JOLLYBOY'S NEWS JOLLYBOY TIMES
 Vol.36 2000年10月号

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JOLLYBOYのワインハウス

14.日本のボルドー・勝沼を訪れる

 実は去年の今ごろは、「2000年の秋はフランスへ行こう」と考えていた。フランスのボルドーに行って、ぶどう畑やシャトー巡りをしたいなぁ…と、考えていた。ぶどう畑で、何も考えずボォッと終日過ごす…素晴らしいではないか!そのための貯金もしていたのだが、今年4月に事業を独立したため、貯金も退職金も全部使い果たし、忙しくてとても長期に休める時間もなく、しばらくフランス行きはお預けとなった。フランスに行くどころか、半年の間、自宅のある埼玉と職場のある東京の往復だけで、埼玉・東京から脱出することさえできなかった。
 しかしその替りと言っては何だが、日本のボルドーと言われる山梨県の「勝沼」に行こうと考えていた。そしてこの夏、それが達成できた。久しぶりの、カプチーノでの遠出ドライブでもある。大好きなカプチーノに乗って、夢のぶどう畑へ向かう。8月の最後の週末土曜日とあって、中央高速は混んでいて、勝沼に着いたのは日も傾き始めた午後3時過ぎだった。しかし、勝沼は僕の期待を裏切らなかった。町中、ぶどう畑なのだ!ただしヨーロッパと違って、日本のぶどう栽培は棚造り方式なので、ぶどうは頭の上からぶら下がっている。だから、ぶどう畑の真中に立って、広がるぶどう畑を見渡す…ということはできない。この夢は、将来予定しているフランスの旅までとっておこう…。


勝沼の葡萄畑 勝沼の葡萄畑

 勝沼へ着くと、まず最初に訪れたのは、ぶどうの丘。さすが、ぶどうの町。町営の立派な施設が、建てられている。そこで遅い昼食を採る。せっかく勝沼に来たので、フランス料理を頼んで、勝沼産の赤ワインも合わせてみる。そして、ぶどうジュースにぶどうのシャーベットと、ぶどう尽くし。もう、幸せ。遅い昼食を終えると、ぶどうの丘から街を見渡す。とにかくぶどう畑が広がっている。この町なら住んでも良い…などと、まじめに考えてしまう。ワイン・セラー内の試飲の時間は終了していたが、タートヴァン(ワイン試飲用のカップ)は買った。

ぶどうの丘にて ぶどうの丘にて ぶどうの丘にて

 夕方、カプチーノで、市内を廻ってみる。ぶどう畑だけでなく、市内のあちらこちらに、シャトーがある。時間が遅かったので閉まってはいたが、小さな"シャトー・ジュン"と、大きな"シャトー・メルシャン"に寄った。次回はもっと早い時間に来て、醸造過程やワイン・セラーなども覗いてみたい。ワイン資料館や数ある小シャトーも見れなかったので、次回の楽しみに取っておこう。僕は、今回の小旅行で、勝沼が大好きになった。また来るぞ!

シャトーにて 小シャトーにて メルシャンにて メルシャンにて


シャトー・メルシャン・甲州・シュールリー シャトー・メルシャン・甲州・シュールリー

 さて勝沼に行ったので、今回は勝沼のワインを一本ご紹介します。日本では、欧州ぶどう品種を使った醸造で、海外のワインコンクールで受賞したりと、品質が向上しています。一方、日本に昔からある"甲州"ぶどうを使って、シュール・リーや樽発酵など様々な試みがなされ、純国産ワインとしてのアイデンティティが確立されようとしています(同じ日本固有種ということでは、5月に取り上げたマスカット・ベリーA種開発の記事も合わせてご覧下さい)。しかし、勝沼では1998年1月の雪害で、甲州のブドウ棚が倒壊し、農業後継者問題も絡んで、前途は決して容易ではないようです。そんな苦労の中、甲州種で作られたのがこのワイン。シュール・リーとは、樽の中のまだ澱上にあるワインの上澄みだけを取り出し瓶詰めを行なう方法のことです(主に、フランスのロワール地域で採用されている)。若々しく、フルーティーでさわやかなワインが造られます。値段も手ごろなので、ぜひお試しあれ!

