vol.57 2003年夏号
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27.デキャンタージュに挑戦!
今年、ワインパーティーで、初めてデキャンタージュに挑戦しました。デキャンタージュとは、ワインボトルからワインをデキャンターに移し換えることを言います。では、何故デキャンタージュをするのでしょう?第一の理由は、長年ワインセラーで熟成させたワインには澱が溜まっていて、それを取り除く為です(※澱は有害ではありませんが、おいしいものでもありませんので)。第二に、ワインを空気に触れさせることで酸化を促進して、ワインを覚醒させることです(※逆にいうと、十分に熟成し酸化すると朽ちてしまうような古いワインは、デカンタージュすべきではありません)。第三に、冷えたワインを飲用に適した温度に引き上げる効果があります。そして、最後に意外と重要なのが、デモンストレーション効果です。デカンタージュをすることで、これからこの素晴らしいワインを飲むのだと言う雰囲気が盛り上がります。
では、実際のデカンタージュの方法を見ていきましょう。まず用意する道具から!
置けるライト
まず、灯りが必要です。ろうそくを使うのが伝統ですが、ライトでも構いません。私は、キャンドル仕様にもなるアウトドア用ライトを使います。
デキャンター
そして絶対必要なのが、ワインを移し替えるデキャンター、もしくはそれに類する器です。
長年寝かせたワイン(写真中央)
で、当然ですが、長期熟成された赤ワインやヴィンテージ・ポートなどを用意します…これがないと、デカンタージュが始まりません。私が今回挑戦したのは、メドック第二級の1972年ものの"シャトー・ドュルホール・ヴィヴァン"です。31年も寝かせた赤ワインなので、当然デカンタージュが必要でしょう。
さて、道具が揃ったら、いよいよデカンタージュの開始です。
デカンタージュ開始
コルクを抜く前に、ワインのボトルをある程度の時間、立てておくと良いでしょう。横に寝かせていたワインセラーから出した時、ワインの中で攪拌されてしまった澱がボトルの底に溜まる時間がほしいですね。そして、いよいよ抜栓。
デカンタージュ途中
コルク栓を抜栓したら、ボトルの注ぎ口をキャンドルライトの上に持ってきます。すると、光がボトルとボトルの注ぎ口を通過するワインを通して見えます。光の透過で澱も見えますので、澱がデキャンターに入らないよう慎重に注ぎます。
デカンタージュ完了
そして、デカンタージュの完了です。ホストとして、ワインの匂いや味をチェックし、異常がなければお客様にサーブします。
ところで、今回のワインは、残念ながらピーク(※ワインの熟成が適度で、最も美味しい時)を過ぎてしまっていて、下降ラインに入っていたようで、水っぽかったです。色は、ボルドーワインのあの鮮やかなバーガンディー色でなく、バローロやキアンティと言ったイタリアワインのようなレンガ色に変っていました。もう少し早く飲んでいれば良かったのだけど、一本しかないと、なかなかその判断が難しいなぁ…。
ケラー・ショッペン
お手軽なワインを紹介するシリーズ第7回目。ドイツと言えば、甘口の白ワインが定番。しかし、数多くはないけれど赤ワインやロゼワインもあるのです。今回は、そんなドイツのロゼワインをご紹介。ラインヘッセン地方の、ケラー・ショッペン。ロゼ・ワインは、赤ワインと違って色々な(気軽な)シーンで飲みやすいのです。夏の暑い日によく冷やして、ライトな料理やスナックと一緒に飲んだりできます。ピザにパスタや、枝豆まで(?)合うのじゃないかなぁ…と思うのです、個人的に。
格付けはQ.b.A(クーベーアー)と呼ばれる上級ワインで、13の限定された栽培地域内で作られたワインの一つです。アルコール度数は、10.5%です。僕は、このワインを6本まとめ買いをしました(^_^;;)。
参考データ:ドイツ/ライン・ヘッセン地方 価格 1,500円前後
映画"この一本!"33「アトミック・カフェ」
さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。
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今回、初めてドキュメンタリー映画を取り上げる。今年の春、"ボーリング・フォー・コロンバイン"と言う映画を見た。アメリカの戦争や銃による犯罪と言う題材を中心に、アメリカが抱える社会的問題を取り扱った優れたドキュメンタリー映画である。監督のマイケル・ムーアは、ホワイトハウスから公式に危険人物と認定されたそうだが、日本人の僕が見る限り間違っているようなことを言っているようには思えない。
アメリカと言う国のある種の度量の広さと言うか、反政府的であっても、時折優れた面白いドキュメンタリー映画を世に送り出してくる。ここら辺りが、アメリカ合衆国が他の独裁国家よりは多少は自由であることの証明にもなっているようだ。で、今回取り上げるのは、"アトミック・カフェ"。1982年のアメリカ映画である。監督は、ケヴィン・ラファティ、ジェーン・ローダー、ピアーズ・ラファティの三人(…すみません。三人とも知りません)。題名の"原子爆弾喫茶店"が示す通り、核兵器に関するドキュメンタリー映画である。
