入口 >トップメニュー >隠れた名映画 >現ページ
「ピンク・フロイド ザ・ウォール」 (記:2001年6月)
新品価格
¥5,301から
(2014/11/19 12:18時点)
学生時代、十回以上見た作品がある。カルト的に人気のある奇才アラン・パーカー監督の"ザ・ウォール"。1982年の作品、ロック・グループのピンク・フロイドの超ヒットアルバム"ザ・ウォール"の映像化。主演は、ボブ・ゲルドフ。そう、アフリカの飢餓を救うために、超有名シンガーに呼び掛け"ウィ・アー・ザ・ワールド"を成功させた、あのボブ・ゲルドフだ。その彼が、ピンク・フロイドを思わせるロック・シンガーに扮するのだ。
音楽と映像のマッチングが素晴らしく、過去幾多に存在したコンサート・ムービーとは一線を隔している。幻想的な映像に、シュールなアニメーション。何より、その内容が心をひき付ける。バラバラな映像が羅列されているようで、しっかりとストーリーがある。ゲルドフが演じるロック・シンガーが、少年時代の思い出を探るシーンから、周囲に踊らされて自分を見失いファシストの統領に扮するシーンまで一気に見せる。ラストのナチを思わせるシーンは圧巻である。
Imaged by JOLLYBOY
この映画は、人間性を押し潰すファシズムに抗うことのできない恐ろしさを描き、そして人と人の間、民族と民族の間、国と国の間にある厚い壁への警鐘を鳴らしている。学生時代、人々の間に存在する壁について深く考えるきっかけになった作品なのだ。この作品は最初、ダビングしたコピーで見ていたが、何度も見て、テープが擦り切れたのできちんと販売用ビデオを買いなおし、ついでにピンク・フロイドの2枚組LP"ザ・ウォール"も買ってしまった。