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「ウェールズの山」 (記:2004年1月)
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毎年の初めは、なんかこう気持ちを明るくさせてくれるような映画とか、勇気が湧いてくるような映画を取り上げたいなぁ…と思っているのですが、今年最初にご紹介する映画は"ウェールズの山"。原題は、"丘に登り山を降りたイングランド人(the Englishman who went up a hill but came down a mountqin)"と言う、長くて変なタイトル。1995年のイギリス映画で、監督&脚本はクリストファー・マンガー。この監督はウェールズ出身で、ウェールズに伝わる伝説を基にこの映画を作り上げた。主演は、ヒュー・グラント。脇を、イアン・マックニー、タラ・フィッツジェラルド、コーム・ミーニーらが固める。
Imaged by JOLLYBOY
物語だが、第一次大戦後間もない1917年、ウェールズの小さな村に二人のイングランド人がやって来る。地図のための測量にやってきたのだ。村のガース山の高さも測られる。その高さは299メートル。なんとそれは「山」と呼ぶには、6メートル足りない。つまり地図には、「丘」と記載されてしまうのだ。村の人々は大慌て。ガース山は、村人にとって誇りなのだ。ウェールズ地方の最初の「山」が、ガース山。それが、「丘」になってしまうのは、とうてい我慢できない。村中が騒然となる。村人は、あの手この手を使って、測量技師二人を村に足止めする。その間に、村人たちはなんとかガース「丘」を305メートルのガース「山」にしようと奮闘努力を開始する。
この映画の見所は、郷土の誇りにこだわる村人のおかしさと熱心さ、個性溢れる村人一人一人の葛藤である。理解し合えなかった者達が、郷土の誇りをかけて次第に連帯していく。映画によくありがちな設定だが、監督やスタッフ、出演者達の努力が高度に融合・調和していて飽きさせない。しかも、出演者の村人たちの多くがウェールズから選ばれているとの事。ウェールズの山"ガース山"と同様、正に郷土"ウェールズ"の誇りをかけた名作映画である。