JOLLYBOY'S NEWS JOLLYBOY TIMES
 vol.64 2005年春号

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JOLLYBOYのワインハウス

34.ワインの偉人伝6:ロバート・パーカー

 ワインの偉人で、以前存命中のミシェル・ロランと言うフランス人を紹介しましたが、今回紹介する人も、バリバリ現役の方です。その名も"ロバート・パーカー"。同姓同名のミステリー・ハードボイルド作家がいます(僕も「初秋」と言う本を持っています)が、この人はアメリカの有名なワイン評論家、鑑定家です(正確な名前は、ロバート・M・パーカー・Jr.)。ワインに興味が無い人はともかくとして、ワイン業界ではとても有名な人です。どのくらい有名かと言うと、この人の発言次第で、数千円だったワインが10万円以上に跳ね上がってしまったりするのです。今回は、このロバート・パーカー氏について、生い立ちから現在までを振り返ってみましょう。
 ロバート・パーカーは、1947年7月23日、アメリカ合衆国のメリーランド州で誕生しました。父親は重機のトップセールスマンで、嗅覚の鋭い人だったそうです。息子も、その父の資質を受け継いだようです。ごく普通の子供時代を送り、公立学校に通いました。彼の通ったヒアフォード高校は、農機具を扱う技師の子や農家の子達が通っていたそうです。学生時代に、彼はある女性と恋に落ちます。現在の妻となる、パット・エツェルです。高校を卒業後、パットはメリーランド州のフレデリック大学に通い、パーカーはサッカー奨学金でヴァージニア州の大学に入学しますが、その後メリーランド大学に転学してしまいます。彼は法律の道を選択しました。一方で、パットはフランスのストラスブールに留学してしまいます。ロバートは、クリスマスに彼女に逢いにパリへ行きます。モンクトンの田舎者のパーカーにとって、最初のヨーロッパ旅行は驚きの連続でした。初めてパリで飲んだワインは、ワイン・リストの末端にある一番安いカジュアル・ワイン。しかしパーカーは、バーボンやコーラやビールとは違う"ワイン"と言う飲み物に感動を覚え、ワインが気に入りました。フランス文化の伝統的な工芸品で、喜びを人と分かち合うべきものと言うその存在が気に入りました。そして毎晩違うワインを飲みました。パットは、パーカーをストラスブールに連れて行きましたが、彼はここで多くの刺激を受け、この地域の人々を尊敬し、毎晩彼らの作るワインに敬意を表しました。ストラスブールで、ある医者が二人をディナーに招待しました。3時間以上かかる本格的なコースで、敏感なロバートにとってはその食事は単なる喜び以上の"啓示的な何か"でした。この時、初めて品質の高いワインを飲み、知らずのうちにリースリングのあじわいを表現したと言います。
 パーカーは最初のフランス旅行から帰ると、大学の友人達と一緒にワインを飲むようになりました。ワインについて書かれたイギリスの書物も読むようになりました。彼は大学卒業後、メリーランド大学のロースクールに入学し、1973年に司法試験に合格しました。バルティモアで弁護士関係の仕事に就きました(ボルティモア農業信用銀行のお抱え弁護士)。実際のところ弁護士の仕事は退屈で、暇を見つけてはパットとヨーロッパに脱出して(特にフランスに行き)、パットの通訳でシャトーで話を聞かせてもらったり、ワインをテイスティングさせてもらったりしました。彼は、いつもメモを取っていました。

Robert.M.Parker.Jr像
 Robert.M.Parker.Jr像(JOLLYBOY'Sワインノートより)

