キリスト教の信条とその歴史

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1.信条の基礎的概念

 聖書は、人間の救いにご必要なことがすべて十分に記されていて(十分性)、中心的な事柄は私たちに理解できるほど明白で(明白性)、長い時代の中で害かれてきたにも関わらず、一貫してイエス・キリストを証ししています(統一性)。
 では、聖書か十分で明白なものであるなら、何故、教会は信条(信仰告白)を持つのでしょうか、歴史においてキリスト教会は信仰告白を作ってきたのでしょうか?そもそも信条とは何なのでしょうか?
 それをこれからのシリーズによって、考えていきたいと思います。一回目は、信仰告白の聖書的根拠や聖書との関係を考えていきたいと思います。



1.信仰告白(≒信条)の聖書的根拠

 信仰告白は、神からの問いかけに対する人間の応答です。神の言葉の人間による受容と解釈により作りだされたもの。信仰告白は、聖書的な伝統を持っています。信仰は、必ず告白を伴うのです。

参考聖書箇所例

旧約聖書


☆聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。(申命記 6:4)

☆イスラエルの王である主、イスラエルを救う万軍の主は、こう言われる。わたしは初めであり、終わりである。わたしをおいて神はない。だれか、わたしに並ぶ者がいるなら声をあげ、発言し、わたしと競ってみよ。わたしがとこしえの民としるしを定めた日から、来たるべ当ことにいたるまで告げてみよ。恐れるな、おびえるな。既にわたしはあなたに聞かせ、告げてきたではないか。あなたたちはわたしの証人ではないか。わたしをおいて神があろうか、岩があろうか。わたしはそれを知らない。(イザヤ書 44:6~8)

☆主なる神よ、まことにあなたは大いなる方、あなたに比べられるものはなく、あなた以外に神があるとは耳にしたこともありません。(サムエル記下 7:22)

☆主のほかに神はない。神のほかに我らの岩はない。(サムエル記下22:32)

☆主よ、あなたに比べられるものはなく、あなた以外に神かあるとは耳にしたこともありません。(歴代誌上17:20)

☆主のほかに神はない。神のほかに我らの岩はない。(詩編18:32)

☆わたしの証人はあなたたち。わたしが選んだわたしの僕だ、と主は言われる。あなたたちはわたしを知り、信じ理解するであろう。わたしこそ主、わたしの前に神は造られずわたしの後にも存在しないことを。わたし、わたしが主である。わたしの他に救い主はない。わたしはあらかじめ告げ、そして救いを与え、あなたたちに、ほかに神がないことを知らせた。あなたたちがわたしの証人である、と主は言われる。わたしは神。 (イザヤ書 43:10~12)

新約聖書

信仰の告白について


☆口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あなたは救われるからです。実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです。(ローマの信徒への手紙 10:9、10)

☆わたしたちはまた、御父が御子を世の救い主として遣わされたことを見、またそのことを証ししています。イエスが神の子であることを公に言い表す人は誰でも、神がその人のうちにとどまってくださり、その人も神の内にとどまります。 (ヨハネの手紙Ⅰ 4:14,15)

☆ここであなたがたに言っておきたい。神の霊によって語る人は、だれも「イエスは神から見捨てられよ」とは言わないし、また、聖霊によらなければ、だれも「イエスは主である」とは言えないのです。(コリントの信徒への手紙Ⅰ 12:3)

イエス・キリストヘの応答

☆イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だというのか。」シモン・ベトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。 (マタイによる福音書 16:15、16)

☆ナタナエルは答えた。「ラビ、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です。」 (ヨハネによる福音書 1:49)

☆シモン・ペトロが答えた。「主よ。わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。あなたこそ神の聖者であると、わたしたちは信じ、また知っています。」(ヨハネによる福音書 6:68、69)

☆トマスは答えて、「わたしの主、わたしの神よ」と言った。(ヨハネによる福音書 20:28)



2.聖書と信条

 信仰告白は「相共に言い表す」という意味を含んでおり、合意によって言い表したことに責任がある。ゆえに
信仰告白はある法的な拘束力を持つことになる時に、多くが信条と呼ばれる。信条とは、公的な使用のために、聖書の信仰箇条を権威をもって陳述した言葉の形成。信条とは、聖書に基づいて教会がその信仰を表したもの、と言う事ができる。

信条の役目

・聖書教理の要約
・聖書理解の助け
・信者の結合の絆
・誤謬に対する公的な規準
・子弟の教育
・異端と正統の判別
・訓練と秩序の道具
・信仰と生活の公的規準として必要不可欠な役目


聖書と信条の関係

<聖  書>               <信  条>
人に対する神の言葉        ⇔  神に対する人間の応答
真理を一般向きの形式で啓示    ⇔  真理を教理の論理的な形式で叙述
信じられ服従されるべき(絶対的) ⇔  信条の権威は相対的、限定的
信徒と教会役員の双方を規定    ⇔  教会役員の公的な教えを規定(二重誓約)
規範の主体            ⇔  規範の客体
(規範の規範=ノルマ・ノルマンス)   (規範による規範=ノルマ・ノルマタ)


(2007年 7月29日記載)

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