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 Vol.38 2000年12月号

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メリークリスマス!



JOLLYBOYのワインハウス

16.ワインと料理の組み合わせ

 さていよいよ年末、20世紀の最後の月。仲間や家族と、ワインやシャンパンなどを飲む機会も多いのではないでしょうか?本来ワインは、料理と一緒に食べてその本領を発揮するもの。そこで、難しいと思われている"ワインと料理の合わせ方"のヒントを、今回は見てみましょう。
 一般によく言われるのが、肉には赤ワイン、魚には白ワインと言われます。これは一般論であって、ワインも料理も千差万別!もっと自由な組み合わせが可能です。しかし、料理の種類と言うのはあまりに多いので、いきなり組み合わせを覚えるのはたいへん…。そこで、組み合わせの留意点を挙げてみましょう。


①軽い料理には軽いワイン…僕はパスタやピザなどには、イタリアやフランスのフレッシュなワインをよく合わせています。とても良く合います。

②重い料理には重いワイン…僕はレストランなどに行った時、肉料理にはボルドーを初めとする辛口の重いワインを合わせます。赤ワインのタンニンは渋いですが、肉の脂にはぴったり合って、ワインの旨味と肉の旨味の両方を引き上げます。

③ワインを使った料理には同格ワインか格上ワイン…(僕はまだ食べた事無いですが)有名なワインを使った料理にジュブレ・シャンベルタン(ブルゴーニュの赤ワイン)を使ったコック・オーヴァンと言う鳥の料理がありますが、同格以上のジュブレ・シャンベルタンを合わせないと、せっかくの料理に風味が負けてしまいます。

④地方料理には地方のワイン…日本酒でもそうですが、その地方の料理(地理や気候等の風土や素材をベースにしている料理)に合ったお酒が作られます。ワインも同様です。例えば、"生ガキにシャブリ(極辛口白/フランス・ブルゴーニュ)"、"牛肉のトマト煮込みにキアンティー(赤/イタリア・トスカーナ)"なども地方の特産品や風土に合わせています(だから"同じような"料理でも日本ではそのワインが合わなかったりしますが、これは素材やソースが全然違うからで、現地の物を食べて初めて納得したりします)。

⑤格の高い料理には格の高いワイン…僕も滅多に経験できませんが、シェフがよりをかけて作ったワインでも、ワインが安いと料理が台無しになります(これは逆もそうで、ピザにボルドーの一級ワインを合わせても苦いだけでおいしくないのと同様です)。料理に使われている素材が高級なものであったり、ソースがとても熟成されたものであったりした場合、ワインも重く熟成されていないと合いません。

 さて色々と組み合わせ例を挙げてきましたが、これにこだわらなくてもOKです。事実、私の知人は焼肉を食べる時、白ワインを飲んで「うまい!」と言ってます。その人がおいしければ、それでOKです(本当に質の良いソムリエは、その辺のことをわきまえていて、お客の意志に反してまで特定のワインを薦めたりしません)。
 僕はたまにしか料理は作らないので、日常良く食べるものに合うワインを探しています。例えば、ポテトチップには"ドイツ・モーゼル地方のリースリング種のフレッシュなワイン"とか、チーズかまぼこやソーセージには"ロワール地方のロゼ"とか、パスタには"フランス・ブルゴーニュ地方のボージョレやイタリア・ヴェネト州のヴァルボリチェッラ"とか、色々と探求しています。自分だけの組み合わせを探すのも、けっこう楽しめます。お試しあれ!



ピースポーター・ゴルトトロプヒェン・アウスレーゼ ピースポーター・ゴルトトロプヒェン・アウスレーゼ

 昨年のクリスマスは、"ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェズーヴィオ(ヴェスビオ火山の村のキリストの涙)"というワインをご紹介しました。今年は何を紹介しようかと迷い、この"ピースポーター・ゴルトトロプヒェン"にしました。
 このワインの名前は、ピースポート村の「黄金のしずく」という意味です(アウスレーゼは"房選りのワイン"という意味で、厳選された葡萄の房から作られているという表示)。ピースポート村は、この地方の中でも特に優れたワインを産出するベルンカステル地区に属しており、ゴルトトロプヒェン畑は香り高いワインを生むことで名高く、「モーゼルの女王」とまで呼ばれています。
 ゴルトトロプヒェン畑は数多くの醸造所によって所有されており、ケッセルシュタット伯爵家、ヨゼフ・フリードリッヒ社、トリアー慈善連合協会などは、ドイツを代表する傑出した醸造所として有名です。中でもトリアー慈善連合協会は中世からあった慈善病院で、現在は非営利の法人で養育院、養老院、身体障害者施設などを持つ総合病院になっています。協会は幅広く事業を行ない、収益を福祉事業の維持に充てています。ワインづくりもその一環で、収益の一部はやはり福祉事業に使われています。
 (ちょっと高価だったが)今年3本買ったので、クリスマスに一本飲もうと思っている。甘くフルーティーなワインなので、食事と一緒というより、デザートワインとしてケーキやお菓子等に併せて飲む予定。


参考データ:ぶどう品種/リースリング種  価格/1995年 5,000円

【M-24】トリヤー慈善協会醸造所 [2011] モーゼル産 ピースポーター・ゴールドトロプフヒェン リースリング種 アウスレーゼ 白 甘口

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感想(1件)