 1978年、パーカーはそれまでの経験を活かし、「ワイン・アドヴォケイト(※Advocateとは弁護、擁護、主張と言った意味)」誌の第一号を書き上げました。最初のページには、彼の"消費者至上主義"の信念が書かれていました。初号は600人が購読してくれました。第二号では、工業生産的なカリフォルニアのブドウ畑に痛烈な批判を書きましたが、こうした論評も(少数の批判はあったものの)受け入れられて、購読数も少しずつ増えていきました。生活を支えるための弁護士の仕事は続けましたが、「ワイン・アドヴォケイト」は彼の精神的な支えでした。これまでのワイン批評家達は、少なからず有名なシャトーとの何らかの関係があったり(はっきり言うと接待を受けたり、有名な高級ワインを山ほどもらったりすると言う事です)したのですが、こう言う状況を、ロバート・パーカーは、モラルと言う意味で軽蔑していました。そんな関係を持っていて、消費者のための正しいワイン批評ができるわけがないからです。
 4年後に「ワイン・アドヴォケイト」は、7,000部数になっていました。転機は、1983年に訪れました。有名な批評家達は、1982年もののボルドーワインは上手く熟成できないだろうと評価しましたが、パーカーは逆の評価をしました。彼は、1982年ものを買うように薦めました。多くの読者がそれに従いましたが、これは彼のキャリアにとって一大事でした。1984年にボルドーのワインがボトル詰めされる頃には、パーカーの主張が正しかった事が誰の目にも明らかになりました。パーカーと逆の立場を取ったワイン批評家の地位は失墜し、こうしてパーカーの名声は確立しました。「ワイン・アドヴォケイト」の部数は、一気に一万部を突破しました(※現在は14万部だそうです)。パーカーは弁護士を辞め、数週間後にはニューヨークで最初の本の出版契約にサインしていました。
 こうしてワイン評論で確固たる地位を築いていくロバート・パーカーですが、フランスのワイン関係者から次第に敵対視されていきます。何故なら、一貫して消費者至上主義を貫く彼は、フランスの従来の伝統的なシャトーのワイン生産業者の都合は一切考慮せず、ただ単にワイン・テイスティングを行なってワインの評価を下したからです。パーカーを快く思わないフランス人は、アンチ・パーカーのキャンペーンを行い、新聞や雑誌で何度もこき下ろしました。結果、ブルゴーニュからはほとんど追放状態となりました。ボルドーのワイン業者も、パーカーを苦々しく思っていました。ボルドーは、300年に渡って自分達でワインの価格を決めてきました。1855年に決められた伝統的なシャトーの格付けもありました。パーカーはそれらの一切を無視し、出来上がったワインのテイスティングだけでワインの出来を判断しました。ボルドーは、ワイン価格のコントロールを失いました。2000年の「ワイン・アドヴォケイト」に載ったボルドーワインの評価についてボルドーは怒りまくり、パーカーは叩かれまくりましたが、彼は敢えて自己弁護や反論はしませんでした。
 ボルドーの人々は、(パーカーのボルドーワインの評価自体もそうですが)ガレージ・ワイン隆盛への流れに特に怒っていました。ガレージ・ワインとは、小量のワインを生産する小さなワイン生産業者の事です。ガレージ・ワインの評価が高まっている事は、伝統ある大シャトーにとって脅威でした。300年の歴史のあるテロワールの概念を台無しにする可能性が高まりました。新興のガレージ・ワイナリー達は、ボルドーのシャトーの人々からあからさまな軽蔑を受けていました。しかし、パーカーは品質が高ければガレージ・ワインも正統に評価しました。新興のワイナリーが評価されるには、従来だったら半世紀もの年月が必要だったかもしれませんが、パーカーの評価で数年で評価されると言う現象も起こっています。現在、ネゴシアン(※ワインの卸業者のような存在)も、パーカーの評価を無視して価格を付けることは不可能になっています。ボルドーの伝統的なシャトーの人々は、パーカーの影響力を認めている一方、決して快く思ってはいません。


さて、ここでロバート・パーカーのワイン評価法を簡単に書いておきましょう。
まず、評価に値するワインであれば、50点を与えられる。
①総合的色、外見・・・1~5点
②アロマとブーケの強さ、複雑さ、清潔さ・・・1~15点
③味の強さ、調和、清潔さ、後味の深さ、長さ・・・1~20点
④全体の質のレベル/若いワインは将来の熟成・進歩の可能性・・・1~10点

