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「猟奇的な彼女」   (記:2005年 1月)

猟奇的な彼女 [DVD]

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 「猟奇的な彼女」は、韓国で2001年に公開されて500万人が見て、6週連続で一位を獲得したインターネット発のいかした映画。日本でも2003年に公開されてそこそこのロングラン・ヒットをしたのだが、全国拡大ロードショー的な大ヒットも期待できたのじゃないかなぁ・・・ちょっと残念。そんな分けで、今回この「猟奇的な彼女」を取り上げよう。

 で、その前に、最近の韓国映画の隆盛について振り返ってみたいと思う。僕が初めて韓国映画で驚いたのが、「シュリ」。ハリウッドの物真似だとか何とか言う芸能人もいたけど、僕は素直に凄いと思った。韓国と言う国が抱える問題を、単なるアクション映画を超えたスケールの大きな映画として仕上げていた。残念ながら、日本にこれを作れと言われてもできないし、作ったとしても嘘っぽく、かつチープになってしまうのはほぼ間違いない。"若い映画人の息吹"と"国全体でのバックアップ"のような燃える勢いが、韓国映画にはある(一方、日本には映画作りに関して様々な問題がある。日本映画界の問題については、自分なりに分析しているのだが、これは別の機会に譲りたい)。僕は、昨年末から今年にかけてDVDで、JSA、リベラメ、火山高、チング等々と次々と韓国映画を見た。韓国映画は、「シュリ」や「ブラザーフッド」のような大作映画から「火山高」のようなナンセンス・コメディまで、ジャンルをと問わず上手い。とにかく勢いがある。現在の韓国映画は、かつてのハリウッド映画と同様に、ロードショーで見たい映画の一本に入るのだ(残念な事に邦画でロードショー公開で見たいのは少ない)。


猟奇的な彼女Imaged by JOLLYBOY

 さて「猟奇的な彼女」だが、昨年来の韓流ブームで改めて主演俳優の説明はいらないかもしれないが、主演の女の子を演じるのがチョン・ジヒョン。間抜けな大学生キョヌを演じるのが、チャ・テヒョン。二人とも、韓国を代表するスターである。監督はクァク・ジョヨン、音楽担当はキム・ヒョンソク。

 物語の内容は、間抜けな大学生が、ある夜酔っ払った若い女性と地下鉄で関わり合うことから始まる。登場人物も少なく、基本的にこの二人の関係で物語は進展していく。ネタバレになるのでストーリーは詳しくは書かないが、コメディ映画だと思って油断していると、最後は・・・。"猟奇的"と言うと日本語では変質者的・犯罪的なイメージが強いが、韓国ではかなり違うようだ。"おかしな"とか"変な"とか"けったいな"のような意味にプラスして、"いかした奴"、"かっこいい奴"のようなクールな意味合いがあるらしい。この映画の主人公は、ちょっとおかしな行動を取り捲るのだが、観客は彼女のその変なところに魅かれてしまうのである。最後には、変な彼女と間抜けなキョヌの二人に感情移入してしまうだろう。この映画を男性が女性と見る場合は、要注意。彼女の目の前で、ハンカチで涙を拭うことになるしれないからね~、いや、ホントに・・・ぐすっ・・・

 二人の演技も素晴らしいのだが、脚本がとても良く練ってある。これもネタバレになるので詳しくは書けないが、冒頭のキョヌが叔母さんの電話から逃げ回るプロットもストーリーの伏線になっている。監督のクァク・ジョヨンの演出も、抑え目で(よくある日本映画のように)押し付けがましくなくて良い。音楽も、韓国の小室哲也と言われるキム・ヒョンソクが担当していて、映画のポップな感じを損なわない秀逸な出来。特殊効果やCGも、必要な部分のみの最小限の使用で映画の進行を損なわないように使っていて好感が持てる。

 この映画、すでにスピルバーグ率いるドリームワークスが、リメイク権を獲得しているそうです。ハリウッド版"シャル・ウィー・ダンス"でも苦労していたようだけど、アメリカでこの"猟奇的な彼女"な雰囲気を上手く表現できるかな?