Imaged by JOLLYBOY
ドキュメンタリー映画とは言っても、1940~60年代の核兵器の正当性を訴えた政府広報CMや、ニュースフィルム、軍隊の教育フィルムなどを、当時のアトミックソングのヒットナンバーに載せて、並べただけの異色の映画である。演出側の解説は、まったく無い。無いのだが、現代の我々がこの映画を見ると、その馬鹿馬鹿しさに開いた口が塞がらないのだ。監督は一切の説明をしないが、当時の映像がすべてを物語っているのである。
一例を挙げると、アメリカがビキニ諸島で水爆実験を行う時の記録フィルムが写される。そのフィルムでは、米軍が島民に「いかに核実験が人類のためになるか」を力説し、疎開をする意義を述べ立てる。島民は水爆のことなんて知っているわけがないからただ聞いているだけ…そして、その結末は皆が周知の通り、ドッカーン!!…その時の日本の第五福竜丸の悲劇も、この映画は触れている。
その他の政府広報も、もうただただ"?(クエスチョンマーク)"の嵐。原爆の危険性について、政府広報官は物凄い嘘を吹きまくっているのだ。今ほど原爆の正しい知識が浸透していないから、国民はそれを信じきってしまう。国民向けの教育映像も、凄い。「原爆が落ちたら、すぐ伏せましょう」、「原爆が落ちたら、頭を低くしてテーブルの下に隠れましょう」など、次々と訴えつづける…地震じゃないんだからさぁ…。子供に、頭からつま先までを覆う鉛入りの重~い放射能防護服を着させて遊びに行かせる親は、もう見ていて絶句。
更にこの映画は、当時の思想体系にまで言及する。当時、対ソ連、対共産主義の冷戦時代を背景に、徹底した反共主義が国民に植えつけられる。マッカーシズムの吹き荒れる中、多くの人がアカのレッテルを貼られていく。アイゼンハワー大統領は、こう語る。「アメリカは、神が地上に造られた最強の国だ!」って、これって今のブッシュ大統領の姿勢と大して変ってない。アメリカって、昔から傲慢な国だったんだね~、と言うことがよく分かってしまう映画なのでした。
趣味の部屋(ビークル&アウトドアー&エトセトラ)
"キュウリと枝豆を育てる・その1"
今年も、ベランダで作物を育てることにした。…ところで、僕は昨年、すべての作物を育てるのに失敗した。桃太郎トマト、プチトマト、イチゴ…すべて失敗。これは、単に種を撒いた月が遅かったせいである。その反省を踏まえて、今度は6月でも十分に間に合う作物を選択した。キュウリと枝豆である。
雑草がこんなに成長(涙~_~;;)
ところが、ベランダでほったらかしにしておいたプランターに、雑草が生えてしまった。いつか引っこ抜こうと思っていたら、1メートルになってしまった。作物を育てるために十分な栄養を与えていた土だから、雑草が育つのも無理はない。スコップで雑草の根を掘り返したら、なんとプランターの半分に根がはびこっていた…雑草の生命力、恐るべし。結局のところ、かなりの量の土を無駄にしなければならなかった…。
気を取り直して、二つのプランターにキュウリと枝豆の種を植えた(プランターをもう一つ増やす予定)。
キュウリと枝豆の種を撒く
キュウリの方は、一週間後に早くも芽が出た。
キュウリの双葉
それから1週間ほどして、枝豆も芽を出した。今年は、うまくいくと良いなぁ…。>
枝豆の双葉
今月号の引用・参考文献:
ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本
(日本ソムリエ協会)
日本ソムリエ協会 教本/2003年度版 (日本ソムリエ協会)
基礎ワイン教本/WSET編 (柴 田 書 店)
田辺由美のワインブック (飛 鳥 出 版)
田辺由美のワインノート (飛 鳥 出 版)
ワインの科学/清水 健一 著 (講 談 社)
ヒュー・ジョンソンの楽しいワイン (文 春 文 庫)
ワインベストセレクション260/浅田勝美監修 (日 本 文 芸 社)
世界ワイン大全 (日経BPムック)
ワインの世界史 (中 公 新 書)
ワイン・カタログ/ナヴィ・インターナショナル編 (西 東 社)
ボルドー/ワインの宝庫を訪ねて (日 経 B P 社)
ブルゴーニュ/ワインとグルメの歴史にひたる (日 経 B P 社)
ソムリエを楽しむ/田崎真也 (講 談 社)
ワインものがたり/鎌田 健一 著 (大 泉 書 店)
今日からちょっとワイン通/山田 健 著 (草 思 社)
私のワイン畑/玉村 豊男 著 (扶 桑 社)
夢 ワ イ ン/江川 卓 著 (講 談 社)
永井美奈子のベランダでワイン (主婦と生活社)
ワイン この一本/戸部民夫・清水靖子編著 (毎 日 新 聞 社)
ワイン用葡萄ガイド/ジャンシス・ロビンソン (WANDS)
ワインの教室 (イカロス 出 版)
ワインついしゃべりたくなる博学知識 (河出書房新社)
オーケストラワインショップWeb配信ニュース
聖書の言葉
「苦難の中で、わたしが叫ぶと、主は答えてくださった。陰府(よみ)の底から、助けを求めると、わたしの声を聞いてくださった。」 ( ヨナ書2章3節)