映画"この一本!"14 「三十四丁目の奇跡」

 さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。

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 皆さん、「三十四丁目の奇跡」という映画をご存知でしょうか?(スピルバーグの「ニューヨーク東八番街の奇跡」とは何の関係もありません)。最近(と言っても1994年…)、名監督のリチャード・アッテンボローがサンタクロースを演じた映画です。なかなか面白い映画で、実はこの映画は何度もリメイクされているのです。僕が過去に見ただけでも、"1994年版"と"1973年版"と"1947年版"の三本があります(他にもあるのかなぁ?)。1973年版の出来は良くないですが、1947年版はとてもよくできています。1947年版の監督はジョージ・シートン(全然知らない監督…)で、俳優も僕が知らない人ばかり(モーリン・オハラだけはどこかで聞いた事があるような…)なんだけど、とても素的な映画です。でもこの映画、過去の"映画ベスト100選"とかに全然選ばれていないんですね、まったく…。すごく良いのに。だから僕が取り上げちゃいます。

三十四丁目の奇跡 Imaged by JOLLYBOY

 で、どんなストーリーかと言うと、話しの発端はニューヨーク・34丁目のデパートのクリスマス商戦。相手方のデパートに勝つために、サンタのそっくりおじいさんをおもちゃ売り場に連れてくる。このサンタおじいさん、人が良くて親切で子供達に大人気だが、自分は本物のサンタさんだと言い張るのがデパート側には玉に傷。あくどい相手方のデパートは、このサンタおじいさんを罠にかけて暴力事件を起こさせ、おじいさんは留置所に拘留されてしまう。そして、話のいきかがり上サンタを雇ったデパートは、拘留されているおじいさんが本物のサンタであることを証明しなくてはならなくなるのです。
 "サンタの存在証明"など、誰もが不可能と思っています。ところがデパートだけでなく、市長、検察官、裁判官、マスコミ、ニューヨーク市民、子供等を巻き込んでの大騒動に発展してしまいます。デパート側の(これまた人の良い)若い弁護士は、"サンタの存在証明"をしなければなりません。そしていよいよクライマックスへ!あっと驚くどんでん返しが待っています。駆け出し弁護士が、常識を覆して、"サンタの存在証明"に挑むのです。面白いのは、この映画の三本とも、クライマックスの"サンタの存在証明"を苦心して違った方法で行なっていることです。どんな方法かは、見てのお楽しみ!

 12月の暮れも押し迫った時期、ご家族とこんな暖かいドラマを見て過ごされてはいかがでしょうか?



ビークル&アウトドアー

"サボテン100倍に増える"

 いつかこのコーナーでも紹介したが、7年ほど前友人の結婚式でもらった2株のサボテンを丁寧に育てていたら、どんどん増えてしまった。鉢のサイズを2回も大きくし、これ以上鉢のサイズを大きくするわけにもいかず、小さな鉢に移植することにした。つい先日のことである。1鉢あたり4~5個のサボテンを植えたが、24鉢目で鉢が終ってしまった。まだ、まるまる半分残っている。また、鉢を仕入れてこよう…。これ以上増えたら、どうしよう!?

サボテン 24鉢のサボテン(これでまだ半分…)

 僕は、決して園芸や盆栽が趣味でもなんでもないのだが、バジルもサボテンも(この2種しか育てていない)異常によく育つ。バジルなどは昨年一度全部枯れたのだが、自分の鉢だけでなくサボテンの鉢にさえ種を落としてグングン育った。通常は養分の奪い合いで、どちらかが枯れるのが普通だが、両方とも良く育つ!おそらく、土(培養土)、陽(窓際)、水(磁気処理&アルカリイオン水)の3つの要素が最高の状態なのだと思う。

まさに「他の種は良い地に落ち、実を結んで、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍にもなった」(マタイによる福音書13賞8節)である。




今月の200文字コラム

「21世紀・日本の空洞化」

 さてこのコーナーは、社会で起こっている様々な問題をたった200文字以内で論評しようという無謀なコーナー。

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 いよいよ21世紀目前。しかし日本の企業は、海外へ拠点を変えつつある。企業だけではない。有名野球選手、音楽家、映画人等は、どんどん海外へ流出中。第一線で活躍する人達は、すでに日本に見切りをつけたのだ。政治や経済からプロ野球に至るまで、自己の権益を確保するだけで、「本物の」改革をしないから。しかし日本人がすべて日本を出るのは、不可能。選挙で、政治に対し断固たる意志を示さねば日本の未来は無い。 (今月は197文字コラムでした)。



引用・参考文献:
ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本
                        (日本ソムリエ協会)
基礎ワイン教本WSET編             (柴 田 書 店)
田辺由美のワインブック              (飛 鳥 出 版)
ワインの科学           清水 健一 著  (講  談  社)
ヒュー・ジョンソンの楽しいワイン         (文 春 文 庫)
ワインベストセレクション260 浅田 勝美 監修 (日 本 文 芸 社)
世界ワイン大全                  (日経BPムック)
ワインの世界史                  (中 公 新 書)
ワイン・カタログナヴィ・インターナショナル編    (西  東  社)
ソムリエを楽しむ田崎真也              (講  談  社)
ワインものがたり         鎌田 健一 著 (大 泉 書 店)
今日からちょっとワイン通      山田 健 著  (草  思  社)
私のワイン畑           玉村 豊男 著  (扶  桑  社)
夢ワイン              江川 卓 著  (講  談  社)
永井美奈子のベランダでワイン            (主婦と生活社)
ワイン この一本     戸部民夫・清水靖子編著 (毎 日 新 聞 社)
ワイン用葡萄ガイド    ジャンシス・ロビンソン   (WANDS)
ワインの教室                   (イカロス 出 版)


聖書の言葉

「しかし、わが名を畏れ敬うあなたたちには、義の太陽が昇る。その翼にはいやす力がある。あなたたちは牛舎の子牛のように、踊り出て跳び回る。」(マラキ書3章20節)