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 vol.53 2002年夏号

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JOLLYBOYのワインハウス

23.ロゼワインの魅力

 ワインと言うと、まず赤ワインと白ワインを思い浮かべる人が多いと思いますが、もう一つロゼワインも加えてくださいね~。ロゼワインは、赤ワインよりもずっと淡いピンク。とても軽くて爽やかな印象の多いのが、このロゼワイン。
 ロゼワインは、薄いピンクだからと言って、赤ワインと白ワインを混ぜたものではありません。それは、原則的に禁止されています(シャンパーニュ地方では許可されています)。赤ワインの一般的な醸造方法は、「除梗・破砕」後に「発酵」の過程があって、「圧搾」「MLF発酵」「澱引き」「樽熟成」「瓶詰め」…と進んでいきます。一方ロゼワインは、「除梗・破砕」の後に直接「発酵」させるのでなく、「マセラシオン…日本語的には、果皮侵漬・かもし」という過程を得ます。マセラシオンとは、葡萄の果皮や種子からの色素とタンニンが葡萄の果汁に移行することです。赤ワインは、色が着いた後そのまま発酵へと進みますが、ロゼワインの場合は薄く色が着いた時点で果汁から果皮や種子を取り除きます。そして「圧搾」した後に、発酵を行います。それで、ロゼワインは濃い赤にならずに薄いピンク色をしているのです。早めに果皮や種子を取り除くということは、それだけタンニンなどが少ないと言うことで、赤ワインのような渋みがなく爽やかなのです(当然ポリフェノールも少ないわけですが)。
 赤ワインや白ワインに有名な産地があるのと同様に、ロゼワインにも有名な産地がいくつもあります。僕の好きなロゼワインに、フランスのロワール地方アンジュ地区のロゼ・ダンジュがあります。シャンパーニュ地方のロゼも、優れています(ロゼ・ダンジュより高価ですけど)。南フランスにもロゼワインの産地が数多くありますし、フランス以外にも多くの優れたロゼ・ワイン産地があります。
 ロゼ・ワインの優れた点は(僕が勝手にそう思っているだけですが)、いろんなシチュエーションで飲めることかなぁ…と思っています。重めの赤ワインは肉料理などでないと合い難いし、フレッシュな赤ワインであってもあの渋みを嫌う人も多いようです。白ワインは、甘めのものはデザートワインには向きますが、一般の料理に合わせるのはちょっと難しいですね…辛口の白ワインだと、魚とか色々と幅広く合いますけど。色々な料理に合うと言う点では、ロゼワインがいいかなぁ…と個人的には思っています。海鮮料理やピザやパスタ、そして唐揚げや枝豆や軽いスナック菓子に至るまで色々と合うかなぁ…と思っています(ロゼワインにも甘口から辛口までありますので、人や料理を見ながら選ぶと良いでしょう)。ちょっとしたホームパーティーや花見などに、ぜひお試し下さい。



ロジャー・ゴーラート カヴァ・ロゼ・ブリュット ロジャー・ゴーラート カヴァ・ロゼ・ブリュット

 お手軽な価格のワインを紹介するシリーズの第三回は、スペインのワインです。このコーナーで、スペインのワインを紹介するのは初めてです。フランスやイタリアのワインに比べてマイナー感があるかもしれませんが、スペインのワインには優れたものが多いのです。19世紀半ばにフランスでフィロキセラ(※葡萄の根を荒らす害虫)害でワイン造りが壊滅的打撃を受けた時、フランスのワインの造り手たちがピレネー山脈を超えてスペインにやって来たのです。フィロキセラはピレネー山脈を越えて来ることはできず、彼らはスペインで葡萄とワイン造りに励みました。そしてスペインのワインの品質は、ぐんと上がりました。
 今回ご紹介するのは、"ロジャー・ゴーラート"の"カヴァ・ロゼ・ブリュット"。発泡性の辛口のロゼワインです(スペインの瓶内二次発酵の発泡性ワインを、"カヴァ"と呼びます。発泡性ワインについては、別途後日取り上げたいと思います)。この会社、1882年創業と言う物凄い歴史を持つ老舗で、地価セラーには、100年もの間、選びぬかれた何千本ものボトルが眠っているそうです。
 さて、高級シャンパーニュのロゼに匹敵するとも言われるこのワイン、とても爽やかな香りと味を持ち、繊細な泡がグラスの底から長く昇ってきます。口に含むと、完熟苺のような華やな香り、そしてチェリーの風味が口に広がります。フランス産で同等の発泡性ワインを買おうと思ったら、とてもこの価格では買えないでしょう。私のお気に入りのスパークリングワインの一本です。


参考データ:スペイン産 1,800円


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感想(1323件)






映画"この一本!"29 「アルタード・ステーツ 未知への挑戦」

 さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。

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アルタード・ステーツ 未知への挑戦 [DVD]

