vol.56 2003年春号
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26.第三回ワイン・パーティーを開く
さて、2月に自宅にて第三回目のワイン・パーティーを開きました。今回は、今までのように大勢の人を呼ばずに、私達夫婦がお世話になった知人を一人だけお呼びしての質素なワイン・パーティー。今回は、僕がソムリエ役だけでなく、シェフもしました。ワインに合わせて料理を選択(と言っても、大したものは作れないけれどね)。
お客が、知人と妻のみと言う事で、あまり飲めないだろうと言う事で、用意したワインは2本のみ。食前酒&乾杯用に、シャンパンの"モエ・エ・シャンドン"。そして、メイン料理に合わせたメドック第二級の"シャトー・デュルフォール・ヴィヴャン"…なんと31年も寝かせた1972年のビンテージ・ワイン!料理は、カボチャのスープと、野菜とチキンのサラダ、メイン・ディッシュがビーフのガーリック・ステーキとパスタ(ナポリタン)、そしてデザートのいちごと紅茶へと続く。
第三回ワインパーティー
さて、今回30年以上寝かせたワインを飲むと言うことで、初めてデキャンタージュに挑戦しました(※デキャンタージュについては、後日詳細に記述予定)。結果、このワインはピークを過ぎていて、下り坂に入っていたようでした。色は、程よいレンガ色だったのだけれど、味が水っぽい気が…(やはり数十年の熟成に耐えるのは、ラトュールやラフィットと言った名のある重厚な名醸ワインでないと、難しいのかなぁ?デュルフォール・ヴィヴャンは…今回飲んだものについては…メドック第二級に相応しくないように思えた…)。何はともあれ、今回始めてのソムリエ兼シェフへの挑戦。色々と学ぶことも多かったです。
ツェラー・シュヴァルツェ・カッツ
さて、お手軽なワインを紹介するシリーズも、早6回目。今回ご紹介するのは、ドイツのモーゼル・ザール・ルーヴァー地方のワイン。モーゼル川流域のかなり上の方に位置するツェル地域では、優れたブドウ畑がなかった。ところが、現在"ツェラー・シュヴァルツェ・カッツ"の産地として有名である。シュヴァルツェ・カッツとは、「黒いネコ」と言う意味。この名前には、逸話がある。
昔、この周辺のとある酒蔵に一匹の黒ネコが入り込み、一つの樽の上に座って動こうとしない。酒蔵の男が黒ネコを追い払うのだが、また同じ樽の上に戻ってきてしまう。そして、その樽を舐めている。不思議に思った男が、その樽の栓を開けて試しにワインを飲んでみたら、味わった事のない素晴らしい味わいをしていたと言う!それ以来、この地域では、この時と同じ味のワインをさかんに作るようになったと言う。
ワインのラベルには、どのメーカーの物も黒ネコの絵が描かれていることが多く、ラベルのコレクターも多い。値段も手ごろで、安いものでは700円ぐらいで買える。甘めなので、アルコールが苦手な人にも飲みやすく、花見にはいいかも。写真のワインは、ツェラー・シュヴァルツェ・カッツのザクト(※スパークリングワインのこと)です。
参考データ:ドイツ/モーゼル・ザール・ルーヴァー地方
葡萄種類/リースリング、ミュラー・テゥルガウ種
価格 1,000円前後(写真のザクトは、1,500円ほど)
【お酒】Q.b.A.ツェラー・シュヴァルツェ・カッツ(白) 750ml[MOSEL zeller schwarze katz][ドイツ]
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映画"この一本!"32 「サイレント・ランニング」
さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。
