日常生活の歌                              JOLLYBOY「詩 集」
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メリークリスマス

メリークリスマス。
病気と闘っている大切な友人に。
プレゼントもケーキも届かない子供たちに。
お金も仕事もなく途方にくれている人々に。
体と魂の飢えと渇きに苦しんでいる人々に。
絶望に覆われて心の灯が消えた人々に。
抑圧と銃弾の恐怖に怯える人々に。
何もできない弱く小さな自分に。
希望の灯が灯されますように。
豊かな恵みがありますように。
涙が笑顔に変わりますように。
メリークリスマス。
(2014年12月24日/クリスマスイブに)
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夜勤の詩(やきんのうた)

僕の脳ミソ、無理してごめんね。そして、ありがとう。
日中、十時間も働かせたのに、そのまま寝ないで夜も十時間も働かせて。

僕の神経も、無理してごめんね。そして、ありがとう。
ホントは寝ている時間なのに、酔っ払いやチンピラの相手をし続けて疲れたろ?

僕の眼球も、無理してごめんね。そして、ありがとう。
日中、ずっとパソコン画面を見続けているのだから、夜ぐらい休みたいよね。

僕の腕と手も、無理してごめんね。そして、ありがとう。
日中はずっと細かい作業に励んで、夜間は十キロ以上の荷物を次々に運んで。

僕の脚と足も、無理してごめんね。そして、ありがとう。
夜の間、荷物運びと短距離ダッシュの繰り返しだったものね。

僕の体中の細胞とそして精神、きつかったろう?
がんばってくれて、ありがとう。本当にありがとう。
(2010年1月/8ヶ月間もの徹夜夜勤と日中の本業務とのダブルワークの後に)
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若者よ、進め!

若者よ。内なる促しに耳を傾けよ。

ユリは優雅に咲き、  リンゴは甘い蜜をしたたらせる。

ウグイスはさえずり、 ワシは大空を飛ぶ。

ヒョウは草原を疾駆し、イルカは大海原を泳ぐ。


若者よ。内なる促しに従って道を突き進め。

深い智恵を与えられ、   人と話す事が好きならば、その道を極めよ。

明晰な頭脳を与えられ、  探求する事が好きならば、その道を極めよ。

優れた身体能力を与えられ、運動する事が好きならば、その道を極めよ。

高い創作能力を与えられ、 物を作る事が好きならば、その道を極めよ。

類稀な耳と喉を与えられ、 歌う事が好きならば、  その道を極めよ。

若者よ、若いうちにしかできない事があるのだ。
年を取ってからでも間に合うなどと思っても見るな。
その時には、勇気は失われ、体力は衰え、才能は風の如く過ぎ去ってしまうのだ。

若者よ。内なる促しに耳を傾けよ。
若者よ。内なる促しに従って道を突き進め。
(2009年1月 希望の見えぬ時代の中で)
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アーブン、アジブーン、パパ、ブンブーン

子供が図鑑の車を指差してこう言うのだ
"アーブン"
まったくもって意味不明

その隣の車の写真を指差してまた言うのだ
"アジブーン"
さっきのとどう違うのか分からない

子供が色んなものを指差してこう言うのだ
"ブーン、ブーン"
何でもかんでも、ブーン、ブーン

アーブーン、アジブーン、ブーンブーン

子供が僕を指差してこう言った
"マ~マ"
おいおい息子よ、それは全然違うぞ

もう一度僕に向かって言った
"バ~バ"
惜しいのだけど、やっぱり違うぞ

忘れた頃にこう言った
"パ~パ"
・・・そうそう、それだぞ、ブーン、ブーン

アーブン、アジブーン、パパ、ブンブーン
(2004年7月 子供と遊ぶ毎日)
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風邪をひいた、風邪をひいた

また 風邪をひいてしまった
感冒薬を飲んで じっと布団に横たわる
どこかの沼では 鯉がヘルペスで たくさん死んでしまった
鯉は ヘルペスでも薬がもらえない

またまた 風邪をひいてしまった
消炎剤を飲んで じっと枕を抱えて横たわる
どこかの鶏舎では 鶏がインフルエンザで たくさん殺されてしまった
鶏は たかがインフルエンザで安楽死