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 "アルタード・ステーツ"…この映画、あまり話題にならなかった。1980年に上映されたSF映画なのだけど、この年日本では"スターウォーズ・帝国の逆襲"や"スター・トレック"といった、超大作SF映画がヒットしていた。その影で、この映画はB級SF映画の観を否めなかった…と言うか、「そんな映画あったの?」と言う人の方が多いかもしれない。
 この映画は、奇才ケン・ラッセル監督の初めてのSF映画なのだ。そして、今は名優となったウィリアム・ハートのデビュー作なのだ。初めての二人に加え、他に有名な俳優も出ていないし、どうしてもマイナー感がかもし出されてしまう。
 この作品は、20世紀の半ばにはやった(心理学で有名な)"感覚遮断実験"がモチーフに使われている。感覚遮断実験とは、真っ暗な水溶液のタンクに長時間プカプカ浮いて、五感をすべて遮断されているとどうなるか、と言う実験である。被験者は次第に現実感を消失し、幻聴や幻覚を催すことが分かっている。
 この映画の主人公の生理学者エディは、10パーセントの硫酸マグネシウム液にプカプカ浮いて現実から逃避している。彼は、記憶から意識の原点へ遡れるという自説を証明するため、メキシコの先住民から強力な幻覚作用を引き起こすキノコを手に入れる。キノコを用いた実験を重ねていくうちに、エディは意識の原点に遡り始めたが、意識だけでなく肉体も過去へ遡り始める。彼の肉体は原人に遡り、最終的に原始の記憶にまで遡る。そして、その先にエディを待っていたものは…。と言う映画である。


アルタード・ステーツImaged by JOLLYBOY

 この映画は、"ゴシック"などを作ったケン・ラッセルの映画らしく、現実と幻想が入り混じったストーリーである。宗教的なモチーフ&イメージも、頻繁に使われている。一時期、この映画に僕がはまったのは(ビデオで5回以上見ている)、僕がSF好きだからというだけでなく、心理学にも興味があったからだと思う。この映画のDVDを買ってから改めて見たが、やはり独特の雰囲気を持った映画だった。









ビークル&アウトドアー&エトセトラ "野菜と果物を育てる"

 さて、この春に僕はトマト(桃太郎トマトとミニ・トマト)とイチゴ(四季成りイチゴ)を育てることにした。今までサボテンとバジルを育ててきたが、本格的に野菜と果物を育てるのは初めて。

桃太郎トマトとミニ・トマト トマトとイチゴの種をタッパーで育てる

 まず5月にトマトとイチゴのパレットを各4個づつ計八個を買い、それぞれをタッパーに入れて乾燥土を水で戻す。&モスバーガーでもらったミニ・トマトも育て始める。

桃太郎トマトの芽が出たところ 桃太郎トマトの芽が出たところ

 1~2週間もすると、トマトもイチゴもすんなり芽を出した。日当たりがとても良い窓際に置き、πウォーター水をあげている。その後、順調に育っていく。

トマトとイチゴを鉢に植え替え  トマトとイチゴを鉢に植え替え

 六月も後半に差し掛かる頃、トマトとイチゴを(ついでにハーブも)、6個の素焼きの鉢や(ピーターラビットの)プランターなどに植え替える。秋には実を付ける予定なので、うまくできたらお知らせします。では、では。



今月号の引用・参考文献:
ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本
                        (日本ソムリエ協会)
基礎ワイン教本WSET編             (柴 田 書 店)
田辺由美のワインブック              (飛 鳥 出 版)
ワインの科学           清水 健一 著  (講  談  社)
ヒュー・ジョンソンの楽しいワイン         (文 春 文 庫)
ワインベストセレクション260 浅田 勝美 監修 (日 本 文 芸 社)
世界ワイン大全                  (日経BPムック)
ワインの世界史                  (中 公 新 書)
ワイン・カタログナヴィ・インターナショナル編    (西  東  社)
ソムリエを楽しむ田崎真也              (講  談  社)
ワインものがたり         鎌田 健一 著 (大 泉 書 店)
今日からちょっとワイン通      山田 健 著  (草  思  社)
私のワイン畑           玉村 豊男 著  (扶  桑  社)
夢ワイン              江川 卓 著  (講  談  社)
永井美奈子のベランダでワイン            (主婦と生活社)
ワイン この一本     戸部民夫・清水靖子編著 (毎 日 新 聞 社)
ワイン用葡萄ガイド    ジャンシス・ロビンソン   (WANDS)
ワインの教室                   (イカロス 出 版)
ザ・ムービー 1980年           (ディアゴスティーニ)
アルタード・ステーツ             (ワーナーブラザース)


聖書の言葉

「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく栄華を極めたソロモンでさえ、この花一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。」   (マタイによる福音書 6章28~31節)