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「第七の封印」 (記:2008年7月)
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スウェーデンの映画を取り上げるのは、今回が初めて(そして最後かも…笑)。この映画は1957年の映画なので、もう半世紀以上前の映画(※日本公開は1963年)。十年以上も前の話だけれども、どうしても見たかったのだがもちろん映画館ではやっていない。メジャータイトルではないので、レンタルビデオ屋にも置いていなかった。そこで、ビデオを買う事にした。まだインターネットショッピングが一般的でなかった時代のこと、あちこちの店でようやくビデオを探し出して買ったのである…少量制作ビデオなのでけっこう高かった(^_^;;)。
監督は、巨匠イングマール・ベルイマン。聖職者(牧師)の子として生まれたベルイマンは、脚本家を経験した後、監督としてデビュー。低予算映画を撮り続ける中で、自らのスタイルを確立していった。哲学的(形而上学的)な作品を取る監督として知られるが、実は分かり易く娯楽的な作品だったりする。昨年(2007年)、89歳で世を去った。
ベルイマンの作品は数々の国際映画賞を受賞しているが、この"第七の封印"もカンヌで審査員特別賞を受賞している。
Imaged by JOLLYBOY
この作品は、タイトルからも分かるように聖書の"ヨハネの黙示録"から着想を得ているが、聖書の物語を映画化したものではない。
十字軍に参加して敗れ、従者と共に帰途に着くマックス・フォンシドー(※エクソシストのあの神父を演じた役者)演じる中世の騎士が、以前あった理想が裏切られて喪失している事を知る。社会にはペストが蔓延し、人々の心も退廃しすさんでいる。
その騎士の元に、ベント・エーケロートが扮する死神が訪れる。騎士は神の啓示を求めるが、その死神が阻む。騎士は自らの死期が迫っている事を悟り、自らの死の猶予を請うて死神にチェスの勝負を挑む。かくして、騎士は死神と手に汗握る"命を賭けた"チェスの名勝負を行なうのである。
物語は暗く重い中世を背景とし、かつ生と死を問う観念的な話なのだけれど、それをエンターテイメントに仕上げているのが、やはり名匠ベルイマンのなせる業。
ちなみに、この映画に登場する死神だが、シュワちゃんが主役の"ラストアクション・ヒーロー"に出演していて笑ったことがある(※上映中の映画スクリーンから例の死神が出てくるのである)。そっちの映画ははっきり言ってつまらないですが、興味があればチェックしてね!