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1.在宅時のサバイバル術 (2001年4月16日記載)
今から十年以上前から-私自身が危険な目にあったため興味を持ったのだが-サバイバル関連の書籍を読んでいて、平素の準備も怠りなくしている(つもりである)。平和ボケしていた当時の日本では、私のような人間はちょっと珍しい部類だったようだ。仕事用のカバンの中には、コンパクトにサバイバルグッヅが収納され、家にも災害用グッズや飲料水等が常備されている。事実、その件に関しては、話の合う人間は周りにまったくいなかった。しかし、今や外国旅行はもちろんのこと、街を歩くだけでも刺されたりする。そう、ただ家にいるだけでも命が危ない。昔は珍しかった銀行強盗などは、コンビニ強盗なども含めて、今や日常茶飯事。
今や水も安全もただではないと、しっかりと認識しよう。今回は、在宅時の防衛術を、具体的な例を交えながら学んでみよう。
1.ピッキング強盗への対処
昔風の言い方をすれば、空き巣や泥棒ということになるが、現代のピッキング強盗は犯行内容は似ていても、その質がまったく違う。彼らは、犯罪のプロであり、集団で行動する。背後には暴力団などがいる言われているが、彼らは指示するだけで、犯行を実際に行うのはピッキング強盗のプロである。彼らは、仕事を遂行するためには、暴力も厭わない。障害の排除とあらば、ナイフも容赦なく使う。では、どう対処すればよいか。
対処1:鍵を見直そう。日本の家屋のドアの多くが、ピッキングしやすい鍵を使用している。鍵の専門店や、ホームセンターで相談しよう。そういったところでは、ピッキング用の防犯グッズの相談にのってくれるところも多い。
対処2:ピッキング強盗団は、必ず下見や準備を行い、留守の時間などを調べている。家の周りに不審な人物がいないか、チェックしよう。日頃から、近所と付き合いをよくしておくことは予防に役立つ。
対処3:ピッキング強盗団は、家に侵入する前に必ず電話を入れたり、呼び鈴を押したりして留守かどうかを確かめる。不審な電話が続くようなら用心しよう。
対処4:たまたま電話や呼び鈴に出るのを面倒くさがって、強盗団が留守と勘違いし、家の中でばったり鉢合わせしてしまった場合は、抵抗しないで相手の仕事をさせる-相手は複数なのだ。あなたを威嚇して萎縮させておくため、ほぼ間違いなく暴力を振るだろうが、命を取られるよりましと諦める。相手はプロだ。泣き落としや、説教が通じると思ってはいけない。
2.悪徳訪問販売への対処
ピッキング強盗団より、日常出会う確率の多いのが、訪問セールス。しかし、良心的なセールスマンばかりとは限らない。過去様々な、詐欺的販売が横行している。懐かしい所では、消火器販売。いかにも消防署員らしきコスプレに身を包み、「消防署の方から来ました。」と言って消火器を、定価の何倍もの値で売っていく。彼らは「消防署から来た」とは言わず、「消防署のある方角から来た」と言っているに過ぎないという方便を使って、詐欺罪を免れようとしたのは有名な話。詐欺的な商法は、次々から次へと手を変え品を変え、新たな方法が生み出されていく。十年以上前に教習所で同席した男が、自分でマンホールのふたをハンマーで割っておいて、一枚2,3千円のマンホールのふたを5万円で売る商売をしている・・・と聞かされた時は、唖然とした。主婦に「浄化槽の中で、今ガンダム現象が起こってますね。すぐに新しいマンホールのふたが必要です」とまったく意味のないことを言って、主婦にふたを買わせる・・・という手法らしい。詐欺的商法は、具体例と各対処策をあげるときりが無いので、対処の心構えについてだけ述べる。
対処1:顔見知りの宅急便や集金人等でない限り、絶対ドアを開けない。セールスマンもたいへんだろうな、等と言う情け心をいだいたらもうあなたの負けである。そもそも電話でアポイントメント(面会の約束のこと)も取らないで、会っていただこうというのが甘いのだ。しかし、セールスマンもあの手この手で、ドアを開かせようとする。いい例が「あの、ドアの前にお金落ちているんですけど(注:期待してドアを開けると、たいてい10円。確かにお金ではある)」。他にも色々な手を使ってくるので、常識で考えて変だと思ったら怪しむように。
対処2:もし間違ってドアを開けてしまった場合。いらないものだったら、必ずキッパリ断わるように。強面のヤクザ風のお兄さんだったりすると、主婦だと怖くてつい契約してしまい、何十万もローンで払ったりする羽目になる。あとでクーリング・オフの制度を利用して、返品しようなどと甘いことを考えていると、その後別のトラブル(返品した商品に難癖をつけられたりする)に巻き込まれたりするので、いらないものはいらないと、その場でキッパリと断わる勇気を持とう。それができないなら、ドアを開けないように。
対処3:電話セールスも同様である。いらない物は、いらないとキッパリ断わる。例えば「けっこうです」「いいです」はトラブルのもと。「おまえ、さっき結構だって言っただろ!結構っていうのはな、辞典調べてみい、たいへん良いですって意味なんだよ!もう契約書作っちまったよ、どうしてくれるんだよ!」とか「いいですって言うのは、良いものですって言う意味だろうが。日本語の意味も分からんのか!無駄な時間取らせやがって!」と、子供じみた言いがかりで、怒鳴ってくる。だからキッパリと「いりません。」と言って、電話を切ろう。悪どい相手になると、電話の会話を録音していることも考えられるのだ。電話セールスも、訪問販売と同じで、次々と手を変えてくる。「おめでとうございます、あなたは○○に当選しました。」「あなた様だけの特典です。」「先日あなたの元へ○○をお送りしましたが、届いていませんでしょうか(注:初めから送ってなどいない)。」「今なら○○の資格が取れるチャンスです。」等々、枚挙に暇が無い。常識で考えれば、変だと分かるものばかりである。
さて、ちなみに、悪徳商法に一度ひっかかると、「騙されやすい人のリスト」に乗っかって(その手の業者間で口コミで広がることもある)、闇の悪徳商法の業者に目をつけられるという事実も付け加えておく。そういう人は、いかがわしいダイレクトメールなどが、突然増えるはずだ。よく、三面記事で詐欺に会った老人や主婦やサラリーマンの記事を読むと、何でこんなに騙されるのだろう・・・と思われるかもしれないが、詐欺に会った人に、また別の詐欺師が親切を装って近づき詐欺を働くのである。みんなで、寄ってたかってその人を食いつぶすのである。
さて、悪どいことを考える人と言うのは、本当に次から次へと巧妙に手を変えてくる。これを書いている時点でも、新たなピッキングの手口や、新しい詐欺商法が考え出されていることだろう。防御する我々も、頭を柔軟にして、臨機応変に対処しよう。詐欺では、一番だまされるポイントが「自分だけは、儲けられるかもしれない。」である。儲け話は、「絶対にない」と心に刻みなさい。そして、ドアを安易に開けないように。
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