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 Vol.45  2001年7月号

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ピーナッツ・シリーズ探検隊

7.ピーナッツの野球チーム

 ピーナッツには、様々なスポーツが登場する。野球、フットボール、ゴルフ、テニスにアイススケート。作者チャールズ・M・シュルツは、中でもアイススケートが大好きでスケート・リンクを所有し、地域社会に解放している。しかし、ピーナッツで最も登場回数の多いスポーツは、「野球」である。
 しかし、監督チャーリー・ブラウン率いる野球チームは、決して勝つことが無い。40対0とか、時には184対0とかの圧倒的大差で負ける。実は、これは他のプロットやアイデアと同様に、シュルツの体験に基づいている。彼は少年時代、ピッチャーとしてノーヒット・ノーランで相手チームを抑えたこともある一方で、彼の率いるチームが40対0で負けることもあった…好不調の波が激しかったようだ。一方、ピーナッツのチームは、「不」調ばかりである(熱血野球漫画ではないので、ピーナッツが勝っても誰も喜ばない)。
 さて、そんな負け続きのチームだが、一体メンバー構成はどうなっているのだろう?実のところ、この漫画でフィールド全体が描かれたことはない。よって、過去の膨大な量の漫画から類推するしかない。そして、私はそれに挑戦してみた。驚いたことに、メンバーもポジションも頻繁に変わっている。まあ、草野球チームなので、当然と言えば当然なのだが。
 近年のピーナッツでは、チャーリー・ブラウンがピッチャーで、シュローダーがキャッチャーというバッテリーが定番だが、初めからそうではなかった。チャーリーが外野を守っていたり、シュローダーがサードを守っていたりする。ビッグ・ペンはセカンドを、スヌーピーは外野を、ライナスがライトやセンターを…と、そのバリエーションは豊富で、ポジションは流動的。この他のメンバーとして、シャーミーやバイオレットやパティがいたことは、間違いない。
 ルーシーは、後発参加組だ。ルーシーはまったく野球を知らず、飛んでくる球はすべて落す、最低のプレーヤーとして描かれている。しかし、登場当初からそうではなかった。最初は、どんな球でも軽くさばくスーパープレーヤーで、わざわざ請われて、鳴り物入りで入団してきたのである。しかも内野手!それが、チーム最悪のダメ・プレーヤーに変貌して外野ライトへコンバートされる。しかし、減らず口は相変わらず達者である。フリーダも、ルーシーと同じく後発参加組の一人。
 そうこうしている内に、チームのメンバーの顔とポジションが固定していく。とあるシーンでは、9人中8人が顔を揃える珍しいカットも登場する(チャーリー、シャーミー、ライナス、シュローダー、パティ、ルーシー、バイオレット、ビッグ・ペン、そしてスヌーピーの、7人と一匹)。ポジションは、私は次のように類推している。ピッチャーはもちろんチャーリー。キャッチャーはシュローダー。ファースト、ビッグ・ペン。セカンド、ライナス。ショートストッパー、スヌーピー。サード、シャーミー。ライト、ルーシー。センターとレフトは、パティ、バイオレット、フリーダの交代制。こうして見ると、負け続きのチームにしては、内野陣はけっこうしっかりしている。シャーミーやビッグ・ペンが失敗するシーンは、ほとんどない。スヌーピーとライナスのゲッツー・コンビもなかなか良い相性。キャッチャーは、冷静沈着・頭脳明晰のシュローダー。しかし、いかんせん、全部外野へ打ち返される鈍(なまく)ら球のピッチャーと、どんなイージーボールも取れない"口だけ"外野陣では、チームを守りきれない(せめて、チャーリーが内野ゴロを打たせるだけの技術があれば話は別なのだが)。そんなダメ・チームでも、勝ったことがある。それはチャーリーが、いじけてチームを抜けていた時だった。チャーリーにとって、正に「やりきれない」勝ちだった。
 チャールズ率いるチームは、何度も危機を迎える。勝てないダメ・チームに嫌気が差し、みんながチームを辞めてしまったり、シュローダーがベートーベンを弾くためにチームを辞めたので、みんなも怒って辞めてしまったり、スポーツ・センス抜群のペパーミント・パティ達が入ってきて、チャールズ達が外野に回されたり(結局、ペパーミント・パティ達は、自分たちのチームを作ってしまい、ダメチームの元を去る)と。何度も危機に見舞われるが、愛しきピーナッツ・チームはそれを乗り越えてきたのだった。
 ちなみに、シュローダーはあるシーズンのチームの記録を取っている。20戦全敗。全得点は、6点(相手は3,040点!)。ヒット11本(相手は4,900本)。エラー数300(相手は19)。惨憺(さんたん)たる成績である。ライナスは、チャーリー・ブラウンを励ますために言う。「負けることから学ぶことも多いよ。」すると、チャーリー・ブラウン。「それなら、僕は世界で一番学んでいるよ。」がんばれ、チャーリー・ブラウン!