満点だと、ちょうど100点になります。100点に近い方が良いワインと言う事です。
点数別の評価は、次のようになります。
96~100点・・・格別(Extraordinary)
90~95点・・・傑出(Outstanding)
87~89点・・・極めて良い(Extremely Good)
84~86点・・・優良(Quite Good)
80~83点・・・並以上(Above Average)
70~79点・・・並(Average)
50~69点・・・並以下(Below Average to Poor)


 パーカーは、一週間で120本のテイスティングをします。味覚が麻痺しないよう、一日5リットルの水を飲みます。味覚に影響しないように、刺激の強い嗜好食品も制限しています。利害の対立を避ける為、贈り物や献金の類は一切受け付けません。食事代も、必ず自分で払います。
 一般に良いワインと言われるのはパーカー・ポイント85点以上で、そう言うワインは全体のうちの僅かなワインです。100点を取るワインと言うのは、本当に極僅かで0.05%以下しかありません(2004年現在、百本にもたっしていません)。パーカーポイントで高い評価を得たワインは、一気に高騰します。旧来の格付けを無視したアメリカ人らしいやり方と言えばそう言えますが、ボルドーの伝統的シャトーの人々は面白くありません。彼を「独裁者」と呼んだり「ワイン界のビル・ゲイツ」とあからさまに揶揄する人から、皮肉的に「ワインのグローバリゼーションのための腕の良い職人」と言う人もいます。
 パーカー・ポイントには、正負両面があります。
 マイナス面は、パーカーが高いポイントを付けたワインは価格が一気に高騰して、一般のワイン愛好家や消費者の手の届かないものになってしまう点です。また前述のボルドーのワイナリーのように長年の伝統がまったく評価されない事も、フランスの生産者達にとってはマイナス面でしょう。そして、ワイン業者の中には、パーカー好みのワインを造るような人々も出てきました(もちろん高い点数をもらうためです)が、これもどうかと思います。それともう一つ、嗜好品のワインが単に一人の評価で決まってしまう事の危惧も上げられるかもしれません。評価は、一重にパーカー自身の"公平な使命感"と"秀でた能力と経験"にかかっているからです。
 プラス面は、それまでワインの良く分からない消費者は、どのワインを選んでよいのか悩み、ワイン批評家達の専門用語が羅列された評価(例えば"濡れた犬の香"って何?)を読んでますます分からなくなっていたのですが、パーカーのポイントが目安になってどれが良いワインか選びやすくなりました。また、新興ワイナリーや小さなワイナリーがきちんと認めてもらう道筋が出来て、努力すれば世界に認めてもらえるようになったことも大きなプラス面でしょう。

 ロバート・パーカー氏は存命中の現役の方ですので、僕のようなワインの門口に立った人間がとやかく評価を下せようもないのですが、一つ言えるとするならば、ミシェル・ロランと同様、新たに革新的な事を実行しようとすると、それに対する色々な批判も甘んじて受けなければならないと言う事でしょう。歴史上、革新的な事を成し遂げた偉大な人と言うのは、その時代においては賞賛よりも批判・批難を受けていた事が多かったりしますから。
 最後に、パーカーの言葉を記しておきます。
「私は反工業主義者みたいな人間でね。騙すのは嫌いだし、妥協も嫌いだ。『新たな方法を考えました』と言うようなワイン・メイキングも好きではない。それは何かに対処すべき時は別だが・・・。私は、ワインメーカーは責任を持って、最も自然な形でブドウをボトルに詰めるべきだと信じている。ブドウ種、ブドウ畑、そしてその年代の純粋な表現であるべきなんだよ」。


ロバート・パーカーのまめ知識
・パーカーは自分の鼻に、100万ドルの保険をかけている。
・パーカーが付けた最低のポイントは、56点である。1979年のランバート・ブリッジ・カベルネ・ソーヴィニョンがそれである。
・パーカーは自らを、"ヘドニスト(※快楽主義者)"と呼ぶ。自転車好きなマウンテンバイカーでもある。


