫れ上がった(実はそれをきっかけに、僕はサバイバル術を勉強し非常にサバイバル術に詳しくなったのだが)。あれから17年も経ったのに、目の上の縫い傷は今なお微かに残っている。それを鏡で見るたび、「日常の生活域は皆が思っているより危険だよ」と、言いたいと思っている。そして、「日頃から対処の心構えを持っておいた方が良いよ」と。世の中のすべての危険な状況を網羅することは誰にも不可能、いつ・どこでも過去には思いもしなかった犯罪や災害が起こり得る。昨日までは安全だと思っていた場所が、大量殺人現場になりうる嫌な世の中。しかし、わずかでも心構えと準備があれば、その災厄から逃れうる確率はとても高くなるのだ。
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