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「わが谷は緑なりき」    (記:2000年11月)

わが谷は緑なりき [DVD]

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 晩秋にふさわしい映画を考えていた。あんまり知られてなくて、それでも良い映画。そしたら、自然とこの映画が浮かんできた。これは決してマイナーな作品ではなくて、ある世代以上には良く知られた作品だと思うけれど、僕の世代以降は知らない作品だと思う…。なんせ、1941年の作品だから。

わが谷は緑なりきImaged by JOLLYBOY

 この作品の監督は、なんとあの"駅馬車"のジョン・フォードなんです。西部活劇ばかり撮っていたわけではないんですね。緑豊かなウェールズの谷間の炭坑町を舞台にしたヒューマン・ドラマなんです。主人公の子供が牧師に励まされて歩けるようになったり、教わったボクシングでいじめっ子を打ちのめしたり、炭坑の落盤事故から瀕死の父が運び出されたり…と、次々にドラマが展開していきます。最後に、言うに止まれぬ状況で許されない恋におちた女性に対して、町の人々が陰で悪口を言う…その愛の無さに対して、怒った牧師が説教台から町の人々に「主の愛とは何か」を説くシーンでは、胸に迫るものがあります。緑豊かだった町が、煤煙で少しづつ黒くなって行く。町の人々の心の豊かさも、物質の豊かさと次第に反比例してくすんでいく…。これは、正にこの2000年の我々のことを言っている気さえするのです。

 黒澤明監督は、ジョン・フォードの"駅馬車"を愛して止まなかったと言いますが、僕はこの"わが谷は緑なりき"も大好きです。ぜひ、一度レンタルしてでもご覧下さい。