Vol.44 2001年2月号
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2.ピーナッツ・シリーズについて
チャーリー・ブラウンやスヌーピー達が活躍するコミックのシリーズは、ピーナッツ・シリーズと呼ばれる。このコミックを読んでいて、子供心に「何故、ピーナッツという題名なのだろう」と不思議に思っていた。
前回、シュルツがニューヨークのユナイテッド・フィーチャー・シンジケートに漫画の原稿を持ち込み、その日のうちに契約が示されたことを述べた。ごく一般的な5年契約で、利益はシンジケートと漫画家で折半。もちろん、シュルツの答えは"イエス"である。しかし、それと同時に大きな決定が、シンジケート側から届いた。新しい漫画のタイトルは、"ピーナッツ"にする。これは、社の一存だった。シュルツは、とてもがっかりした。彼にとっては、"ピーナッツ"という言葉には、「とるに足らないもの」「つまらないもの」の意味しかなかった。シュルツは、この漫画のタイトルを「チビッコたち(原題:リル・フォークス)」にしたかった。彼は、このタイトルに固執していたのである。
しかしそのタイトルは、すでに彼らの社が配信していた漫画"リトル・フォークス"とあまりにそっくりだったし、当時一番人気の"リル・アブナー"とも紛らわしかった。そこで、シンジケートでは、4~5人がタイトル候補を出し合ったのである。社長のラリー・ラットマン、販売部門のハリー・ギルバード、営業担当のジム・ヘネシー、制作担当責任者のビル・アンダーソン、編集者のジム・フリーマンがその場にいた。制作担当のビルが提案した"ピーナッツ"という案にみんなが飛びついた。小さい子は、"ショーティー"や"ミッジ"(いずれもチビの意味)でなければ、"ピーナッツ"と呼ばれていた。シュルツの描く漫画は、こうして「ピーナッツ」と決定したのである。
ピーナッツ・シリーズ ツルコミック第一巻 「アッカベー・チャーリー・ブラウン」
シュルツの意志に関係なく、シリーズの名前は"ピーナッツ"に決定し、1950年10月2日、"ピーナッツ"はデビューした。最初の掲載紙は、たったの7紙。その名を挙げると、「ワシントン・ポスト」「シカゴ・トリビューン」「ミネアポリス・スター・トリビューン」「アレン・タウン・コールクロニカル」「デンヴァ・ポスト」「ベスレヘム・グローブタイムズ」「シアトル・タイムズ」である。そのうち、二紙はさっさと掲載中止を決めた。その後も、18~20紙というあり様で、ピンチだった。販売担当部門の責任者は、宣伝プランを立て実行に移した。こうして、ようやく2年目に入って上向きの兆しが見えた。その後の大ヒットへ道のりは、私が述べるもでもない。皆さんが、目にした通りである。
ピーナッツ・グッズ 2 "ピーナッツ・フィギュア・1"
さて、このコーナーでは、世の中に無数と言えるほど存在するピーナッツ・グッズの中から、毎回厳選して一つづつ紹介していこう!という、ピーナッツ・マニア向けコーナー。
ピーナッツ・シリーズ関連グッズの数の多さは、ディズニーのミッキーグッズに引けを取らない。しかも、日本のグッズの多さは、本家アメリカよりも上であることをご存知だろうか?もっともポピュラーなグッズは、縫いぐるみやフィギュアである。私は、決してフィギュア・コレクターではないのだが、けっこうピーナッツ関連のフィギュアを持っている。上側の写真のフィギュアは、ルーシーが陶器製(バネで首を振る)、チャーリー・ブラウンとスヌーピーが塩ビ製(犬の噛み付き用おもちゃ)である。
ピーナッツのフィギュア
下側の写真は、私が前の会社を辞める時、スタッフの女の子が(ぼくがピーナッツ・ファンであることを知っていたので)くれた、ルーシーとチャーリー・ブラウンとスヌーピーのびっくり箱である。世界中には、信じられないほどの多くの、ピーナッツ・フィギュアや縫いぐるみが存在するので、「絶対コレクションはすまい!」と心に決めている。
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映画"この一本!"16 「エド・ウッド」
さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。