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さて、本コーナーでは、過去SF映画を何本か取り上げたが、スペースSF映画は今回が初。僕は、子供の頃からSF小説やSF映画が大好きだった。しかも、ファンタジーSFよりは、(アーサー・C・クラークのような)ハードSFの方が好きだった。だから、中学・高校時代に"スターウォーズ"が流行った時も、僕はリバイバル上映の"2001年宇宙の旅"の方に夢中になっていた。
今回取り上げるこの"サイレント・ランニング"も、ハードSFの部類に入る。1971年の作品で、"2001宇宙の旅"の3年後に公開された作品。監督は、その"2001年宇宙の旅"の特殊効果を担当したダグラス・トランブルである。写真や8mmフィルム・カメラでの特撮に夢中になっていた当時の僕にとって、ダグラス・トランブルという人は、雲の上のヒーローであった。日本ではピアノ線で宇宙船を吊るしていた時代に、トランブルは、アナログ特撮時代にあの完璧なSFX映像を作り上げたのである。
さて、肝心の"サイレント・ランニング"のお話だが、トランブルの初監督作品(残念ながら評価は低く、興行もヒットしなかった)。低予算と言うこともあったろうが、全体的にとてもお粗末。ストーリーは、どう見ても45分もあれば終わってしまうようなお話し(まあ、伸ばしても60分がせいぜいの内容)。しかし、それでは劇場映画にならないので、回想シーンやBGM付きの情景シーンなどを付け加えて、無理やり85分にしている…そんな感じなのだ。ストーリーは近未来のお話しで、地球はドームに覆われた統制社会の時代という設定。人々は化学合成食品を食べ、思想も統制されている。そのような時代に、絶滅の危機に瀕した動植物を3台の大型宇宙船の複数のドームに載せて太陽系の軌道を廻らせ、地球への再移植を待っている。ところが、貴重な動植物のドームを破棄・爆破して、全機地球への帰還するよう命令が下る。船員は全員、地球への帰還を喜ぶ…ただ一人、主人公のフリーマン・ローウェルを除いて。彼は、ただ一人自然の動植物を愛し、自然の食物を食べる男。彼は、貴重な動植物ドームの爆破に抵抗して孤軍奮闘する…そういうお話し。
そう言うお話しなのだけど、統制社会へのアンチテーゼなのか、環境問題なのか、孤高・孤独な男の話なのか、ロボットとの交流を描いているのか、話の中心軸が今ひとつ分からない。トランブルは、特撮者としては優れているが、演出者としての力量は今一つだったようだ。
ハードSFとしての、描写も今ひとつ。スピンドル・モジュール(※回転居住部)もないのに、宇宙船内には何故か重力があり、みんな普通に歩いたり、バギーを運転している。(スペース・ファンタジーならともかく)んなわきゃ、ないだろ!…と突っ込みたくもなる。"2001年宇宙の旅"の特撮監督トランブルとは思えない手薄さ。また、出演俳優も知らない人ばかり。主演のブルース・ダーンも、知らないし…。
Imaged by JOLLYBOY
と、たくさんの欠点を挙げ連ねてみたが、僕はこの作品を何度も見ていて、愛して止まない。最近、DVDも買ってしまった。ストーリーはともかく、この映画の中のメカ・デザインと特撮が好きなのだ。まず、宇宙船が良い…工業デザイン的なのだ(つまり実用っぽいのだ)。中学生時代、この映画の宇宙船をモチーフに、プラスチック板やプラモデルの素材を集めて、全長45cmもの巨大な宇宙船を作った。左右に動植物の透明ドームを作り、宇宙船内には豆球をいくつも仕込んで、光るように細工した。そして、これを8mmフィルムカメラで、映画をまねた動きで撮影したりした。この自家製宇宙船、我ながら良くできていたのだが、さすがに大き過ぎて邪魔になったので捨ててしまった(8mmフィルムには残っているが、今8mmフィルムを再生できる機械がない…)。