参考データ:ぶどう品種/甲州種  価格/1998年 1,300円


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映画"この一本!"12 「バニシング in 60」

 さてこのコーナーでは、隠れた名作映画を毎月一本づつ紹介していきます。賞を取ったのに興行成績が惨敗だった映画とか、一般には知られていないがカルト的に人気のある映画とか、海外では大ヒットしたのに日本でこけてしまった映画とか-いま一つ日の目を見ない不運な映画を取り上げていきます。

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 先日、"60セカンズ"というニコラス・ケイジ主演の映画がロードショー公開された。この映画は、1974年公開の"バニシング in 60"のリメイク版である。小学生の頃、この"バニシング in 60"と言う映画が、車好きの男の子の中でとても流行った。時は、まさしく"サーキットの狼"に端を発する超スーパーカーブーム真っ盛り。近所の同級生は、小学生の僅かなおこずかいを投じて何度も映画館へ足を運んでいた。僕は、小学生当時は映画館へ行く大金はなく、その近所の男の子の話を聞くだけだった。その後、テレビ放映された時に、この作品に"はまった"ことは言うまでもない。おそらく、女性にはこの映画のどこが面白いのか、理解不能だったに違いない。今日は、このカルト的作品を取り上げよう!
 この映画の凄いところは、とにかく車がたくさん登場する。"車好きによる、車好きのための、車映画"と言ってよい。どれだけすごいかと言うと、116台の車が登場し、52台が高級車(本物のレーシングカーも登場)、48台がパトカー、などなど。そのうち93台もの車がぶっ壊れるのだ!なんせ、監督のH・B・ハリッキーはスタント・マン出身なの…。
 どんな物語かと言うと、60秒で高級車を盗むすご腕の車泥棒の話。彼らは、法外な報酬を手に入れるために、52台もの高級車を盗むこととなった。しかし、エレナと呼ばれる73年型のムスタング・マッハⅠだけはなかなか手には入らない。四苦八苦してようやくムスタングを盗んだのに、パトカーの大群の猛追撃を受けることとなる。エレナは、何とか逃げ切ろうとする。そんなお話し。カーアクションの合間に、こまめなギャグやユーモアもちりばめられている。なかなかの秀作。

バニシング in 60 Imaged by JOLLYBOY
 (↑子供の頃撮影した、近所の"白い"ムスタングの写真を加工)

 この映画、エレナと呼ばれるムスタング・マッハⅠが、これでもかというぐらいに壊れながらも逃げ回る。映画に使われたこの車、改装に約1年、作業時間に250時間もかかった。超タフに改造されたこのムスタングは、40分間に渡るカーチェイスに、(バンパーが壊れただけで)堂々と耐え抜いた。僕らの少年時代、実(まこと)しやかなる噂が流れた。あのムスタング・マッハⅠは、同じ形の物が十台以上も用意されていて、ムスタングが壊れて動かなくなる度に、新車がハンマーで同じようにボコボコにされ、撮影に使われたのだ、と(もちろん嘘である)。そんな噂が生まれるほど、迫力あるカーチェイスだった。
 この映画には、色んなスーパーカーや高級車が登場する。主役のムスタング・マッハⅠの他、フェラーリ・デイトナ、コルベット・スティングレー、フォードT、デ・トマソ・パンテーラ、ランボルギーニ・ミウラ、マセラティ・ギブリに、ポルシェにベンツにロールスロイス、ジャガーにロータスにキャデラック等々。スーパーカー大ブームの中の子供達にはこたえられない"夢の車の競演"映画だったのだ。カルト映画というのは、決して一般受けなど狙ってはいけない!ひたすら自己主張を貫いて、それに付いて来れる人間にだけ理解してもらえば、それで良しとしよう!潔いではないか!(ニコラス・ケイジ主演の"60セカンズ"はまだ見ていないが、やはり一般受けを狙っているんだろうな…)。




ビークル&アウトドアー

"足を守るシューズについて・Ⅰ"

