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「惑星ソラリス」   (記:2009年4月)

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 久々に、僕の大好きなSF映画を取り上げます。その名も「惑星ソラリス」。1972年の旧ソ連の作品。あっ、でも名作だから、このコーナーで取り上げるのは、ちょっとこのコーナーの主旨から外れるかな~?でも、最近ハリウッドでリメイクされたバージョンはともかく、よほどのSFファンでないとこれ見てないよね?
 僕は、中学&高校の頃からSF小説を読みふけるSFマニア少年だったのだけれど、特にアーサー・C・クラークの小説を「(いくつかの名作を除き)ものすごくつまらない」と思いながらも次々と読破。他にも色んなSF作家の小説を読んだのだけれど、中でもスタニスラフ・レムの小説にははまりました。当時発売されていたレムの作品を、次々に読破。彼の世界は、SFと言う枠を超えて、不条理と言うか、形而上的と言うか、科学的なのに不思議世界。読んでいて先の読めない展開は、ハラハラもするし。例えば、話しの内容は地味なんだけど"捜査"なんて、もう最高!今回、取り上げる"ソラリスの陽のもとに(※惑星ソラリス)"もそんなレムの傑作SFの一つ!
 この傑作SFを映像化したのが、旧ソ連の映像詩人アンドレイ・タルコフスキー!タルコフスキーは難解な映画を作ると思われがちだけど、映画"惑星ソラリス"はレムのコンセプトを見事に映像化している。未来都市の場面を、東京の首都高速道路の映像で表現しているのは有名。首都高はソビエトの人には珍しかったのかもしれないが、日本人の僕には珍しくも何ともないので、僕はあまりに長い首都高のシーンを「そんなに長回ししなくても…」と思ったのが正直な感想(笑)。かたや"2001年宇宙の旅"のような最先端の特撮技術が生まれる時代にあって、"惑星ソラリス"の特撮は超チープ。ロケット発射シーンでは、肝心のロケット発射シーンが無く、夜空と音のみ(爆)。でも、これは良い判断だったと思う。現代のハリウッドレベルの特撮技術なら申し分ないだろうが、当時のソ連の特撮技術で、ロケットや宇宙船を映画の大画面で映し出したら、おそらくそれだけですべてが興醒めだっと思う。ラストシーンのミニチュア特撮も、必要最小限だし。タルコフスキーは、確信犯的に特撮を極力省いている。懸命な判断だったと思う。

惑星ソラリス
Imaged by JOLLYBOY


 さて、話しをストーリーに移そう(※ただし、ネタバレにならぬようにエンディングには触れません)。
 時は、21世紀。場所は、惑星ソラリス。その表面は、プラズマ状の物体で覆われている不思議な惑星。その惑星の軌道宇宙ステーションで働く人々が、いっせいに混乱をきたした。その原因を探るため、ドナータス・バニオニス演ずる心理学者クリスが、軌道ステーションに派遣される。ところがクリスも、その軌道ステーションで、ナタリヤ・ボルダルチュク演ずる死んだはずの妻ハリーに出会う。
 ソラリスの海は、人間の潜在意識を実体化する思考する(?)物体で覆われた海であった。そして、亡き妻を目の前にしたクリスも苦悩するのである…。

 特撮に頼らず、前述の首都高の映像、水面に水藻が揺れるイメージ、使い古された雰囲気の宇宙ステーションのセットなど、日常と密接に関連した光景のSF映画。レムの着想とタルコフスキーの映像美が、見事に融合した優れたコラボ作品!ああ、こんな事を書いていたら、また見たくなった(笑)。