ピーナッツのチーム ピーナッツのチーム 「マイ・ピーナッツ・ノートブック」より


ピーナッツ・グッズ 7 "ピーナッツの時計の数々"

 ピーナッツのグッズのテリトリーは、多範囲に渡っている。衣料、食品、日曜雑貨から、アクセサリーやおもちゃに至るまで、本当に幅広い。僕が持っているものだけでも、今までこのコーナーで紹介したグッズ以外に、コップ、ビアマグ、お皿、電灯コード、団扇、ゴルフグッズに、エプロン、灰皿に至るまで、とても紹介しきれない。世界中のすべてのピーナッツグッズのすべてを揃えた人は、未だかつて世界中に一人もいない。おそらく、一般人なら全財産を注ぎ込んでも、その10分の1も集めることは、恐らく不可能…。それほどまでに、恐ろしい数が出回っているのだ。それが分かっていても、つい買ってしまうのだ。
 で、今回ご紹介するのは、時計。ピーナッツの時計は、本当に種類が多い。高価なファッション腕時計も多い。僕は、ピーナッツ時計を4つだけ持っている。2つは、壁掛け時計で、1つは振り子時計、もう1つは目覚し時計。いずれもお気に入りだ。これらは、比較的安く買えるので、ピーナッツファンにはお薦めです。


ピーナッツ時計たち ピーナッツ時計たち

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ピーナッツ スヌーピー 野球 ベースボール 壁掛け時計 ラージサイズ 【RCP】

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映画"この一本!"21 「突 撃」

 さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。

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 故スタンリー・キューブリックの代表作と言えば、"2001年宇宙の旅"である…と多くの人が答えると思う(僕も同様だ、と言うより2001年宇宙の旅は僕の仕事を決める要因の一つにさえなっている)。では、キューブリックの2番目の代表作を挙げろと言ったら、みんな何を挙げるのだろう。ある人は、"時計仕掛けのオレンジ"かもしれない。ある人は、"博士の異常な愛情(注:本当の題名はもっと長い)"かもしれない。ある人は、"シャイニング"かもしれない。いやいや、馬鹿を言っちゃ困る"アイズ・ワイドシャット"だ!というかも知れない。どれも、名作だ。"ロリータ"はどうなんだろう…、少なくとも、"スパルタカス"や"バリー・リンドン"は外していいだろう…とか。
 でも、僕は敢えて"突撃"を挙げたい。キューブリックの、1957年の作品。キューブリックの良いところも、悪いところも全部出ているような、後の作品の出発点のような作品。手持ちカメラのリアリティは、後の"フルメタルジャケット"に通じるものがあるし、一筋縄でいかないストーリー展開は正にキューブリック。って、評論家の口調になってしまいましたが、理屈はともかく面白い映画なのです、"突撃"は。

突撃
Imaged by JOLLYBOY

 どんなストーリーかと言うと、戦時中のフランス軍のお話し。最前線のダックス大佐のもとに、参謀本部から無謀な命令が下るの。どう考えても無理な作戦で、やってみたらやっぱり致命的な大失敗。で、将軍は責任を取りたくないから、この責任を3人の兵士に押し付けようとするの。無実なのに。適当に罪状をくっ付けて逮捕するのね。ダックス大佐は元弁護士だったから、この3人を弁護するの。でも、3人の無実を証明するには、将軍の責任を証明しなければならない…絶望的な裁判なのですね、中間管理職の課長が部下の平社員を守るために社長を問い詰めるようなもので、元々無理な裁判なの。これがスリリングに、どんどん展開されていく。キューブリックらしく、軍事政略を辛辣に批判した傑作なんですよ。これ、題材をバブル期の投資に失敗した会社に置き換えたら、現代日本でも身に迫るものがありますよ。

 主演のダックス大佐を演じるのは、カーク・ダグラス(マイケル・ダグラスの親父さんです)。キューブリックの初期の作品なので荒削りなんだけど、面白いのでビデオを買ってしまいました。お薦めです。



ビークル&アウトドアー&エトセトラ

"ダットサン一号車"

 仕事で銀座に行くと、日産本社前を通る。しばらく改装工事していたが、先日通ったらギャラリーが新しくなっていた。新型スカイラインは元より、歴代のスカイラインを初め、永久保存版のダットサン一号車も展示してあったので、デジカメで撮影した。
 正式名称、ダットサン・11型フェートン。1932年生産。エンジンは495ccの水冷4気筒で、パワーは10馬力。全長はなんと3メートルを切っていて、2メートル71センチ。僕は、こういうコンパクトな車が好きだ。形をこのままで、エンジンや装備を最新にしたダットサンなら乗ってみたい。


ダットサン1号車 ダットサン1号車



引用・参考文献:

ピーナッツ・シリーズ旧刊/1~35,37~39,42~48,51,52,54,55,72
                      (ツルコミック&角川)
ピーナッツ・シリーズ新刊全26巻         (角 川 書 店)
スヌーピーと生きる/チャールズ・M・シュルツ伝
     リタ・グリムズリー・ジョンスン著   (朝 日 新 聞 社)
スヌーピーと仲間たちの心の時代/広淵 升彦 著  (講  談  社)
スヌーピーたちの性格心理分析/A.J.ツワルスキー著  (講  談  社)
知ってるつもり・チャールズ・M・シュルツ     (日 本 テ レ ビ)
朝日新聞・チャールズ・M・シュルツ死亡記事
映画・スヌーピーとチャーリー/スヌーピーの大冒険
ピーナッツTVシリーズ・ビデオ
OH! GOOD GRIEF!/VINCE GUARALDI        (ワーナー・ブラザース)
A Charlie Brown Christmas/Vince Guaraldi Trio  (スター・バックス)
LINUS & LUCY/THE MUSIC OF VINCE GUARALDI/George Winston
                         (Fun House)
突 撃                (ワーナー・ホーム・ビデオ)


聖書の言葉

「正しい者はいない。一人もいない。悟る者もなく、神を探し求める者もいない。皆迷い、だれもかれも役に立たない者となった。善を行う者はいない。一人もいない。彼らののどは開いた墓のようであり、彼らは舌で人を欺き、その唇には蝮の毒がある。口は、呪いと苦味で満ち、足は血を流すのに速く、その道には破壊と悲惨がある。彼らは平和の道を知らない。彼らの目には神への畏れがない」。(ローマの信徒への手紙 3章10~18節)