JOLLYBOY'S NEWS JOLLYBOY TIMES
 Vol.22  1999年8月号

入口 >トップメニュー >NEWS >現ページ


健康シリーズ・10 (最終回) 「心の健康について」

 さて、今まで体の健康について考えてきましたが、この最終回では「心」の健康について、少し考えてみます。

 「病気」という言葉には、「気」という文字が入っています。つまり「病」は「気」から、と言うわけです。「体の健康」と「心」が決して無関係ではないことを、昔の人は経験的に知っていたのかもしれません。最近はもっと科学的に、脳内物質の話題が取り上げられ、各種ホルモンのバランスによって人の健康状態が左右されることが解明されつつあります。また現代ほど、様々な精神的な病や障害が取り上げられる時代は、過去になかったと思います。ストーカー、境界性人格障害、各種依存症、各種恐怖症、アダルトチルドレン、きれる子供、学級崩壊、うつ病、虚食や過食、自殺増大や児童虐待、等々、エトセトラ…これらのマスコミで踊っている言葉を見るだげても、相当な数です。それだけ人々の生活する社会環境が複雑化し、人々が精神的にもかなりプレッシャーを感じていることがわかります。ここでは、私達が生きていく中で、避けては通れない「ストレス」の問題について考えてみます。

電磁波

 何をストレスと感じるかは、人によって違います。パソコンに向かうだけで気が重くなる中高年者もいれば、パソコンはOKでも電話の音だけでびくつくサラリーマンもいます。過大な販売ノルマに耐え切れない重圧を感じる営業マンがいる一方、あまりプレッシャーを感じず成績を伸ばす営業マンもいるでしょう。学校に行くのが嫌々でたまらない子もいれば、学校で友達に会うのが楽しみで仕方ない子もいるでしょう。
 またストレスすべてが悪いわけではありません。適度なストレスは、その人の実力を伸ばしたり、適度な刺激を与えたりします。しかし過度の長期ストレスは、体の抵抗力を失わせ病気(頭痛、脱毛、大腸炎、心臓発作等々)にかかりやすくしたり、何かに依存(酒、買物、ドラッグ等々)させたりします。特に、最近では「うつ病」の人々が増えていると言われます。生涯において一度はうつ病になる人は全人口の15%にも達すると言われ、うつ病ほど重症でなくても軽いうつ症状は多くの人が経験すると言われます。長期の不況による過去に例をみないリストラで、うつ病の人はかなり増え、自殺者の数はここ数ヶ月だけで3万人を超え、戦後最大の異常事態と言われています。ストレスとうまく向き合っていかないと、病気になったり死にとりつかれさえするのです。
 では、どのようにストレスに対処したら良いのでしょう?結論から言うと、ストレスが大きすぎる場合は、生活や人生観を変えることが一番のようです。失業や離婚がストレスの原因なら、怒りや悲しみを抑えてはいけません。そして、その変化に対応しましょう。一方、アルコールやドラッグは、厳禁です。そのまま依存症に陥る可能性が大きいですから。
 例を挙げると、「一部上場の大企業」に長年勤めていたサラリーマンは、それが誇りで人生の生きがいになっていることが少なくありません。なのに突然リストラ
(※)されると、まるで自分が否定されてしまったようで、生きがいを失ってしまいます。家族も、クビになった父親を責めるかもしれません。…うつ病への第一歩です…。そんな時は、格好をつけてじっとウジウジと陰にこもって考え込まないで、まず心のまま怒ってみましょう。十分怒ったら、考え方も変えてみましょう。「あんな会社の一つや二つ!やっと自由になれて、せいせいした!」ぐらいの開き直りも必要かもしれません。そして、家族の協力・信頼も必要です。あるリストラされた夫の妻は、文句一つ言わず収入のなくなった家計を貯金でやりくりし、夫が立ち直るまで支えたそうです。
 そんな大きなストレスでなくとも、私達は日々生活の中でストレスを受け続けています。そんなストレスに対しては、心の通じる友人との交友や趣味・娯楽、スポーツ・運動も大切です。運動の苦手な人でも、ウォーキングで汗を流すだけでも気分転換になります。瞑想や、呼吸法、ヨガと言ったリラクゼーション方法も効果があります。仕事が原因のストレスなら、仕事場に自分のパーソナルな要素(家族の写真、花、好きなフィギア)を増やしたりするのも一つの方法です。真面目な人ほどストレスを抱えてしまうので、生活にはメリハリを付け、公私(仕事と家庭、遊び)をきっちりと分ける訓練も必要です。
 現代には、様々な心の問題がありますが、中でもこの"ストレス"とは、上手く付き合っていかなければならないでしょう。