※さて、過去六回に渡ってワイン界の偉人達の伝記を紹介しましたが、今回で一旦お休みします。と言うのも、ワイン関係者の伝記や資料は思いの他少なくて、けっこう調査に時間がかかってしまい、仕事や育児の合間を縫って、趣味で続けるには辛くなりました(例えば、前回のセギュール侯爵の基画像を見つけるのに、9ヶ月と言う時間と膨大な手間がかかりました)。紹介したいワイン界の偉人はまだ大勢いるので、時間に余裕ができた時に、機会を改めてご紹介していきたいと思います。


ドメーヌ・デ・ラ・プティ・カッサーニュ ドメーヌ・デ・ラ・プティ・カッサーニュ

 
僕はパーカーポイントを気にしてワインを買ったりはしませんが、僕が気にしようとしまいと、パーカーポイントが100点を取ろうものなら、そのワインはあっという間に10万円を超えてしまい、我々貧乏ワイン愛好者の手の届かないワインになってしまいます。今までそれなりに安く手に入ったワインが、パーカーポイントが90点を越えて価格が数万円に跳ね上がったりして、パーカー氏のワイン評価はプラス面と、マイナス面の両方があるなぁ・・・と感じております。さてそんな中でも、パーカーポイントが90点を超えているのに、比較的安価なワインも探すと出てきます。今回紹介するのそうしたワインで、パーカーポイントが90点なのに、なんと2,000円以内で買えると言ううれしいワインです。
 タンクで発酵、熟成された2000年のコスティエール・ド・ニームの赤"ドメーヌ・デ・ラ・プティ・カッサーニュ"は、膨大な果実味、濃度、舌触りがあります。収穫は"手摘み"で行なわれ、葡萄は長時間、濾過・洗浄装置のついた大きなタンク(大樽)で保管されます。空気による圧搾と、高度な温度管理システムを使用しています。
 出来上がったワインは、見事な個性を持っていて、濃いルビー色(紫色)をしており、強い芳香、果実味とスパイスなコンビネーションを持ち、しなやかな舌触りのミディアムボディのワインです。肉料理などに合うかなぁ。ここ1~2年に渡って、楽しめそうなワインですね。超お買い得ワインかも。


参考データ:ぶどう品種・シラー種50%、グルナッシュ種25%、カリニャン種25%
      価格 1,580円(税込み価格1,659円/2000年もの)






映画"この一本!"40「猟奇的な彼女」

 さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。

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猟奇的な彼女 [DVD]

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  「猟奇的な彼女」は、韓国で2001年に公開されて500万人が見て、6週連続で一位を獲得したインターネット発のいかした映画。日本でも2003年に公開されてそこそこのロングラン・ヒットをしたのだが、全国拡大ロードショー的な大ヒットも期待できたのじゃないかなぁ・・・ちょっと残念。そんな分けで、今回この「猟奇的な彼女」を取り上げよう。
 で、その前に、最近の韓国映画の隆盛について振り返ってみたいと思う。僕が初めて韓国映画で驚いたのが、「シュリ」。ハリウッドの物真似だとか何とか言う芸能人もいたけど、僕は素直に凄いと思った。韓国と言う国が抱える問題を、単なるアクション映画を超えたスケールの大きな映画として仕上げていた。残念ながら、日本にこれを作れと言われてもできないし、作ったとしても嘘っぽく、かつチープになってしまうのはほぼ間違いない。"若い映画人の息吹"と"国全体でのバックアップ"のような燃える勢いが、韓国映画にはある(一方、日本には映画作りに関して様々な問題がある。日本映画界の問題については、自分なりに分析しているのだが、これは別の機会に譲りたい)。僕は、昨年末から今年にかけてDVDで、JSA、リベラメ、火山高、チング等々と次々と韓国映画を見た。韓国映画は、「シュリ」や「ブラザーフッド」のような大作映画から「火山高」のようなナンセンス・コメディまで、ジャンルをと問わず上手い。とにかく勢いがある。現在の韓国映画は、かつてのハリウッド映画と同様に、ロードショーで見たい映画の一本に入るのだ(残念な事に邦画でロードショー公開で見たいのは少ない)。