映画の中に登場するロボットのデザインも良い。これも、工業デザイン的なのだ。3台のドローンが登場する。内一台は壊れてしまい、主人公のローウェルは残りの二台に"ヒューイ"と"デューイ"と言う名前を付ける(壊れた一台は"ルーイ"にする予定だった)。このロボットのデザインのセンスが良くて、今までのSF映画のヒューマノイド型のロボット達とは一線を隔している。このデザインは、後年スターウォーズのR2D2へのデザインへと引き継がれていく。
いつも思うのだが、ストーリー(脚本と演出)の悪さは映画としては致命的だが、他の分野で"超"特出して良い所があれば、そう言う方面が好きな人にとってはたまらないものである(要は、カルト的映画ってことだけどね…)。
趣味の部屋(ビークル&アウトドアー&エトセトラ)
"自分で音楽を作ってみる"
昨年、初めて自分で音楽を作ってみた。去年の夏、仕事のデモ用オリジナルCGアニメ"アラマの大冒険"を作った時、音楽もオリジナルにしたいと思って挑戦した(キャラクターの声をプロの声優さんに頼んだので予算がなくなり、音楽と音響効果は、自分でやらなければならなかった…と言うのが実情)。
自慢ではないが、ピアノの鍵盤の"ド"の位置すらよく分からない(ホントに自慢じゃないね…)。日常の生業の映像制作ならともかく、才能も素養もまったく無い音楽制作への挑戦!
で、楽器は弾けないので、コンピューターでの作曲と演奏。コンピューターが無かったら、「音楽を作ってみよう」等とは絶対思わなかっただろう。昨年、僕が購入した音楽制作ソフトウェアは、"シンガー・ソング・ライター(バージョン4.0)"。多機能でベテランの使用にも耐えうるが、僕のようなド素人にも直感的に使えそう…と言うことで買ってみた。基本的には、音符を並べるだけで音楽を作れる…はずだったのだが、音楽の素養がないので、音符の記号の意味すらよく分からず、苦難の連続…。
アラマの大冒険/オリジナル・サウンドトラック(笑)
で、まあ、なんとか完成した。せっかく作ったので、アニメのBGMだけではもったいないと思って、オリジナルCDを作り、ラベル印刷とパッケージングもしてみた。なんとなく、それらしくなった。かなりお粗末な音楽ですが、よかったら聴いて下さいね~。下をクリックすると、音楽のコーナーに飛びます!
★アラマの大冒険のオリジナル・サウンドトラックを聴いてみる♪
今月号の引用・参考文献:
ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本
(日本ソムリエ協会)
日本ソムリエ協会 教本/2003年度版 (日本ソムリエ協会)
基礎ワイン教本/WSET編 (柴 田 書 店)
田辺由美のワインブック (飛 鳥 出 版)
田辺由美のワインノート (飛 鳥 出 版)
ワインの科学/清水 健一 著 (講 談 社)
ヒュー・ジョンソンの楽しいワイン (文 春 文 庫)
ワインベストセレクション260/浅田勝美監修 (日 本 文 芸 社)
世界ワイン大全 (日経BPムック)
ワインの世界史 (中 公 新 書)
ワイン・カタログ/ナヴィ・インターナショナル編 (西 東 社)
ソムリエを楽しむ/田崎真也 (講 談 社)
ワインものがたり/鎌田 健一 著 (大 泉 書 店)
今日からちょっとワイン通/山田 健 著 (草 思 社)
私のワイン畑/玉村 豊男 著 (扶 桑 社)
夢 ワ イ ン/江川 卓 著 (講 談 社)
永井美奈子のベランダでワイン (主婦と生活社)
ワイン この一本/戸部民夫・清水靖子編著 (毎 日 新 聞 社)
ワイン用葡萄ガイド/ジャンシス・ロビンソン (WANDS)
ワインの教室 (イカロス 出 版)
ワインついしゃべりたくなる博学知識 (河出書房新社)
オーケストラワインショップWeb配信ニュース
サイレント・ランニング (ユニバーサルPJ)
ザ・ムービー No.12 (ディアゴスチーニ)
聖書の言葉
「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。」( マタイによる福音書5章9節)