JOLLYBOY'S NEWS JOLLYBOY TIMES
 Vol.41  2001年3月号

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ピーナッツ・シリーズ探検隊

3.ピーナッツ・キャラクターの変遷について

 さて、ピーナッツ・シリーズには、数多くのキャラクターが登場している。ファンでもなければ、とうてい全部は覚えられない。しかし、連載当初のキャラクターの数は限られていた。スタート当初は、チャーリー・ブラウン、シャーミー、パティやスヌーピーで、まもなくヴァイオレットやシュローダー、ルーシー、ライナスが加わっていく。しかし、シャーミーやパティ、ヴァイオレットにはスター性が欠け、次第に紙面から遠ざかっていく。
 連載の経過と共に主要メンバーが変わっていくだけでなく、絵そのものも変化を遂げていく。スタート当初のピーナッツのキャラクターは、シュルツが1947年に地元紙「セントポール・パイオニア・プレス紙」に載った彼の漫画"リル・フォークス"の登場人物の絵質に近い。ここには、ピアノを習う男の子や、ペパーミント・パティのような女の子、スヌーピーのような犬、そしてチャーリー・ブラウンという名の男の子さえいた。彼らは、今皆が目にしているピーナッツ・キャラクターよりも、より幼児体型だった。初期のピーナッツは、このリル・フォークスの絵質に近かったのである。。

チャーリー・ブラウンの変遷 チャーリー・ブラウンの変遷 「マイ・ピーナッツ・ノートブック」より

 しかし、次第にキャラクターは、幼児体型から児童体型へと変化していった。しかし、これも今我々がメディアで見る洗練されたキャラクターとは違う。それが中期には、今のようなキャラクターに進化していく。キャラクターだけでなく、背景なども遠近法的を駆使した絵から、よりシンプルな線の背景へと洗練されていく。キャラクターの個性も、初期には試行錯誤・・・悪く言えば混乱・・・が見られ、次第にそれぞれの役割・個性を担っていく。内容的にも、初期には大人達の声が登場していたり(中期以降では考えられない)混乱が見られるが、次第に傾向が定まっていく。
 このように、ピーナッツは時代と共に洗練されていった。中でも、キャラクターの洗練度は目で見えるので、最も分かりやすいのである。我々が、今メディアで目にするキャラクターは、この洗練された後のものである。

ピーナッツ・グッズ 3 "ワーク・シャツ"

 今回ご紹介するピーナッッ・グッズは、バックにキャラクターが刺繍された長袖のボタンダウン・シャツ。単なる印刷プリントでなく、刺繍というところが手が混んでいてうれしい一品。過去何度か着たのだが、今は年齢的にもなかなか着る機会がないので、現在壁に飾ってある。

ピーナッツ・キャラクター・シャツの刺繍 ピーナッツ・キャラクター・シャツの刺繍

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映画"この一本!"17 「カイロ紫のバラ」

 さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。

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 「カイロ紫のバラ」。この映画をご存知だろうか。1985年の映画。この時、私はまだ高校生で、娯楽大作映画しか見ていなかったので、この映画はロードショーではなく後にビデオで見た。ウッディ・アレンの映画は、今でこそ色々見るが(ウッディ・アレンの"カメレオンマン(原題:Zelig)"とか"アニー・ホール"が好きで、わざわざビデオを買ったほどである)、当時そんな映画に興味はまったくなかった。。

カイロ紫のバラ
Imaged by JOLLYBOY

 ウッディ・アレンの映画は、自分が監督と主演の両方を努めるものと、監督だけを努めるものがある。この映画は、後者の映画。主演はミア・ファローとジェフ・ダイエルズ。ウッディ・アレンの映画は、基本的にコメディーをベースにしたものだが、ハリウッドのドタバタものとは一線を画し、(ニューヨーク的に?)知的な洗練されたものである。この映画も、ラブ・コメをベースにしているが、ラストではとても切なさが胸に残る映画である。
 ストーリーはと言うと、1930年代の不況下のアメリカを舞台にしている。失業中の夫に代わって、ウェイトレスとして働く主人公の女性セシリア。彼女の唯一の楽しみは、大好きな映画を繰り返し見ることだった。ある日もまた、大好きな映画「カイロ紫のバラ」を見ていると、スクリーンの中から突然映画の主人公トムが語りかける。「やあ、君また見に来たね。」そして、トムはスクリーンから飛び出てきた。非現実世界と現実世界の二人は恋に落ち、一方で映画会社では大混乱が巻き起こっていた。ラストの感動は、ぜひご覧になって下さい。



ビークル&アウトドアー&エトセトラ

"心の中のヒーロー・その3 "デビルマン"

 僕らの小さい頃、漫画にはきら星の如く多くのヒーロー達が輝いていた。そこには、独特の世界観とストーリーがあり、現在のようにキャラクターを売らんが為のとってつけたようなヒーロー像やストーリーとは、明らかに一線を画していた。中でも、デビル・マンは異彩を放っていた。永井豪独特の下手な絵(笑)、ウルトラマンを代表する勧善懲悪のヒーロー像とは違ったダークなヒーロー像。ダンテ神曲を思わせるような、そして善悪を逆転した斬新な世界観。もちろん、私の持つ世界観とはまったく別のものだが、既成概念を覆したヒーロー・コミックだった。しかしテレビ版では、そういう世界観を構築することが不可能だったようで、デザインも、ストーリーも、お子様向けに近いアニメになってしまったのは残念である。

デビルマン・等身大ヘッドフィギュア デビルマン・等身大ヘッドフィギュア

 上の写真は、初期のコミック版のデビルマンをリアルに再現した、等身大のヘッド・フィギュアである。フィギュア・コレクターでもない私が、何故こんなものを持っているかというと、友人がこういったものの制作・販売を行う会社をやっていて、安くするから買わないかと言われて(特段欲しくもなかったが)、半分義理で買ったものである(ちなみに、プレミアものなので、今売買すると10万円近くすると聞いたが、興味は無い)。滅茶苦茶重くて、大きいので置き場所に困っていて、今は正に私の後ろに置いてある。パソコンを打つ時は、いつもデビルマンに背中を睨まれているのだ。



引用・参考文献:

ピーナッツ・シリーズ旧刊/1~35,37~39,42~48,51,52,54,55,72
                      (ツルコミック&角川)
ピーナッツ・シリーズ新刊全26巻         (角 川 書 店)
スヌーピーと生きる/チャールズ・M・シュルツ伝
     リタ・グリムズリー・ジョンスン著   (朝 日 新 聞 社)
スヌーピーと仲間たちの心の時代/広淵 升彦 著  (講  談  社)
スヌーピーたちの性格心理分析/A.J.ツワルスキー著  (講  談  社)
知ってるつもり・チャールズ・M・シュルツ     (日 本 テ レ ビ)
朝日新聞・チャールズ・M・シュルツ死亡記事
映画・スヌーピーとチャーリー/スヌーピーの大冒険
ピーナッツTVシリーズ・ビデオ
OH! GOOD GRIEF!/VINCE GUARALDI        (ワーナー・ブラザース)
A Charlie Brown Christmas/Vince Guaraldi Trio  (スター・バックス)
LINUS & LUCY/THE MUSIC OF VINCE GUARALDI/George Winston
                         (Fun House)
デビルマン 全5巻             (講談社・漫画文庫)
ザ・ムービー 1981年         (ディアゴスティーニ)



聖書の言葉

「知らないのですか。あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿であり、あなたがたはもはや自分自身のものではないのです。あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。だから、自分の体で神の栄光を現しなさい。」(コリントの信徒への手紙 6章19、20節)