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"エド・ウッド"って言う映画知ってる?奇才ティム・バートン監督が、実在の史上最低の映画監督と呼ばれる"エド・ウッド"への愛を込めて作った映画。僕は、この映画が大好きで何度見たか知れない。1994年の作品で、主演のエド・ウッド役をジョニー・デップが演じる。エド・ウッド監督って聞いた事ある?僕は、エド・ウッドの作った作品を3本見た。"グレンとグレンダ"、"怪物の花嫁"そして"プラン9・フロム・アウタースペース"。どれもこれも見ていて辛抱が必要で、見終わると腹がたってしょうがない。エド・ウッドには、映画に対する情熱も知識もあった。ただ一つ「才能」がまったくなかったのだ。
Imaged by JOLLYBOY
エド・ウッドの作品はつまらないが、彼の人生を描いたバートン監督の映画"エド・ウッド"は面白い。エド・ウッドは、女装趣味の男を扱った映画で監督デビュー。その後、往年のドラキュラ俳優"ベラ・ルゴシ"に出会い、彼を主演に映画を撮る。考えられないほどの低予算で、チープなホラー映画やSF映画を撮り続けるエド(使いまわしのフィルム、ベニヤ板のコクピットや、お皿をつるしたUFOなど、絶句・・・)。本人は満足しているのに、周囲の評価は最低!しかし、どんな状況下でも屈しないエド・ウッドの生き方は、見ていて痛快!他人の評価など関係ない、むしろ自分がどう生きたいのかが大切なのだ!そんなことを思い出させてくれる、勇気の出る一本です。
ビークル&アウトドアー&エトセトラ
"心の中のヒーロー・その2・ウルトラ・セブン"
僕は、ウルトラ・セブンが大好きである。どのくらい好きかと言うと、DVDの全12巻を揃えてしまったくらい好きである。何度見たか知れない。子供の頃、みんなが好きになるのは、通常ウルトラマンだった。しかし、僕はウルトラセブンの方が好きだった。当時は、それが何故かは分からなかった。マシンや宇宙人の造形美だけではない。今思うと、独特の世界観があった。実相寺昭雄監督を始めとする、独特の演出。脚本家も演出家も、みな子供向け怪獣番組を作ろうなどと思ってもいない。目に見えるドタバタ劇でなく、心の問題に触れようとしていた。そう、大人に通用する"ドラマ"を作ろうとしていた。
そして世界観。ウルトラマンは怪獣と戦う。怪獣は、本能に従って暴れるだけ。しかし、ウルトラセブンは、宇宙人と戦う。彼らは、高度な知能と文明を持つ。そこには勧善懲悪では描ききれない、思想というものが入り込んでくる。地球と地球防衛軍側(つまり人間側)が間違いを犯し、明らかに"悪"の側に陥っている回が、何度かある。その背景には泥沼化しているベトナム戦争があり、「アメリカ=正義」ではない、正義とは必ずしも一方が決められるものではない・・・という考えが明らかに存在する。脚本家の金城哲夫氏が、沖縄出身ということも大きく影響している。日本とアメリカの矛盾を一気に背負った沖縄。日本やアメリカの説く正論が、沖縄では空々しく聞こえる・・・これが、ウルトラ・セブン&地球防衛軍=必ずしも正義でない、と言う複雑な物語の背景となっている。
子供心に、このウルトラセブンの独特な世界観がとても斬新なものに感じられ、心をひかれたのだと思う。
僕は決してアニメお宅でもフィギュア・コレクターではない、と何度も述べているが、上の写真はウルトラマン・シリーズとウルトラ・セブンシリーズの指・人形である。
引用・参考文献:
ピーナッツ・シリーズ旧刊/1~35,37~39,42~48,51,52,54,55,72
(ツルコミック&角川)
ピーナッツ・シリーズ新刊全26巻 (角 川 書 店)
スヌーピーと生きる/チャールズ・M・シュルツ伝
リタ・グリムズリー・ジョンスン著 (朝 日 新 聞 社)
スヌーピーと仲間たちの心の時代/広淵 升彦 著 (講 談 社)
スヌーピーたちの性格心理分析/A.J.ツワルスキー著 (講 談 社)
知ってるつもり・チャールズ・M・シュルツ (日 本 テ レ ビ)
朝日新聞・チャールズ・M・シュルツ死亡記事
映画・スヌーピーとチャーリー/スヌーピーの大冒険
ピーナッツTVシリーズ・ビデオ
OH! GOOD GRIEF!/VINCE GUARALDI (ワーナー・ブラザース)
A Charlie Brown Christmas/Vince Guaraldi Trio (スター・バックス)
LINUS & LUCY/THE MUSIC OF VINCE GUARALDI/George Winston
(Fun House)
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聖書の言葉
「憐れみ豊かな神は、わたしたちをこよなく愛してくださり、その愛によって、罪のために死んでいたわたしたちをキリストと共に生かし、-あなたがたが救われたのは恵みによるのです-キリスト・イエスによって共に復活させ、共に天の王座に着かせてくださいました。」(エフェソの信徒への手紙2章4~6節)