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「ブレードランナー」 (記:2010年1月)

ブレードランナー ファイナル・カット [DVD]

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 今回は、僕の好きなSFを取り上げます。言わずと知れた「ブレードランナー」。ところがこの映画、1982年に日本で公開された時は大して話題にならなかったんです。それが、少しずつジワジワとマニアックと言うか、カルト的な人気が上昇してきて…僕もそんなマニアックなファンの一人で…、ビデオが物凄く売れたという珍しい作品なんです。僕も、まずビデオ買いました。それから、完全版だの、ディレクターズカットなどが出て、DVDも出たらそれもまた買ってしまって…そんなマニアックな作品。ルトガー・ハウアーのレプリカントのラストの台詞や表情を、昔物真似コピーして覚えました。
 誤解を恐れずに言うと、ストーリー自体は大して面白くない。原作のフィリップ・K・ディックの原作(※"アンドロイドは電気羊の夢を見るか")自体もそんなに面白くなかったし(笑)。原作は、人間と人間に作られたアンドロイドの違いを見せつける。どんなに人間そっくりに作られたアンドロイドも、究極には人間とは同じではない…デッィクは作品でそれを描いていく。映画の結論は、むしろその逆かな?テーマが重いんです。"人間とは何か?"
 ストーリーを最初に簡潔に述べると、宇宙での労働用に作られたレプリカント(人型アンドロイド)が地球に戻ってきて自分達の存在理由や秘密を探ろうとする。ハリソン・フォード扮するレプリカント狩りのプロ"プレード・ランナー"が、彼らを追いかける…だいたい、そんなストーリーです。

ブレードランナーImaged by JOLLYBOY

 まあ、ストーリーはどこにでもあるような設定で、ある意味どうでも良く、この作品が凄いなぁ…と思うのは、その世界観のイメージ、と言うか雰囲気。シド・ミードが未来予測に従って描き提示した、徹底した暗い未来のリアリティ。"2001年宇宙の旅"が示した、科学の先にある明るい展望ではなく、徹底した暗さ!都市(L.A.)には酸性雨が降り続け、太陽は隠れ、その下で暮らす人々は格差社会の象徴のスラム街。金持ちは、とっくにもっと良い建物や宇宙に引っ越している。都市の造形は細部までこだわり、画面には登場しないであろう雑誌の表紙まできちんとデザインされていると言うこだわりよう。
 この作品がマニアックなファンを大勢生み出した結果、僕は度々CG制作の過程で「プレードランナーのあの雰囲気を!」と、ディレクター達に何度言われたことだろうか(※僕の心の中の叫び…「制作と予算の規模もスケジュールも全然違いますよ~」。今だったら「ファイナルファンタジーのあの雰囲気を!」だが(※「だから制作と予算の規模が3桁も違うだろがぁ!!」←僕心の叫びその2)、昔は圧倒的にプレードランナーは映像ディレクター達に支持されていた。
 監督のリドリー・スコットは、こう言うリアリティのある雰囲気を作らせると上手いね~。雰囲気が良い映画は、何度も観れる。ストーリーのどんでん返しが面白い映画は、(ストーリー命なので)そうそう何度も観れない。雰囲気が素晴らしい映画としては、僕の中ではこの"プレードランナー"が"バクダッド・カフェ"と並ぶ2トップなのである。