 数年前まで、靴を買う時のこだわりとして、ビジネス・シューズは"ウィング・チップ"シューズに決めていた。ウィングチップ・シューズを5足購入し、毎日履き替える(すると、かなり長持ちするのだ)。10年以上、それを貫いたのだが、メーカーはバラバラだった。ウィング・チップシューズは、REGALを初めとして伝統的な製法による靴が多い。デザインは大好きなのだが、重量が重く、スニーカーなどと比べると当然疲れる。長時間歩く営業には向かず、何よりも価格が高かった。2万~3万が相場で、安いものでは1万円ほどだったが、安いのは耐久性がなく壊れやすかった。
 疲れず、歩き易く、耐久性もあり、手ごろな値段のシューズを探していた。そんな時に出合ったのが、GTホーキンスの靴だった。初めてのGTホーキンスは、ビジネス・シューズではなくアウトドア・シューズだった。雨上がりのぐちゃぐちゃの泥の中や水溜りの中でもまったく濡れない、ゴア・テックス素材を使ったトレッキング・シューズである。通常ゴアテックス素材を使ったアウトドア・シューズは、当時最低でも2万5千円はしたが、GTホーキンスは1万5千円もせずに買えた。これは画期的なことだった。しばらくして、"エアー・ライト"とよばれるGTホーキンスのウィング・チップシューズを買ったが、これが軽くて、長距離歩行にも疲れない。伝統的なグッドイヤー製法で作られた高品質な靴ながら、値段も1万円を切っていた。その後、デザインもウィングチップにこだわらなくなり、性能重視で靴を買うようになった。いろんな靴を履いた中で(かなり無駄な金も投じた)、僕の中で評価が高かったのが、GTホーキンスの"トラベラー"という靴。トラベラーは、ショックの吸収性に富み、長時間歩行でも疲れず、価格も1万円以下で決して高価ではないのに、高性能で耐久性が高い。立て続けにデザインや色の違う3足を購入。長持ちさせるため、これらを毎日履き替えている。


GTホーキンス マイGTホーキンス

上段左から,ゴアテックス・トレッキンクシューズ,エアーライト・ウィングチップ
下段左から、 トラベラー・黒、黒、ダークブラウン


 GTホーキンスが安いのは、素材や製法に手を抜いているからではない。他のブランド・メーカーの高いシューズと比べても、デザインセンス、性能、耐久性は、遜色ない。何故そんなことが可能なのか?これは、このブランドの創始者の志が脈々と受け継がれていると言ってよい。GTホーキンスとは、創始者のジョージ・トーマス・ホーキンス卿のこと。1850年創業以来、英国王室も認めたホーキンスの真摯な靴作りの姿勢は、現在に至るまで維持されているのである。人々が購入し易い価格で、尚且つ高性能で履き易い靴を作り続けているのである。"立派な靴屋さん"だと思う。
 ちなみに、私はGTホーキンスの回し者でも、関係者でもない。大事な足を守り、毎日履くものだから、値段やブランド名に惑わされずに本当に良いものを選んでいたら、GTホーキンスに辿り着いたのである。
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今月の200文字コラム

「夢を見る力」

 さてこのコーナーは、社会で起こっている様々な問題をたった200文字以内で論評しようという無謀なコーナー。

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 スポーツや映画や演奏等で感動すると、思うことがある。華々しい活躍の陰で、彼らは物凄い努力をしているはずだ。多くの人が夢を諦める中、彼らは必死に夢を見続けている。夢を見続けるには、力がいる。その夢を達成するには、もっと力がいる。最近、子供に将来成りたい職業を聞くと、多くの子が会社員と応えるという。成りたい者より成れる者を目指す方が現実的だ、と冷めているらしい。夢を見れない…日本は重病だ。 (今月は198文字コラムでした)。



引用・参考文献:
ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート教本
                        (日本ソムリエ協会)
基礎ワイン教本WSET編             (柴 田 書 店)
田辺由美のワインブック              (飛 鳥 出 版)
ワインの科学           清水 健一 著  (講  談  社)
ヒュー・ジョンソンの楽しいワイン         (文 春 文 庫)
ワインベストセレクション260 浅田 勝美 監修 (日 本 文 芸 社)
世界ワイン大全                  (日経BPムック)
ワインの世界史                  (中 公 新 書)
ワイン・カタログナヴィ・インターナショナル編    (西  東  社)
ソムリエを楽しむ田崎真也              (講  談  社)
ワインものがたり         鎌田 健一 著 (大 泉 書 店)
今日からちょっとワイン通      山田 健 著  (草  思  社)
私のワイン畑           玉村 豊男 著  (扶  桑  社)
夢ワイン              江川 卓 著  (講  談  社)
永井美奈子のベランダでワイン            (主婦と生活社)
ワイン この一本     戸部民夫・清水靖子編著 (毎 日 新 聞 社)
ワイン用葡萄ガイド    ジャンシス・ロビンソン   (WANDS)
ワインの教室                   (イカロス 出 版)
It's GONE in 60 Seconds             (松竹、富士映画)



聖書の言葉

「主に感謝せよ。主は慈しみ深く、人の子らに驚くべき御業を成し遂げられる。主は渇いた魂を飽かせ、飢えた魂を良いもので満たしてくださった。」(詩篇107編8,9節)