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「未来世紀ブラジル」 (記:2001年10月)
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大ヒットしたわけではないが、未だにカルト的に人気のある映画。それが、この「未来世紀ブラジル」(原題は単に"BRAZIL")。監督は、あのテリー・ギリアム。「あの」テリー・ギリアム…と言われても、誰のことやら知らない人もいるかも知れませんが、彼は「あの」"モンティ・パイソン"シリーズのシュールなアニメーションを作っていた人なのです。モンティ・パイソンのビデオを全巻揃えた僕にとって、かけがえのないアニメの偉大な先人なのです(もっとも、造られたアニメは馬鹿馬鹿しいもののオン・パレードなのだが…。とにかく、シュールでナンセンスの連続)。彼は、「バロン」や「12モンキーズ」も監督しています。
で、この「未来世紀ブラジル」なのだけれど、南米ブラジルとは実際には何の関係もない。近未来の管理社会の国家。コンピュータのミスによりでたらめな当局の陰謀で、とある女性が消されようとしていることを知った主人公の奮闘。しかし、彼もまた管理社会の中に、どっぷりと浸かっていたのだった。不条理な世界の中で、現実と空想の間を彷徨う主人公…。ジョージ・オーウェルの「1984年」を彷彿とさせる世界観。
Imaged by JOLLYBOY
この映画の主人公は、ジョナサン・プライスだが、要所に若いロバート・デ・ニーロが出ている。これから見る人は、要チェック。またこの映画は、一シーン、一シーンをとても大切に作っている感じがする。一コマ、一コマに命をかけていたアニメ出身監督ならではという感じ。
そして、なんと言っても監督の感性が素晴らしいのは、ラストの重々としたシーンで、明るい陽気なサンバミュージック"ブラジル"がBGMに流れること。このミスマッチとも思える選曲が、シーンにピタリとはまってしまうのだ。こういう音楽の使い方をしたのは、テリー・ギリアムが最初だと思う。僕の大好きな映画の一本。