猟奇的な彼女Imaged by JOLLYBOY

 さて「猟奇的な彼女」だが、昨年来の韓流ブームで改めて主演俳優の説明はいらないかもしれないが、主演の女の子を演じるのがチョン・ジヒョン。間抜けな大学生キョヌを演じるのが、チャ・テヒョン。二人とも、韓国を代表するスターである。監督はクァク・ジョヨン、音楽担当はキム・ヒョンソク。
 物語の内容は、間抜けな大学生が、ある夜酔っ払った若い女性と地下鉄で関わり合うことから始まる。登場人物も少なく、基本的にこの二人の関係で物語は進展していく。ネタバレになるのでストーリーは詳しくは書かないが、コメディ映画だと思って油断していると、最後は・・・。"猟奇的"と言うと日本語では変質者的・犯罪的なイメージが強いが、韓国ではかなり違うようだ。"おかしな"とか"変な"とか"けったいな"のような意味にプラスして、"いかした奴"、"かっこいい奴"のようなクールな意味合いがあるらしい。この映画の主人公は、ちょっとおかしな行動を取り捲るのだが、観客は彼女のその変なところに魅かれてしまうのである。最後には、変な彼女と間抜けなキョヌの二人に感情移入してしまうだろう。この映画を男性が女性と見る場合は、要注意。彼女の目の前で、ハンカチで涙を拭うことになるしれないからね~、いや、ホントに・・・ぐすっ・・・
 二人の演技も素晴らしいのだが、脚本がとても良く練ってある。これもネタバレになるので詳しくは書けないが、冒頭のキョヌが叔母さんの電話から逃げ回るプロットもストーリーの伏線になっている。監督のクァク・ジョヨンの演出も、抑え目で(よくある日本映画のように押し付けがましくなくて)良い。音楽も、韓国の小室哲也と言われるキム・ヒョンソクが担当していて、映画のポップな感じを損なわない秀逸な出来。特殊効果やCGも、必要な部分のみの最小限の使用で映画の進行を損なわないように使っていて好感が持てる。
 この映画、すでにスピルバーグ率いるドリームワークスが、リメイク権を獲得しているそうです。ハリウッド版"シャル・ウィー・ダンス"でも苦労していたようだけど、アメリカでこの"猟奇的な彼女"な雰囲気を上手く表現できるかな?




趣味の部屋(ビークル&アウトドアー&エトセトラ)

フリーペーパー・ベスト3

 さて、前回に引き続き、勝手にランキング・シリーズの第二弾。
 大不況やデフレと言う言葉が定着した現在、無料の雑誌も数年前から色々と増えてきた。フリーペーパーとか、フリーマガジンとか呼ばれる雑誌だ。最初は、求人情報誌や地域密着型のタウン誌が順次無料化していったが、後にクーポンチケットを集めた風変わりなフリーペーパーも出てきた。そんな中から、独断と偏見で「無料の割には、なかなかいいんじゃないの~」と言うフリーペーパー・ベスト3を選んでみました。

R25 1位:R25/発行元:リクルート

 R25・・・かなりがんばっていると思います。特に配布場所が広範囲に渡っているので、比較的入手しやすい(しかし配布翌日には無くなってしまう)。多くの人に読んでもらうために仕方の無いことだが、自己主張しているようで実はほとんど主張していない、もしくは主張控えめのフリーペーパー。しかし全ページフルカラーだし、情報も適度に入っているし、フリーでここまで作ってあれば十分だろうと思わせる。週末の電車の中で読み終えてしまえる"薄さ"も、適当に軽くてGood。

Sumai 2位:Sumai/発行元:イースマイ

 この本も、フリーペーパーの割には面白い。有名な建築家の手がけた建築物の紹介や、インタビュー記事等が掲載されている。建物の間取りを見ているだけで楽しい僕のような人間には、なかなか良い雑誌である。これからマンションを買ったり家を建てようと言う人間には、尚更楽しめるに違いない。けれども、配布場所が限られているので、いつも手に入るとは限らない。