※リストラクチャリング-この表現は本来「企業再構築」の意味であり、クビをさすだけの使い方は適当でない。「クビ」という表現をオブラートに包んで、リストラという表現に変えているのは、企業側のまやかしである。「クビ」は、リストラの一手段でしかなく、「クビ」はその最終的手段である。

*    *    *    *    *    *

 さて、これで「体と心の健康について」全10回で、駆け足で見てきました。言えることは、「食べ物・水・空気等私達の体を構成する物質が悪化」し、そして「私達が生活する社会環境がより複雑化、システムがより高度化」し、私達が生活するには心身共にストレスが大きくなりすぎているということです。残念ながら、肥大化しすぎてしまった官僚組織国家では、これらの問題がすべて解決されることは夢です。これからの「健康」は、自分一人一人が責任を持つべきでしょう。何度か書いたように、水もただではなく今やボトルで買う時代です。食品も原材料を調べて選択する時代です。病気を治す医者ではなく、生活の質を高める指導、病気にならないための指導をしてくれる医者を選ぶ時代です。行政に関して言えば、薬を大量にだす医者を儲けさせるシステムでなく、地域社会全体の健康を保つ優れた医療機関を儲けさせるシステムが必要な時代です。

最 後 に
 私は、これらの「体と心の健康」の他に「魂の健康」というものがある、と考えています。「魂の健康」それは「魂の平安」を得ることであると考えます。「魂の平安」-それは個人が逆境や極限の状況(例えば「死」に直面した時)においてさえ、平安でいられることではないでしょうか。それは、自己の存在の意義の問題であり、宗教の領域の問題であと思いますが、それは一人一人が人生において、探しだしていくことだと思います。それは、僕にとっては「イエス・キリストとの出会い」でしたが、皆さんはどうでしょう?

小型聖書 - 新共同訳

新品価格
¥3,240から
(2014/11/19 10:12時点)

 

悩む力 (集英社新書 444C)

新品価格
¥734から
(2014/11/19 10:13時点)

 

生きるのが楽しくなる15の習慣 (講談社 α文庫)

新品価格
¥745から
(2014/11/14 09:51時点)

 

「心の専門家」はいらない (新書y)

中古価格
¥1から
(2014/11/19 10:15時点)


JOLLYBOYの本当にあった話・第十話

「真夜中の吸血鬼」


 さて、これは昨年真夏の恐怖の物語である。ある蒸し暑い夜、疲れ果てた僕はベッドに倒れこむように寝込んだ。午前3時頃、異常な痒みで目が覚めた。手足が何箇所も蚊に刺されていた。
 さて、翌日の夜も暑くて、消灯してからもなかなか寝つけずにいた。すると、どこからともなく聞こえてくる「ブーン」という音。こいつが昨日の犯人だ!耳元で"ブーン"という音が聞こえた時、手でバチンと打ちつけたが、蚊には当たらなかった。さすがに真っ暗の中では、蚊には当たらない。結局、その夜も刺された。頭のいい蚊なんているのだろうか?奴は、電灯がついている時には、正体を決して現さず家具の陰などに隠れている。そして、寝込みを襲ってくるのだ。奴は、スナイパーかハンターに違いない。その翌日も、そのまた翌日も刺された。「真夜中のモスキート」との戦い。暗闇では、奴に歩がある。そして、痒みで必ず目を覚まされてしまう。だんだんと、寝不足が増大していく。
 そんな最中、たまたま早く帰宅する機会があって、日が沈む前に家についた。部屋に入ると、壁に一匹の蚊が止まっていた。初めて、白日の下にさらされた奴の姿は、妙にでかい。奴は、僕の予定外の帰宅にフェイントをかけられたのだ!すかさず僕は、平手打ちを食らわせた。すると、壁に血が飛び散った(もちろん僕の血だ)。一匹の蚊にこれほどの血が溜まるものなのか!と思うばかりの、すごい血の量だった。僕は奴に勝利したのだ!その夜は、なんの心配もなくベッドにもぐりこんだ。しばらくして、耳元でまた「ブーン」という音が…。


