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「突 撃」    (記:2001年7月)

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 故スタンリー・キューブリックの代表作と言えば、"2001年宇宙の旅"である…と多くの人が答えると思う(僕も同様だ、と言うより2001年宇宙の旅は僕の仕事を決める要因の一つにさえなっている)。では、キューブリックの2番目の代表作を挙げろと言ったら、みんな何を挙げるのだろう。ある人は、"時計仕掛けのオレンジ"かもしれない。ある人は、"博士の異常な愛情(注:本当の題名はもっと長い)"かもしれない。ある人は、"シャイニング"かもしれない。いやいや、馬鹿を言っちゃ困る"アイズ・ワイドシャット"だ!というかも知れない。どれも、名作だ。"ロリータ"はどうなんだろう…、少なくとも、"スパルタカス"や"バリー・リンドン"は外していいだろう…とか。

 でも、僕は敢えて"突撃"を挙げたい。キューブリックの、1957年の作品。キューブリックの良いところも、悪いところも全部出ているような、後の作品の出発点のような作品。手持ちカメラのリアリティは、後の"フルメタルジャケット"に通じるものがあるし、一筋縄でいかないストーリー展開は正にキューブリック。って、評論家の口調になってしまいましたが、理屈はともかく面白い映画なのです、"突撃"は。


突撃Imaged by JOLLYBOY

 どんなストーリーかと言うと、戦時中のフランス軍のお話し。最前線のダックス大佐のもとに、参謀本部から無謀な命令が下るの。どう考えても無理な作戦で、やってみたらやっぱり致命的な大失敗。で、将軍は責任を取りたくないから、この責任を3人の兵士に押し付けようとするの。無実なのに、適当に罪状をくっ付けて逮捕するのね。ダックス大佐は元弁護士だったから、この3人を弁護するの。でも、3人の無実を証明するには、将軍の責任を証明しなければならない…絶望的な裁判なのですね、中間管理職の課長が部下の平社員を守るために社長を問い詰めるようなもので、元々無理な裁判なの。これがスリリングに、どんどん展開されていく。キューブリックらしく、軍事政略を辛辣に批判した傑作なんですよ。これ、題材をバブル期の投資に失敗した会社や、外務省を初めとする官僚などの不正に置き換えたら、現代日本でも身に迫るものがありますよ。

 主演のダックス大佐を演じるのは、カーク・ダグラス(マイケル・ダグラスの親父さんです)。キューブリックの初期の作品なので荒削りなんだけど、面白いのでビデオを買ってしまいました。お薦めです。