EURASIA 3位:EURASIA/発行元:ユーラシア旅行社

 厚めの旅行パンフレットは昔からあるが、旅行広告にプラスして、世界各地の特集記事等も掲載されている。ただし、このフリーペーパーも、手に入れられる場所が限定されるので入手し辛い。

 基本的に、雑誌の大きな収入源の一つは広告収入だが、広告を得るためには購読者がいなくてはならない。もう一つの雑誌の収入源が、購読料である。しかし、不況の世の中、雑誌はなかなか売れない。雑誌が売れないと、出版社は企業広告を得られない。そこで思い切った方法が、雑誌を無料にするという斬新な方法である。企業広告収入onlyで、出版に関わる人件費や印刷費と言った経費をすべてまかなうのである。無料なら読んでくれるだろうと言う計算だが、無料でも紙面が全部広告だとなかなか読んでもらえない。そこで、"記事や読み物"と"広告(もしくは広告だが広告と感じさせない記事)"をバランスよく雑誌に配合しているのである。
 さて、フリーペーパーの欠点だが、配布場所が限定されているし、配布場所が空になってしまうと入手できない点。それに雑誌発行そのもの自体が、いつの間にか終了してしまっている事もあり、突然街中で見かけなくなったりする事もある。またフリーペーパーは、購読者がお金を払っているわけではないので、雑誌自体の本質が購読者の顔よりもやっぱり企業の方を向いている点だろうか。まあ、"ただ"である事の宿命と言うか、限界なのだろう。

追伸:7月に、遂に車情報誌のフリーペーパーもゲットしました。基本的にカーセンサーのようです。
カースマイル カースマイル/発行元:リクルート



今月号の引用・参考文献:
ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本
                        (日本ソムリエ協会)
日本ソムリエ協会 教本/2003年度版     (日本ソムリエ協会)
基礎ワイン教本/WSET編            (柴 田 書 店)
田辺由美のワインブック              (飛 鳥 出 版)
田辺由美のワインノート              (飛 鳥 出 版)
ワインの科学          清水 健一 著   (講  談  社)
ヒュー・ジョンソンの楽しいワイン         (文 春 文 庫)
ワインベストセレクション260 浅田 勝美 監修 (日 本 文 芸 社)
世界ワイン大全                  (日経BPムック)
ワインの世界史                  (中 公 新 書)
ワイン・カタログ/ナヴィ・インターナショナル編   (西  東  社)
ボルドー/ワインの宝庫を訪ねて        (日 経 B P 社)
ブルゴーニュ/ワインとグルメの歴史にひたる   (日 経 B P 社)
シャンパーニュ/金色に輝くシャンパンの故郷へ (日 経 B P 社)
トスカーナ・ワイン紀行             (日 経 B P 社)
ソムリエを楽しむ        田崎 真也 著   (講  談  社)
ワインものがたり        鎌田 健一 著  (大 泉 書 店)
今日からちょっとワイン通     山田 健 著   (草  思  社)
私のワイン畑          玉村 豊男 著   (扶  桑  社)
夢ワイン             江川 卓 著   (講  談  社)
永井美奈子のベランダでワイン            (主婦と生活社)
ワイン この一本    戸部民夫・清水靖子編著  (毎 日 新 聞 社)
ワインデイズ      マーク・ピーターセン著 (文春文庫PLUS)
ワイン用葡萄ガイド   ジャンシス・ロビンソン    (WANDS)
ワインの教室                   (イカロス 出 版)
ワインついしゃべりたくなる博学知識         (河出書房新社)
オーケストラワインショップ・ホームページ
バリックヴィル・ワインマガジン・ホームページ
森嶋酒店・うまい酒・ホームページ
パッションワイン・ホームページ


聖書の言葉

そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行なう者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風邪が吹いてその家を襲っても、倒れなかった岩を土台としていたからである。」 (マタイによる福音書 7章24,25節)