蚊



役に立たない雑学シリーズ・10

「エリア・カザン監督の汚名」


 エリア・カザンという監督をご存知だろうか?マーローン・ブランド主演の「波止場」やジェームズ・ディーン主演の「エデンの東」を始め、数々の名作を撮った監督だ。僕も「エデンの東」は大好きで、ビデオを買った。彼は、昨年アカデミー賞でアカデミー特別名誉賞を受け取った。黒澤明監督がこの賞をもらった時、全観客がスタンディング・オベーションで迎えた。しかし、カザン監督の時は違った。立って拍手する人がいる一方で、(ブーイングにも近い)座ったままの無言の無視をする人が会場の半数もいたのだ。何故だろう?
 ナチス・ドイツのアメリカ国内での活動を調査するために作られた下院非米活動委員会は、第二次大戦後は共産党員を告発する組織へ変わった。"赤狩り"の嵐は、1947年にハリウッドを襲った。共産党員の経歴があるカザンは、52年に召還された。カザンは仲間の名を挙げることを決意したが、親友の劇作家のアーサー・ミラーはカザンの寝返りを止めようとギリギリまで説得した。結局、カザンは仲間を告発した。彼に名前を挙げられた人々は、社会的にカザンより低い立場の人々ばかりで、二度と立ちあがれないような人々ばかりだった。人々はカザンを非難したが、赤狩りの後カザンは映画監督として順調な活躍を続けた。
 赤狩りで初めに召還されたハリウッド・テンの一人、ドルトン・ランボ(「ジョニーは戦場へ行った」原作者)は、復権後「みんな許し合おう」とコメントしたが、エリア・カザンのことだけは決して許さなかった。これが、アカデミー賞の特別名誉賞の受賞での、無言のブーイング観衆の背景である。時代の波に翻弄された、弱々しい90歳のカザンの姿がとても悲しかった。




ビークル&アウトドアー

"ガンダム・カー"

パジェロ・エボルーション パジェロ・エボルーション

 さて上の写真は、近所のアウトドア・ショップの車である。まるで、ガンダムのような特別なパジェロである。サファリを走るような、モンスター4WDマシン。日本で、これだけのパワーと性能を活かせる場所って、実のところ、そうはない。まあ、この車は店の宣伝用というか、ディスプレイに近いものがあると思う。アウトドア・ショップの雰囲気を良く現している。



引用・参考文献:
ストレス/アダルト・チルドレン/アパシー・シンドローム
依存症/心身症/ノイローゼ/躁うつ病他 (全てディアゴスチーニ)
行動科学としての心理学         (芸 林 書 房)
初歩心理学               (光 文 社)
小学生の心理              (光 文 社)
スヌーピーと仲間たちの心と時代     (講 談 社)
スヌーピーたちの性格心理分析      (講 談 社)
大事なことはみ~んなドラえもんに教わった(飛 鳥 新 社)
他、脳内革命、超右脳革命、健康医学小事典など
ムービー 36号・1955年版     (ディアゴスチーニ)


聖書の言葉

「その苦難の日々の後、たちまち太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。そのとき、人の子の徴が天に現れる。そして、そのとき、地上の民族は悲しみ、人の子が大いなる力と栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見る。」…「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。ただ、父だけがご存知である。」(マタイによる福音書24章29、30および36節)。