重い重い 風邪をひいてしまった
抗生物質を飲んで じっと天井を見つめる
どこかの牛舎では 牛がBSEで 焼却処分されてしまった
牛は 狂牛病だとさようなら

重い風邪は 消え去った
僕の39度の熱は下がり
咽の痛みは和らぎ
頭痛はどこかへ飛んでった

どこかの会社では お父さんがリストラで 退社処分
人間は 不況だと仕事がもらえない

鯉、鶏、牛、人間。
風邪をひかないように、風邪をひかないように。

(2004年2月 風邪が治った日に)
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悲しいのは
(※"悲しい時"にしたかったのだが、"いつもここから"のパクリみたいなので"悲しいのは"と変更した)

悲しいのは 悪夢で目が覚めた時
悲しいのは 睡眠不足のまま仕事へ行く時

悲しいのは モスバーガーのトマトが切れ端で小さい時
悲しいのは 急いでいるのに事故で電車が30分も遅れた時

悲しいのは 地下鉄の通路でホームレスの婆さんが座っている時
悲しいのは 同じくホームレスの爺さんの靴から真っ黒な指がのぞいている時

悲しいのは ラッシュの電車で中年と若者が言い争っている時
悲しいのは いい歳のサラリーマンが路上にタバコを捨てている時

悲しいのは ニュースが毎日のように強盗事件を伝える時
悲しいのは 殺人事件すら日常茶飯事となってしまった時

悲しいのは 完全失業率が5.7%をオーバーした時
悲しいのは 自殺者が3万人を超えてしまった時

悲しいのは 新聞で政治家の汚職の記事を読んだ時

悲しいのは 増税案の陰で官僚が私腹を肥やしていた時

悲しいのは テレビで他の国の内戦の残虐な光景を見た時

悲しいのは 多国籍軍がその国にたくさんの爆弾を落した時

悲しいのは 悲しい気分のまま布団にもぐる時
悲しいのは 人間の"罪"

(2002年3月 日頃思っているを徒然に)
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オータム・レイン

晩秋の雨が大好きだ
冷たいそよ風が頬にそよぎ 雨粒が静かに傘の上で弾けて流れる
雨音は"ショパンの調べ"? 私の好きな雨音は"バッハの調べ"
屋根を打つ規則正しい雨音は 私を心地良い眠りへといざなう
路面に落ちて行く冷たい雨が 遠く懐かしい記憶を呼び覚ます
誰もいない夜明け前の 都会のビルの谷間を思わせるような…
夕陽に照らされる湖畔に立って きらきらと輝く斑紋を見つめているような…
そんな晩秋の雨が大好きだ
(2000年11月のとある雨の一日に)
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僕の住む町

高校の時も 大学の時も歩き そして今も歩いている道
子供の頃野球をした広場は アパートが建った後 戸建て住宅に建てかえられた
冬には氷が張って遊んだ池は 埋め立てられた後 駐車場になってしまった
毎日通った小学校は 子供も少なくなったので 今は一部歴史資料館になっている
駅近くの町工場は 取り壊されて 大きなスポーツセンターが建てられた
煎餅屋や本屋が並んでいた駅前は 開発されて 2件のデパートが仲良く並んでいる
町のスペースに"ゆとり"が無くなった頃からだろうか 
人の目つき 表情も 随分変わってしまったような
真夜中に 塾やコンビニの周りで子供がたむろってたり
駅の周りで 若者がギターを抱えて歌ったり 踊ったり
駅のロータリーで 車高を低くした車が爆音を轟かせたり
みんな「自分はここにいるよ」とアピールしている… 孤独かい?
町も変わったが、僕も変わったのだろうか
高校の時も、大学の時も歩き、そして今も歩いている道
(2000年2月22日 いつもの駅までの往復の道を歩きながら)
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とても とても まずいラーメンを食べてしまった
3日前に食べた ラーメンは とても とても 美味しかったのに
素材を構成する元素の素粒子は どれも これも 変わりがないのに
作り手によって これほどまで味が変わってしまうとは
とても まずい まずいラーメンを食べてしまった
(2000年1月20日 いつもと違う店で食べて、後悔した時に読める)
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眼を閉じて グラスの中を 嗅ぎぬれば
地平へ続く ぶどうの畑
(1999年9月9日 ワインテイスティング勉強中に/メール友達に送る)
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芝草の 香る川辺の 木下で
我と戯(たわむ)る タレパンダ哉(かな)
(1999年8月8日 日曜学校遠足で縫いぐるみと/メール友達に送る)
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初夏の雨 静かな水面(みなも) 踏み敷きて
広がりゆく水紋に 写る雲の隙間から 都会を照らす一筋の糸
(1999年7月5日 夕暮れ時の雨上がりの印象/メール友達に送る)
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暖かき 雛祭りの日 祖母逝きぬ
(1999年3月3日 我が祖母亡くなった時に読める句)